映画「五等分の花嫁*」感想…「仲良し」の究極形がここにある
ほぼ即興に近かったのですが、映画館に「五等分の花嫁*(←読み方が判らない)」を観に行きました。
たまたま水曜日、仕事後に行ける時間があったのと上映時間が47分とコンパクトで気軽にいけた、というのが大きいですね。
個人的な「ごとよめ」遍歴
もう二年前になりますが、シン・ウルトラマン公開中で映画館に足しげく通っていた頃、完結編たる劇場版が公開されていたんですね。話題の作品だったので関心があった訳ですが、職場の後輩がこの作品を好きで、観に行って良かった~と語ってくれました。すると私も全く未見の作品ながら関心が沸いてきて、
「原作もアニメも全く観たことないけど、いきなり映画観に行ってみようか」
と、その後輩に告げると…
「絶対ダメです、ありえません」
と、かなり強めに釘を刺されました。なので、だったら駆け込み予習してやろうじゃないの、とテレビアニメ二期分、全24話を一週間で観ました、というか詰め込みました。この時点で「ああ、確かにこれは観ておかないと、映画を観る資格がないわ」と腑に落ちたものです。
こうして、映画が始まった時点では全く知らなかったこの作品をしっかり味わった上で、映画館でその結末もしっかり見届けたのでした。
そして、翌年前日談の新作が公開され、こちらもやっぱり、観に行きました。
原作の漫画のほうは読んでいないのですが、こうして気が付くと「五等分の花嫁」ワールドをしっかり追っかけている私です。
なので今作も、たまたま映画館の上映スケジュールで見かけたのですが、
「やっているのなら、観ねばなるまい」みたいな義務感に駆られたんですね。自分でもなにゆえ、みたいな気持ちはありますが。
Filmarks感想
五等分の花嫁*(2024年製作の映画)
気がつけばアニメは全て追っている作品。
この度も「おっ、新作か」と足が向いた。
風太郎と四葉の新婚旅行でハワイへ、しかしそこへは姉妹全員が付いてきて…。というストーリー。五つ子の設定を活かした、異国の少女リリーとの交流がメイン。
この作品は主人公と誰が結ばれるのか、が主題のラブコメだが原作、またアニメも完結しそれは決着している。
なのにまだ続編が作られ、それが喜ばれる稀有な作品である。
今回この新作を観て思ったのは、この「ごとよめ」の何が気に入られているのかがラブコメとは別のところにあるのだなという解釈を得られたこと。当然、五姉妹がそれぞれ魅力的で可愛いのはもちろんだが、恋の決着が付いてからも変わらず仲良くやっているこの「絆」に、ファンは惹きつけられているのではないか。
主人公・風太郎の心を射止めたのは一人。
言ってしまえばあとの4人は「負けヒロイン」になっているがそれで妬んだり、諍いが起きたりはしておらず依然として、高校時代と変わらない交流が続いている。
この設定だとどうしても男性視聴者は「なんて羨ましい」という感想、印象を抱くものだがそもそも風太郎が不自然なほど女っ気がなく、例え一人を選んだ後でも姉妹全員と友達、いわば擬似家族のような関係のままだったりする。
実は、視聴者が羨ましいと感じるのは
「こんな兄妹がいたらなぁ」の部分ではなかろうか。どんな時もお互いを気にかけ、支え合う。姉妹であるならば特別なことではないにせよ、5人いて全員仲が良い…これは奇跡的に見える。母を亡くした過去が結束を強めているのだろうが、成人し、それぞれが自分の仕事に邁進する日々になってもずっと仲良し、こんな素晴らしいことは無い。
こんな中野家の五つ子たちを、「いいなぁ」と思って眺めていられるのが、この「ごとよめ」の醍醐味。
もう映画館で観るのも三作目となったが、改めてそう感じた逸品でありました。
出来れば、四葉以外にも恋人ができて欲しいとまで思う。しかしそれは描かれないほうが良いのかな、という気持ちもあり…
TVアニメ終了後から履修した作品だが、それももう二年前。
結構長い間観てるなぁとも思った、
「ラブコメのような、ホームコメディ」
を堪能できた、秋の夜でした。
スコア…3.5
感じる、固定客との呼吸
今回は一時間未満の短編、後でテレビで放送予定の作品の先行上映というものでしたが、今回ももはやアニメ映画の定番、特典のランダム色紙を貰えました。
最近本当に、色んな作品のミニ色紙が溜まっていきます。
そういえばグリッドマンユニバースのやつ、揃えたかったのですがまだ叶っていませんね。近々パチンコが出るそうで、また入手しづらくなりそうな懸念があります。
二年前、最初の映画は136分あり、リピート鑑賞の敷居が若干高いものでした。前回の∞は61分、今回が47分と短くなっているのは、やはり特典のコンプリートを目指す人向けに「観やすい長さにしたから、是非繰り返し観てね」という作り手からのメッセージにも思えました。
実際はどうなのか知る由もありませんが。
「ごとよめ」ファンと制作サイドの間の、そういった意思疎通も感じる、お手軽な短編映画でした。
テレビの1エピソードを、ちょっとじっくりやってみました的な話でしたがゲストキャラのリリーは可愛かったですね。
ラストのオチも、この作品らしくて良かったと思います。今後もこうやって小話的に新作が作られていくんでしょうか、だとしたら…恋の決着後もずっと続く、「無敵のラブコメ」になれそうですね(笑)。