ガルクラ2巻、声なき魚の歌を聴く
昨日、ガルクラ円盤2巻が届きました。
井芹仁菜が予備校に通っていた頃
ドラマーすばるんが登場し3人体制でバンドが始動するまで、の2,3話が入っておりますこの2巻です。
本放送以来に観ましたが、バンドに乗り気じゃなかった頃の仁菜が今となっては新鮮に見えます、まぁこれが普通だよな、とも(笑)。やがて音楽にのめり込んでいくわけですが、その片鱗はアレンジをやっていたら朝が来た、のシーンですでに見えています。
このガルクラ、1,3,5,7,11,13話と9話以外の奇数回にライブシーンがあり、円盤が5巻以外はライブで締められる造りになっているのが上手いなぁと思いました。通して観て50分ほどですが、短編映画感が出ますよね。
痛い衣装を着せさせられている仁菜がカッコいい声で歌っているギャップがとても良いですね。1分過ぎのすばるの叩き方も躍動感があって好きです。この時点では桃香さんが「やろうぜやろうぜ」とノリノリだったのが、後の展開を考えると深いもののように思えてきます。
いやしかし、バンドアニメあるあるですが初ライブのクオリティではない。
河原木桃香さんという、魅力的なキャラの見本
かつて創作関連の記事でも書いたことですが、魅力的なキャラを作る方法は強みと弱みを両方持たせること、だという鉄則があります。「わかるわかる」、と共感させられる弱みと、「カッコいい!」と思わせる強みがあることで魅力になります。ガルクラのキャラ達は皆それが明確で、11話のライブシーン、「空白とカタルシス」ではまさにそれが爆発しているわけですが…まずこの2,3話の時点で桃香さんの「魅力」はハッキリしています。
・プロ経験のある、実力あるギタリスト、ミュージシャン
・後輩、仲間に対して面倒見がよい
・一方、酒に弱く私生活はだらしない
2話の冒頭でトイレで吐いて、仁菜に呆れられている「カッコ悪い」ところから始まるわけですがすでにこの二人に「家族っぽさ」が出ていてその距離感が楽しいシーンになっています。
ですが、バンドをやること、人前で歌うことに難色を示す仁菜に対し、
「どうせ上手くいかない、失敗するんだから思い切りやってみろ」
と諭すところには人生の先輩感が出ていてとても格好良い。
そんな二面性のあるお姉さんですが、ご存じのようにこの先自分の過去に苛まれ迷うことになっていきます。どちらかといえばカッコ悪いところが目立つようになっていくんですね。…しかし、そこがまた人間的で魅力になっています。それを、この初期の時点では渋々やっていたような仁菜の後押しによって腹を括るわけです。見事に関係性が昇華していますし、ドラマです。放送時ハマっていた人は私含め、仁菜桃香の間柄に惹かれていたといっても過言ではないでしょう。
安和すばるという、ハイスペックガールの謎
2話から登場のすばるん、台詞が棒読みだ、などと最初は言われてましたが私はそこまで気になりませんでしたね。現実にこんな喋り方の子、いるしなって感じなのと、仁菜桃香が上手いのでアクセント的な個性として映っていたんですね。
桃香さんがスカウトしてきました、という体ですぐに登場したのでその経緯が謎に包まれておりますが…この子こそすぐ火が点くメンツの多いバンドの鎮静剤として必要不可欠の存在なんですよね。人間的に大人びているのと、ドラムが叩けるという逸材…おまけに有名女優の孫娘で実家が太いという。エンディングでショートにしてたのがとても良かったので、動いているショートすばるんのために二期やってほしさがありますね。
ある意味円盤のメインディッシュ、新曲
そして今回もCD付き、新曲「無知のち私」が入っています。
仁菜の低い声がカッコ良い、ロックを感じる曲です。
トゲナシトゲアリという現実のバンドからスタートし、あくまでも音楽で攻めていくコンテンツであることを感じさせるこの「毎巻新曲」にもカッコ良さを感じています。
この記事の中で何度「カッコ良い」と書いたかわかりませんが、そうです、ガルクラはカッコ良い作品なんですね。
それを改めて感じた、二枚目の円盤でした。
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