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「ノートルダムの鐘」のカジモドに思う春馬くんのこと

劇団四季ミュージカル「ノートルダムの鐘」
京都劇場まで観に行けました。
斉藤かおるさんの「春馬くんとの未来の雑談」
の中に書いてあった会話がどうしても気になってしまったからです。


「out there」は特別な歌

春馬くんが斉藤かおる先生のボイストレーニングに通い始めた頃「歌える歌はありますか?」と聞かれて
歌ったカジモドの「out there」

映画でもオープニングまもなく、大聖堂から目の前に拡がるパリの街並みを見ながら彼が歌う曲です。

春馬くんがどこかでパソコンに向かって歌っていたのを見たことのある方もいらっしゃると思います。

春馬くんにとってこの曲は、特別だったのかなと思う曲です。

「どうしてこの曲を選んだの?」

と聞くかおる先生に、春馬くんは、
 
「カジモドと僕は似ているところがあるんです。
だからこの曲を歌ったらカジモドの気持ちがわかるかなって」と答えたそうです。

春馬くんにとってカジモドのどこに、自分と似ているって思ったのだろうと私の疑問は膨らむばかりでした。

劇団四季ミュージカル「ノートルダムの鐘」


劇団四季は、ずいぶんひさしぶりでした。
ディズニー映画と劇団四季のミュージカルは、
ラストが違うとは聞いていました。

舞台の上にはノートルダム寺院の教会内のステンドグラスが置かれています。

時折りカジモドがつく大きな鐘が天井から降りて来ます。実際の寺院のいくつかの鐘にも女性の名前がついているとか。
舞台の上でも大きな鐘に向かって、友達のように名前を呼びながら話しかけるカジモドの姿がありました。

カジモドは、異形の人で体にはコブがあり、
両親に死なれ、おじでもある権力者フロローに赤ちゃんの頃に引き取られ寺院の奥深く閉じ込めらるように育てられ、大きくなってからは、鐘撞きの仕事を与えられて毎日を暮らしています。
友達は、教会の石像という孤独な青年。

そんな毎日の中で彼は「out there」を歌うのです。

夢が叶うなら 一日でいい
街の中で暮らしたい
どんなことが起ころうとも
ぼくは行きたい
陽ざしの中へ
ここから見える人たちはみんな
喚いたり嘆いたり
平凡な暮らしの幸せ
まるで気付いていない
ぼくならそんな毎日大事にする
朝川沿いを散歩しようか
気の向くまま 歩きたい
そうだ 今日だけは夢を叶えよう
一度でいいから
ここを抜け出し踏み出そう
陽ざしの中へ (out there 日本語詞 陽ざしの中へ)

舞台の上では聖歌隊がいて、時に応じてさまざまな状況で音楽を奏でてくれています
そのことがこのミュージカルの美しさを、より醸しだしていると思いました。

カジモドは、外に出ていったら生きてはいけないと言われながら育つのですが、ずっと孤独に生きてきた彼は誰かにありのままに愛されながら、自分自身の意思で生きたいと願っています。

そして祭りのある日、フロローに黙って勇気を奮い起こして外の世界に出ていくのです。

そこで出会った祭りに来ていたエスメラルダ。
彼女はジプシーのダンサー。
美しくて強くて勇気があって優しい人です。
始めて会った時には、異形の彼に驚きますが、
何度か話すうちにカジモドのピュアな真っ直ぐさ優しさに惹かれて友達になります。

エスメラルダは、魅力的な女性なので、戦場から帰って来たばかりのハンサムな警備隊長のフィーバス。

そして権力者フロローもジプシーを否定しながらも、エスメラルダへの屈折した恋情を抑えることが出来ません。

ノートルダムの鐘の中ではこのエスメラルダを巡って三人の男性が彼女に、それぞれに惹かれていくのです。

メッセージ

このミュージカルの中で言われているメッセージは、今の世の中でも言われている他者を許容していくこと。

例えば、自分と見た目が違う人。
考えが違う人。
愛する対象がみんなとは違う人。

さまざまなひとがこの社会を作っていて、みんな懸命に生きている。そのことを互いに認めて共生していくことがなぜ出来ないのかということなのかもしれません。

春馬くんは海宝直人さんの演じた、カジモドを観たそうです。感想を聞いてみたかったです。

カジモドは、外に出ていくことが許されず、寺院の中の世界だけで生きて来ました。
愛と自由を求め続けた彼は自分の弱さと戦い、自分の庇護者でもあり、圧力をかけ続けたフロローと戦わなければいけませんでした。

みんなの中で平凡に暮らしたいと望み、精一杯生きて愛するひとを見つけて自分の生を全うしました。
その愛は悲劇でしたが、愛を知った彼は幸せだったかもしれません。

カジモドにとってのエスメラルダは、永遠の恋しい人で自由に生きたいと願い、やっと出会えた彼の命をかけた人でしたが、もしかしたら春馬くんにとってのエスメラルダは、ローラ、その人(役どころ)で
自由に生きたいと願う象徴でもあって、命をかけて演じたい人だったのかなと思ってしまいました。

カーテンコール

驚くような演出で終わった素晴らしい舞台のあとで、何回も何回もカーテンコールで、スタンディングオベーションが行われながら拍手が鳴り止みませんでした。

舞台の上では何度ものカーテンコールに応えながら、キャストの誇らしそうな笑顔が並んでいました。

舞台からたくさんの笑顔と手を振って挨拶する姿と客席からもたくさんの笑顔で手を振る姿が劇場中を包んでいました。

春馬くんが好きな場所。
春馬くんが愛した光景。

舞台の皆さんの姿にいつまでも、舞台人でいてシアワセなステージを作り続けてくださいと心の中で呼びかけました。

春馬くんにもそうして欲しかった。
ここに春馬くんがいてくれていたら。
そう思ったけど心の中で春馬くんの笑顔が、拡がったから、きっと春馬くんにも届いてるよね。

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ろーず
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