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13年前のファミ通を読み返して、雑誌の意義を考えてみた

先日のこの記事が、かなりのアクセス数になっていて驚いています。

やはりゲーム機関連の話題には求心力があるんだな、と思いました。二ヶ月前に書いた初代Xboxの記事も、結構注目されましたから。
今回このPS5Proの記事で「最近毎週ファミ通を読んでいる」と述べましたが、本屋でのチラ見です。毎号買っているわけではありません。6月にスト6一周年記念特集の号は買いましたが、それが何年振りだったかもう、わからない程でした。

部屋から出てきた、ゲームハード戦争最盛期の書物

「前に買ったのいつだっただろう」と思いながら部屋を漁っていると、13年前のファミ通が出てきました。

2011年7月21日号です

ファミ通25周年記念号と題してちょっと豪華に別冊付録が付いており、なんとなく買った覚えのある号です。今となっては古書の類になりますが、載っているのがPS3、PSPとかそこまで古く感じられないのは、私がオッサンだからですね(笑)。

ファミ通の表紙で描かれたネッキーの表紙。
97年のさとう珠緒さん表紙のだけ、判りました(持ってるので)

この頃、発売を控える新ハードとしてwiiU、PSVITAが載っています。

今見ると、Switchのプロトタイプなんですよね
docomoの3Gが使えるバージョンとかありましたね
ここから10年、携帯ゲーム機のシェアは完全にスマホが担う格好になりましたが

恥ずかしい話ですが、この頃は私も俗に言う「ゲームハード戦争」というのが大好きで、覇権がどうとか言ってネット上の罵り合いに参加していたことがあります。何度か別の記事でも述べていますが、発売直後振るわず即一万円値下げを敢行した3DSがソフトの充実と共に勢いに乗り始めた頃、
「勝ち馬に乗っかりたいだけの任天堂派」
として騒いでいたんですね。

まぁ、ファミコン、ゲームボーイ、スーパーファミコンで育った世代なので任天堂に信頼感を持っているのは間違いないわけですが。

この本の出た2011年7月という時期は3DS発売間もなくの頃で、震災もあったりでゲーム業界的にも明るくはなかった印象です。が、新しいハードの登場に未来を感じられてもいましたね。どのハードがトップシェアを握るのか、というのがゲームハード競争の争点ですがその話が盛り上がっていた、最後の時期な気もします。
というのも、wiiU、VITA共に大きなシェアを獲得するには至らず言ってしまえば失敗だったからです。
任天堂はその後Switchを大成功に導きますが、wiiから辿ってきた自社ソフト勝負の路線にインディーゲームを取り込む方針でシェアを伸ばし、他社ハードと競合している印象はほとんど無くなったんですね。現在、来年後継機がお目見えすると公言されていますが7年、崩されることのない牙城を築いている覇権ハードといっていいでしょう。
つまり、争わずして勝っているのが任天堂だと思っています。

PSに関しては上の記事で述べた通りです。

「思えばこの頃は、ゲーム機の勝ち負けなんかで騒いでたなぁ」

と、遠い目で見られるようなひと昔前のファミ通回顧録でした。

「ゲーム雑誌」の存在意義

しかし、この時のファミ通の厚みと500円という値段、現在の薄くなって600円台という状況と比較して時代の変わりよう、残酷さを感じずにはいられません。そもそもこの号、別冊付録がある関係で500円なので普段は390円だったんですね。
今はファミ通も電子版があるので、読みたい人はそちらで読んでいるケースも多いかと思いますが…どれほどの読者がいるのでしょう。

かつてアーケードゲームの専門誌として存在したゲーメスト、出版社の倒産によりアスキー=エンターブレインで後継誌アルカディアが出ていましたが2013年に月刊から隔月刊になり、2015年には定期刊行終了という、実質休刊になりました。私はこの時、「ゲーム雑誌は役目を終えたんだな」という感覚を持ったんですね。ネット時代、ゲームの情報を発信する紙媒体の需要はもはや無くなった、という認識です。
ある意味、それでもまだ毎週出ているファミ通は凄い、とも思う訳ですが誌面が面白くないな、と感じ風前の灯火に見えるのも確かではあります。13年前と最近のを比較して、細かいところでも…

ゲーム雑誌定番、売上ランキング

個人的に、このランキング上位5位に書かれたゲームの小ネタが好きでした。今は無くなってしまってるんですね。任天堂のSwitchソフトなど何十週も居座ったりするので書く事がなくなって大変なのかもしれませんが(笑)。

13年前の「期待の新作」です
ドラクエXはオンラインだと判ってなかった頃でしょうか

ファミ通の歴史においては新しめの号ではありますが、この頃はまだ誌面にハリがあって面白かったな~と感じる部分があります。町内会の報告書だけは、今もキレのあるネタがあって好きなのですが。

そしてこの号の別冊付録ですが、過去のファミ通の「バカ記事」を集めたというなんともシュールなものが付いています。

メモリアルゆえに許される、バカ付録です

ファミ通は最初期、隔週で「ファミコン通信」という名前でした。その頃…まだランドセルを背負っていた頃の私にとっては、ゲームとほぼ関係のないバカ記事のノリが少し苦手で、ファミ通よりはファミマガ派だったりもしたのですが…今、当時の悪ノリのような記事を見返すとこれこそ雑誌の存在意義だったのではないかと思う程面白く感じたりもします。

こういうノリ、最近の雑誌にはないですからね

情報の早さや密度ではネットにどうしてもかなわないのですから、雑誌はもう、ライターの好き勝手にやってとにかく面白く、言ってしまえばバカバカしいものにしても良いのではないか、と思えたんですね。そういう勢いが20年前、30年前の本にはありました。


そういう懐かしさを感じつつ、とにもかくにも現在も存続している唯一といっていいゲーム雑誌、ファミ通には敬意を表したいと思います。
いまだに、ゲーム帝国に復活して欲しいと思っています。 ンゴ。


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