キボウノチカラ~オトナプリキュア’23~第一話を観て…みんなのおうえんは、まだまってる
いよいよ先週より、「キボウノチカラ~オトナプリキュア’23~」の放送が始まりましたね。
第一話、プリキュア5の6人が再会するまでの話で、それぞれ夢は叶えているものの、その中で壁にぶつかっているのぞみ、りんの様子が描かれていました。
根幹は、やはりプリキュア
のぞみは学校の先生になるという夢を叶えているものの、生徒の家庭内の問題に直面し教師の限界を感じ教え子の前で涙を見せてしまいます。
りんはデザイナーをやりつつサッカーもやっていますが、思ったようにいっていない様子。そんな二人が久しぶりに顔を合わせ、昔と同じように語り合い、やがてかつての仲間たちが偶然にも集結する…くるみが「これには何か意味がある」と仄めかしたところで第一話は終わりました。
第一回としての感触は素晴らしく、原点たるプリキュア5の要素を織り交ぜつつ成人した彼女たちの新しい物語に期待が持てるものになっていました。ドラマの部分が現実的で生々しく、そこが「オトナ」たる所以なのかと言われていますが、ここに関しては定型的(昔は敵を倒せば良かったけど…な話はよくあるパターン)だという感想も見かけました。
個人的な印象としては、「オトナ」だから話が重くなっているとはあまり思っていなくて、大人になったがゆえに視野が広がっているだけだなと思いました。オリジナルの中学生時代にも同様のドラマはありながら、視点的に映らなかった、また写さないようにしていた…のではないでしょうか。ただ純粋に、成長した夢原のぞみの「プリキュア」をやっているのだと感じ、意図的にハード路線に行こうとしている風には見えませんでしたね。
とはいえ離婚など、ニチアサにはまず出てこないワードも飛び出し苦味を感じるのも確かでした。カフェオレから微糖になったくらいの塩梅で、ブラックにまではなっていないと思いますが。
ブラックコーヒーになってしまうと流石に基本カフェオレのプリキュアとは違い過ぎてしまうので、ここの加減は気を遣っていると思います。放送局も時間帯も違いますが、やはり「プリキュア」であって欲しい。
オトナといえど、「行くよ、女の子」
私は40代で、そんな意識は全くないのですが「初老」らしいです(笑)。その年代から見ると20代のプリキュア5勢も未だ「女の子」に見えます。大人になって、それぞれ仕事をしている訳ですがまだまだ若くて可愛らしい。だからこそ「オトナプリキュア」と言われても普通に5 GO GOの続編として見ています。5とGO GOは3年前、コロナで仕事が休み&自宅待機になった時に一気に観ました。リアルタイム世代ではありませんが3年ぶり、それなりに懐かしい「再会」だった感覚です。相変わらずのボケ&ツッコミを見せるのぞりんに安心感を覚えました。それだけでこの作品、価値があると思っています。
まだ1話、これからどうなっていくかわかりませんが日笠陽子さんの演じる敵キャラの存在も見えており、「変わらぬプリキュア」のテイストで話が進んでいくのなら、望ましいなとも思っています。悪い意味での脱線は、あまり見たくありません。
今の時代だからこそ
放送前に「現代的な切り口」として所感を述べた記事を書きましたが、実際に第一回の放送を経て、この作品が女児だけでなく成人した人達にも活力を与えようとしているのではないか、と思いました。
昭和、平成、令和と辿ってきて、それぞれに感じるのは「未来への閉塞感」がどんどん強くなってきているという事です。しかしお先真っ暗のように言われていた平成も、振り返れば悪い事ばかりではありませんでした。心の持ちようで、明るく楽しく生きていくこと、良い事を見つけることは可能です。
「人生これから」の子供達に夢を与えて来た日曜朝のアニメが、形を整えて「人生まだまだこれから」の人達にも夢を与えてくれる、そんな作品をこの「キボウノチカラ」は目指してくれていたら素敵だな、と思います。
何はともあれ、これからしばらく土曜日の大きな楽しみになりますね。
ニチアサ共々、堪能していきたいです。