見出し画像

2024年中日ドラゴンズドラフト指名戦略(3)ドラフト分析・提案

前置き

さて、いよいよドラフト当日、10月24日です。(この記事はドラフト当日に授業中せっせと書いています。もっと早くかけよ)アマチュア野球好きの私は死ぬほどそわそわしていますが、ドラフト候補本人やその家族は私の比ではないでしょう。年に一回どころか、人生で一回のイベントです。一人でも多くの選手がプロの門をたたけることを心からお祈り申し上げます。

さて、本題に戻すと(前置きが長い)、ドラゴンズのドラフト一位は「大本命金丸夢斗」との見出しで中日スポーツは掲載しているが、井上監督曰く、「迷い生じた」とのことで前日時点での公言はなしという近年では珍しいパターンに落ち着いた。調べてみると
14年→公言なし、各誌が山崎康晃or有原康平の一位を予想するも野村亮介を一本釣り
15年→前日に髙橋純平の指名を公言、外れで日本ハムと競合した小笠原慎之介を引き当てる。
16年→投手指名を宣言、中スポは今井を匂わせたが柳裕也を指名、くじで勝利
17年→前日に中村奨成の指名を示唆、外れで鈴木博を指名
18年→20日前と異例の速さで根尾昂の指名を公言、4球団競合に勝利
19年→前日に石川昂の指名を公言、3球団競合に勝利
20年→前日に髙橋宏斗の指名を公言、単独指名
21年→公言なし、中スポが「1位指名が有力視される」と表現していたブライト健太を指名
22年→前日に仲地の指名を公言、単独指名
23年→前日に方針を急転させ度会の指名を公言、外れで草加を引き当てるとなっており、6/10で一位指名を公言していることから比較的珍しい形ではあるのだが、21年と同じで本誌がかなり金丸夢斗の一位指名を匂わせていることから金丸の入札はほぼ間違いないと考えてここから進めることにしよう。(迷ってる余地としては中村優斗だと思う)一位指名候補についてはある程度説明したのち、二位指名以降は中日ドラゴンズが指名しそうな選手に絞って紹介していく。

戦略について(一位指名編)

まずは2024年のドラフト市場を一言で表すと、「大学生外野手、高校生投手が豊作な年」である。これは決してそこを上位で指名しろ!というわけではなく、むしろ下位でも割とよい選手が残っている可能性があるという風にとらえてほしく、むしろそこに該当しない選手のほうが希少性が高く、上で指名される可能性が高いと考えてほしい。

そんな今年のドラフト市場で特に注目が大きいのは、金丸夢斗(関大)・宗山塁(明大)の二人である。流石にこんなノートをわざわざ見る人でこの二人を知らない人はいないだろうが、一応選手紹介から始めよう。

金丸夢斗(関西大学)投手

177cm/77kg 左投/左打
言わずと知れた大学No.1左腕。大学4年間で20勝を挙げ、通算防御率は0.83、4年生は春秋通算で自責点0とまさに「無双状態」。球威、制球、変化球すべてが一級品で、ここ10年では間違いなく最高級の完成度を誇る左腕と言って間違いはないだろう。不安点を挙げるとすれば、5月に腰の骨挫傷を発症してから5イニング以上の登板がないことで、一年目からフル稼働を期待するのは微妙な点くらいか。

宗山塁(明治大学)内野手

175cm/78kg 右投/左打
明治大学の誇る神宮のプリンス。一年目から即一軍で通用する守備力を持ちながら、大学通算打率は3割3分over、OPSは驚異の9割越えと打撃だけでもドラ1級の成績を誇えい、鳥谷敬(早稲田)以来の攻守そろった即戦力遊撃手として高い評価をされる選手。不安点であった打撃成績の尻すぼみ感も4年秋で払しょくし、いよいよ弱点が見当たらない。しいて言えば、本拠地が広いチームだとそこまでのホームラン数は期待できないことぐらいか。

中日が指名濃厚な金丸の場合かなりの数の球団で競合することが予想されるため、まずは他12球団の当日(13時半時点)での指名予想(独断と偏見あり)を振り返っておきたい。

巨人 金丸 ソフ 宗山
阪神 金丸 ハム 宗山
横浜 中村 千葉 金丸
広島 宗山 楽天 西川
ヤク 石塚 オリ 金丸
中日 金丸 西部 宗山

公言がわずか一球団と読めなさすぎるため大きく外す可能性があるのはご承知いただきたいが、私の予想では金丸5球団、宗山4球団、西川、石塚、中村が一本釣りと予想する。とここで新たに3選手が出てきたので紹介しよう。

西川史礁(青山学院大学)外野手

182cm/88kg 右投/右打
大学ナンバーワン外野手の呼び声高い大学日本代表の4番。3年春に打率3割強、3HRでブレイクすると4年春には侍ジャパンに大学生ながら金丸、中村らと選出され、長打を含む複数安打を放ちインパクトを残した。大型野手ながら脚力も持ち合わせ、センターの守備も無難にこなす。懸念点は4年秋を怪我で棒に振ってしまったことと、大学通算は5HRと長距離砲としての期待値では大商大渡部より下か。

