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推しの子第23話感想…綺麗な思い出が刃物に変わる

推しの子最新話「再会」を観ました。
二期もいよいよ残り二話、みたいですね。

第二十三話「再会」あらすじ
かつてゴローとさりなが生き、アクアとルビーが産まれた地──十数年ぶりに訪れた宮崎で、ゴローの痕跡を辿るアクア。一方、ゴローへの思いを胸に秘め続けるルビーは……。
(公式サイトより引用)

アクアとルビーの兄妹が前世の記憶を持っている事が大きな転機を生む、まさにクライマックスの一編でした。

知らない幸せ、を実感

よく「人生二周目」とか言われ、転生ものなどファンタジー作品で主人公がその知識、経験を活かして活躍するというものがあります。ゲームでいえば「強くてニューゲーム」というやつですね。
本当にごく稀に、前世の記憶を持つ人が実際にいるそうですが基本的には無いことで、「もう一度やり直せたら…」という願望から生まれる絵空事です。結構な人が人生二周目をやりたい、と思っているという事実があるのでしょうか。

しかし私はこの推しの子を見ていると、前世の記憶があっても怖いだけだな、と感じてしまいます。これはまぁ漫画の特殊なパターンで、ゴローにせよさりなにせよ、それぞれ殺されたり、病気で死んだりなので人生そのものに良いイメージを持てていない印象があります。結果アクアは自分を大切にできませんし、ルビーは二周目というには知識も経験もほとんどなく、ほぼ真っ白なやり直しにしかなっていません。ならば病気で苦しんだ記憶など要らないのではないでしょうか。ゴローへの想いだけが綺麗なものとして残っていましたが、今回23話のラストで、それが思い切り仇になってしまいました。

彼女はまだ知らない、「彼」がずっとそばにいることを思うと
あまりにも胸が締め付けられますよね


また、かつて週刊コミックバンチという雑誌で連載していた「リプレイJ」という漫画のことも思い出します。

人生やり直し漫画、の定番です

これは何もかも上手くいかない、冴えない人生の40代男性がある日突然命を落とし、20代の頃に戻って人生をやり直すという作品でした。自分の人生に起こることや世の中の流れを全て知っているのでひたすら上手に立ち回り、どんどん成功者の階段を登っていく…というものです。バックトゥザフューチャー2のビフが悪人じゃなかった場合、みたいな漫画とも言えます(笑)。主人公は大企業の社長になるわ総理大臣になるわ、と世界的な人物にまでなっていきますが…最後に、一気にそれを覆すオチが待っています。気になる方は是非ご一読ください。

私はこの漫画でも、人生のやり直し、前世の記憶なんてあまり良いものじゃないなぁと感じた次第です。部分的には便利かもね、くらいの認識です。推しの子の星野兄妹とは少し性質が異なる作品ですが、総括すると人間は余計なことを知らない方が幸せなんだな、と思った…そんな今回、23話でしたね。

本来こんな二人の板挟みなんて男として幸せ以外の何ものでもないでしょう
アクアが前世を知らなければ、という思いは常に付きまといますよね

先代とは違うB小町

MEMちょの口元が好きです
現代なら25なんてまだまだ「女の子」ですよね

今回、B小町の新曲MV撮影で宮崎を訪れ…なわけですが、その仕事自体は順調に進んでいっています。最近佳境を迎えているヤングジャンプの原作も追っていますが、このB小町の活動自体は上手くいっている?ように見えるんですね。重いストーリーが根幹にあるこの作品の、唯一の清涼剤のようにも感じてしまいます。どうか、この三人にはうまくいっていて欲しい。詳しくはわかりませんが、かつてアイが居たB小町はグループ内の関係があまり良くなかったらしいですね。アイがあまりにも際立っていて、他のメンバーと距離が出来ていたとか。それは前期OPの歌詞にもあったので間違いないと思われます。
比べると現代版のB小町は3人共基本的には仲良しで、同じ目標に進む仲間として信頼関係もできている、と言えます。かなちゃんの毒舌にも「辛辣だねぇ」と受け流せるルビーには、母親譲りの器量も感じますね…ここは確かに「人生二周目」なのかもしれません。

何はともあれ、このカワイイ三人に幸あれ、という気持ちはより強くなっていきます。

いよいよ次回最終回、しかしまだ途中

この推しの子二期もいよいよ次回で終わり、最終回は特別枠での放送になるようです。今回のラストでまた大きな爆弾が落とされた形、どう締めくくるのか気になるところですね。
昨今の基本1クールなアニメだとこうして、一期、二期、三期と細切れなアニメ化になっていくのが避けられないわけですが推しの子はおそらくこの次、三期もあるのではないかと踏んでいます。是非、最後まで走り切って欲しいですね。
原作を最後まで映像化できた暁にはあらためて作品を評価する声も上がると思いますが、単純にこの二期、だけで見ると「途中から始まって途中で終わる」、本当に作劇としてはダメダメなものになっています。無論それはもう二期やります、の段階でわかっているのでいかにして盛り上げるか、1クールの作品として鑑賞後感をどこまで良いものにするか、というところは熟考されていることでしょう。

その答えが、来月6日に判るんですね。
楽しみに待ちたいと思います。

最近気付いたのですが、かぐや様も目の中に「告」の字があったりしましたね
この作者の描くヒロインはお目目がキモなんでしょうね


三ヶ月間、追ってきましたがついに来週で終わりになります。
これまでの推しの子二期感想記事です。


今、こうしてザックリと振り返ると、
「アビ子先生が出てた頃は平和だったなぁ」
とか、思っちゃいましたね。


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