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ゴジラ-1,0に期待している事…日本映画の代名詞であれ

ゴジラ最新作「ゴジラ-1,0」(マイナスワン)公開まで、あと二週間ですね。
試写会は行われたようで、アニメ・特撮研究家の氷川竜介さんによると過去のどの作品とも違うゴジラ映画だそうです。

時代設定の意図を知りたい

この映画に関しては、三か月前に話題に挙げたことがありましたが、「ゴジラ映画」というだけで辛辣なことを書きましたね。率直な気持ちでしたが、いざ公開が近づいてくるとやはり期待感が膨れ上がってきます。根っこのところは特撮好き、というのがやはりあるからですね。

前の記事にも書きましたが、今作は終戦直後の日本、という時代設定な所が目を引いています。常々思っているのですが、もう昭和を描いた映画も「時代劇」の括りに入るのでしょうか。チョンマゲの時代ではありませんが、明らかに風景や生活模様は今と異なっているので、現代劇とも言えないですよね。
基本的にこの時代を扱ったドラマ、映画は好きなので期待している要素であります。戦時中のドラマは、今の生活の有難みを感じさせてくれるからです。元々歴史の本を子供の頃からよく読んでいて、日本は戦争によって一度滅んだ国、と思っています。だからこそ今の時代に生まれたのが幸運だったなと感じていますし、それを忘れない為の、凄惨な記録は映像作品によって語り継がれるべきだと考えます。

そういう意図も少なからずあると思いますし、今回のゴジラがこの時代を舞台にしている意図はなんなのか、それを早く確かめたいという気持ちがあります。山崎監督も59歳、戦後生まれですし実体験がある訳ではないですから、その空気感をどう描くのか。

初代ゴジラの本多猪四郎監督は戦争体験を持った方でした。それゆえにあの映画の描写は戦禍の悲惨さそのものがあったのです。もうそんな世代の方達は少なくなりましたが、敗戦を経験し、その後世界を席捲する作品も生み出してきた日本の映画界であればこそ誕生したのがゴジラです。

決して、架空の生物を楽しもう、という単純なフィクション物であってはいけない、そうあって欲しくない、という思いがあります。

シン・ゴジラとは真逆のアプローチに期待


まぁ、仕方ないのですがキャスト陣、皆顔が綺麗すぎるなって印象ですね。昭和、戦時中を生き抜いた人々として見るには泥臭さが足りない気がします。初代ゴジラで漁夫役だった高堂国典さんの様な「それまでの人生」を感じさせる年配キャスト、今はなかなか居ませんからね。

安藤サクラさんは、雰囲気が合っているなと思います。

今回はこの時代設定もあり、インターネットは勿論、テレビも無かった時代です。ラジオはありましたが今の様にずっと放送していた訳ではありません。情報源は主に新聞だった時代です。だからこそ、戦時中大本営が国民をだまし続けていられたという政治的汚点もあったのですが、要するに情報がすぐには入ってこない世の中だったんですね。
予告を見るに、ゴジラのことを政府が隠蔽しようとしている、といった趣旨の台詞があります。この昭和初期だからこそ、怪獣襲来に右往左往する人々の姿にも今と違うリアクションが描かれることを期待したいですね。
それは、スマホで情報が即時拡散する現代劇…つまりはシン・ゴジラには無かった緊迫感や絶望感があるのでは、という見込みです。

モノクロと特撮の相性

誕生から70年近く経ち、作品数も30本以上のゴジラ映画ですが未だに初代が最高傑作と言われる風潮が根強いです。
これはテーマ性や物語が完成されていた事に起因しますが、半世紀以上経つとどうしても陳腐化しがちな特撮が、モノクロである事が手伝って色褪せないのも理由だと思っているんですね、個人的な見解ですが。

着ぐるみやミニチュアの粗が目立たない、モノクロの利点だと思っています

思えばウルトラQも、今観ても怖い回はとことん怖い。
上のスチールも遠目からぼうっと見れば、本物のように見えると思いませんか。
今はCGでリアルさを追求していますが、映像表現としての巨大特撮の良さを引き継いでいくという意義が新作にはあります。
来週、シン・ゴジラのモノクロ版が上映されるとの事で実はこれも楽しみにいているんですよね。

日本初の怪獣映画だったゴジラですが、70年後の新作がまた歴史に名を残すことになればいいな、という思いを抱きつつ11月3日を待ちたいと思います。

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