中村優斗(愛知工業大学)投手

176cm/81kg 右投/右打
最速160kmの大学生No.1右腕。良くある最速〇〇km詐欺ではなく、平均でも150km近くの数字をマークし、ギアを上げれば150km中盤を連発する剛腕でありながら、その中身は変化球投手。スライダーとフォークを巧みに操り、大学通算の平均四死球率も1.89と制球に苦しむこともない。金丸夢斗の異次元ぶりから過小評価されがちだが、例年なら競合必至の完成度を誇る。懸念点としては文句なしの奪三振率と四死球率をマークしながら、被打率が割と高い点だが、これをセイバー的に「運」と言い切れるかどうか、個人的にも同大学の二番手投手は防御率0点台をマークしているのは少し気になる。

石塚裕惺(花咲徳栄)内野手

181cm/82kg 右投/右打
高校通算26発を誇る強打の高校生遊撃手。打撃の完成度は高校生離れしており、いきなり大学生のプロ注と比較しても遜色ないスイングと飛距離をもっており、去年のオリックスドラ1の横山よりも打撃では上回るのではないか。走攻守ともにスケールが大きく、「ドラ1は天井の高い選手を」のテーマの下であれば宗山をも上回る可能性のある逸材。懸念点はプロでショートを守れるかという点のみに尽きる。

ここまで5選手を紹介してきたが、今年のドラフトは読めなすぎる(再度)ことから上記3選手が入札なしというパターンも十分あり得ることは再度申し上げておきたい。

ここからは中日のドラフト戦略を考えるという本題に戻って考えていくと、金丸は5球団競合予想であり、まず外れると思っておいた方が良いだろう。中日は過去10年、くじを外した後に外れドラ1で野手指名を行ったことはない。(おそらく石塚には縁がないだろう。悲しい)そのため、中日がとりうる選択肢としては、
A:引き続き即戦力型の投手を狙う
B:高卒投手に切り替える
の二つがある。私個人としては、金丸・中村とそれ以外の大社卒投手にはかなり差があると考えており、13番目の指名が可能な点を踏まえてもBパターンを推奨したい。

パターンAで指名しそうな投手

パターンAで指名しそうな即戦力型の投手のうち、個人的にお勧めな投手順に紹介する。

①篠木健太郎(法政大学)投手

177cm/80kg 右投/右打
最速157kmを誇る鉄腕。通算防御率は2点代前半ながら援護に恵まれず、六大学通算は14勝にとどまるものの、コンスタントに六大学で成績を残している。懸念点はその登板数であり、3年秋には右肩違和感を訴えていることから草加パターンが脳にちらつく。ただ、ネット界隈でやたらと地雷扱いされるほど悪い投手ではなく、むしろ肩を休める機会を経ることで3年春の姿を取り戻せれば中村優斗と双璧をなす右腕である。

②伊原陵人(NTT西日本)投手

170cm/75kg 左投/左打
最速149kmながら、平均でも145kmの直球を武器に高い制球力を誇るNTT西日本のエース。大商大時代から大学成績は抜群で、都市対抗でも安定した成績を残している。中日スカウトも熱心に追いかけていることから、現実的に外れ一位での指名確率が最も高い選手だろう。被打率の高さは若干気になるがリリーフでも行けそう。

③徳山一翔(環太平洋大学)投手

177cm/87kg 左投/左打
伸びのある直球が武器の最速153km左腕。高い奪三振率を武器に全国大会でも活躍し、中日松永スカウト部長もコメントを残しており、中スポでも名前が挙がることから、2位まで残っていれば確実に指名があるだろう。(一部では1位指名縛りとの噂あり)懸念点は稼働率の低さであり、故障が怖いものの万全な状態であれば能力はドラ1クラス。

④佐藤柳之介(富士大)

179cm/88kg 左投/左打
所属リーグではまさしく無双し、全国大会でも成績を残した左腕。独特なフォームゆえかそこまで早くない球速ながら打者を差し込み、被打率の低さからくるゲームメイキング力が一番の売りか。中日界隈で名前が出てくることが少ないこと、また富士大とのパイプも思い当たらないことから指名可能性は低そう。

⑤吉田聖弥(西濃運輸)

ここで初登場の高卒社会人左腕。今年は西濃運輸のエース格に成長し、都市対抗予選でのピッチングで一気に評価を上げた。パターンAで最も評価が低くなった要因としては、平均球速の低さから未完成であり、吉田に行くなら高卒投手でよいのでは?と思ってしまうところが大きい。ソフトバンクや阪神も高評価で折り返しの3位には残っていないだろう。

パターンBで指名しそうな選手

高卒投手は豊作年であるが、中日の折り返し3位までには残っているか微妙な投手のうち推薦したい選手順に紹介する。

①藤田硫生(東海大相模)投手

198cm/96kg 左投/左打
ロマン大好きな私の性癖に今年もっとも刺さる左腕。198cmの超超高身長から最速150kmのボールを投じる。今夏は激戦神奈川を勝ち進み、チームのベスト8進出に貢献した。この高身長でありながら制球が破綻していないことも魅力で、小笠原の後継者としても持ってこいの左腕である。正直一番欲しい。

