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龍虎の拳2という、面白い「駄作」

昨日、高田馬場ゲーセンミカドにて「龍虎の拳2」大会が行われました。

こちらで鑑賞させていただきましたが、滅茶苦茶面白かったです。

対戦ゲームとしては問題作の、「龍虎2」

この龍虎の拳2は、1994年の初めに出た格闘ゲームでズームイン、ズームアウトを使い大きなキャラ達が戦うその迫力がウリだった作品です。必殺技を使うのに気力、という概念があり、気力ゲージが減ると自分でチャージしないと必殺技が使えなくなる、という独自要素がありました。
前作では誘拐された妹を救出に向かう兄とその友人、というストーリー性が前面に押し出されており、対戦よりもCPU戦が凝った造りになっていました…というより、対戦が全く作り込まれていませんでした。対戦モードでは隠しキャラ含め10人のキャラが使えるのですが、投げ技を持っているのはそのうち4人、さらに、キャラの一人はジャンプも出来ないという仕様でした。あくまでストーリーにおける「敵キャラ」としてしか作られていないキャラが大半なので、どう見ても対戦ゲームとしては歪なものになっており、すでにストⅡダッシュで対戦ブームが起こっていたゲーセンの中では地味なゲームになっていました。

それから一年半後に登場した2は、一気に対戦寄りの作りになりキャラは12人、どのキャラも投げやジャンプを装備しており「不自由なキャラ」はいなくなりました。それでいて気力ゲージなどの特徴は継承されており、一見正統進化を遂げたように見える続編です。しかしこのゲーム、やはり対戦ものとして流行ることはありませんでした。
何故かと言うと、俗に言う「ハメ技(脱出不能・または困難な連携)」が多くあり、「いかにハメるか」というゲームになってしまっていたためです。表面上は対戦向きに作られていながら、その辺の作り込みが依然として甘かった、言ってしまえば「完成度の低いゲーム」だったんですね。

グラフィックは大変良く、画面写真を見るとかなり面白そうに見えるのですが
効果音やエフェクトも秀逸で、爽快感は抜群でした

時間が経ち、「それゆえに」のゲームへ

ですが、先述の大会はそんなハメ技があればこそ、の盛り上がりを見せています。ゲームの事が既に理解され、「そういうもの」と思って対戦すると非道なハメ技も面白い絵面になります。結果としてウーラという投げ技でループさせられる、テムジンというモンゴル相撲のキャラが優勝していますね。個人的につかみ技が強すぎるミッキーの独壇場だろうと思っていたので、かなり意外な結果でした。

そして、これを見て思ったのは、近年のスポーツ化した格闘ゲームも見応えがあって良いものですが、昔のハチャメチャなゲームもまた、そのハチャメチャさゆえに見応えがあるなぁという事です(笑)。
もちろん、当時はヒドいゲームだと切り捨てられるに足る要素なので褒められたバランスでは無かったでしょう。でも、承知の上でワイワイ楽しむぶんには昔のイビツな部分も良いものだな、と感じました。

余談ですがこの龍虎2、CPU戦の難易度が非常に高かったことでも有名です。私はパターン完全暗記によって今でもクリア出来る腕を持っていますが、おそらく一生頭から消えることはないと思います…無駄と思うか、財産だと思うか…ですが、私はもちろん、です(笑)。

そして、龍虎といえば…の要素

龍虎の拳といえば忘れてはいけないのが、「脱衣KO」です。女性キャラを必殺技でKOすると服が破れるというもので、当時の青少年たちを喜ばせていました(笑)。
1作目では女性キャラはキングという金髪の麗人のみでしたが、2ではユリ・サカザキが加わり、プレイヤーのニーズに応えています。

足元を攻撃しても、何故か上半身がはだけます


キャラカラーが4色あり、それによって下着の色も変わりました


ドット絵での表現が神がかっていた時代です

この要素は次回作の外伝でアルティメットKOという形で引き継がれます。
先日、SNKが龍虎の新作を制作中とのインタビューが出ていましたので、ここにも期待したいところですね(笑)。

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