②今朝丸裕喜(報徳学園)投手

188cm/80kg 右投/右打
甲子園通算3勝の右腕。細身ながら最速151kmを投じ現時点での高校生No.1右腕を決めるなら今朝丸か。プロに入ってからも球速アップに期待でき、中日が好きそうな投げ方だが、指名順は読めない。

③柴田獅子(福岡大大濠)投手

186cm/85kg 右投/左打
打者としての評価も高い二刀流。投打ともに素材枠ではあるものの、複数球団から外れ一位での指名を示唆するコメントが出ている。完全に育ち切ったときの天井の高さは随一だが、あまり中日に入る姿が想像できない(長身二刀流タイプの育成例があまり思いつかない)事や、おそらく3位には残っていないことから縁は薄めか。

④村上泰斗(神戸弘陵)投手

180cm/73kg 右投/右打
直球の質という面では高校生右腕で最も良いと感じさせる甲子園未出場の大器。中学までは控え捕手であることから投手歴も浅く、伸びしろ十分だろう。投球フォームも個人的に好みなのでかなり指名してほしい投手の一人だ。

⑤清水大暉(前橋商業)投手

193cm/92kg 右投/右打
ここまで紹介した右投手の中では最高身長であり、「ザ・素材派」の投手。上動画でも上ずった球は痛打されており5投手の中では最も現時点での完成度は低いように感じる。ただ投げ方自体にも伸びしろが感じられ、将来的には160kmを最も期待できるのでは。

戦略について(2位指名以降)

ここまで、ドラ1をパターンA(大社卒投手)とパターンB(高卒投手)に分けたが、その先についても分析したい。ここから紹介する選手は動画のみ貼り付けることにする(終わらないからだ)
前章で上げた中日の補強ポイントに基づくと、
①即戦力先発投手(複数)
②中堅を一定水準で守れる左打アスリート型外野手
③天井の高い高卒投手
④スラッガータイプの高卒内野手
⑤即戦力捕手

上位指名は投手2野手1を基本線に考えている(前述通り)ため、パターンA(特に金丸を引き当てたとき。与田さん呼んで来い)の場合、二位で野手を指名する(②or⑤を埋める)余地が生まれる。投手を連続して指名する場合は、上で紹介した投手のうち残っている投手に行くと思うのでここでは省略する。
②で残っていれば獲得したい選手としては、富士大麦谷、大商大渡部、早稲田大吉納、青学大佐々木の4人だ。選考基準としては天井の高さと3位までには残っていないことを優先した。一部補強ポイントに合って無くね?と思う選手もいるだろうが、上位指名は補強ポイントよりも天井の高さを優先したい。

麦谷祐介(富士大)外野手

渡部聖弥(大商大)外野手

吉納翼(早稲田大)外野手

佐々木泰(青学大)三塁手

パターンBの場合、2位指名は確実に即戦力型の投手を取る必要がある。(パターンBで喜んだ次の指名で遊ぶなよ?)

ここまでで
パターンAの場合、
(大社卒投手→大社卒投手)
(大社卒投手→高卒投手)
(大社卒投手→大卒野手)
パターンBの場合、
(高卒投手→大社卒投手)の4つが生まれた。これらを上から順にC、D、E、Fとそれぞれ呼ぶことにする。

3位指名と4位指名は連続で行えることから同時に考えるとパターンCの場合を除いて野手を一人は指名することができる。ここで残っていれば獲得したいのが石伊雄太と野口泰司の二人だ。⑤の補強ポイントに合致する捕手は個人的にはこの二人しかいないように感じる。高橋宏斗の女房役である早稲田大の印出は捕手としては厳しいが、コンバート前提での獲得はありだろう。また、残っていない場合はここで高卒野手にかじを切るのもありだろう。その場合は地元枠からモイセエフ・ニキータと宇野を推薦したい。

石伊雄太(日本生命)捕手

野口泰司(NTT東日本)捕手

モイセエフ・ニキータ(豊川)

印出太一(早稲田大)

宇野真仁朗(早稲田実業)

また、中位までに残りそうな投手では大社卒高卒それぞれ二名、明大浅利と三菱重工WEST竹田、高卒では関東一坂井と北照高橋を推薦したい。

浅利太門(明治大学)

竹田祐(三菱重工WEST)

坂井遼(関東第一)

髙橋幸佑(北照)

以上になる。ここまでをまとめると、
C:(大社卒投手→大社卒投手→野手&高卒投手)
D:(大社卒投手→高卒投手→野手&大社卒投手)
E:(大社卒投手→大卒野手→高卒&大社卒投手)
F:(高卒投手→大社卒投手→野手&大社卒投手)

がベストの指名といえる。ここから下位ははっきり言って誰が残ってるか見当もつかないため具体的な名前は出さないことにする。(面倒くさいわけじゃないよ)

個人的な理想はパターンE(金丸当てたとき)かパターンFであり、それぞれの理想としては、
金丸→麦谷→高橋→浅利or竹田
藤田→篠木→宇野→浅利or竹田

となる。(今現在16時42分)さあ楽しもう2024ドラフト会議!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?