推しの子第24話感想…終わらない、お星様の復讐劇
「推しの子」二期が放送を終えましたね。
ひとまずの最終回、第24話を観ました。
第二十四話「願い」あらすじ
復讐は終わり、ゴローの体も見つかった。利用するために側に置いていたあかねとの関係に、アクアが出した答えとは……。一方、ルビーは不思議な少女から、事件に関わる情報を知らされて……!?(公式サイトより引用)
終了と同時に、三期制作も発表されました。
作品の核となる部分を考えればまさに「ここから!」なので、三期決定は喜ばしいことです。一期…昨年春、二期…今年夏、だったので三期は来年秋、でしょうか。それまでには完結しているであろう原作を読みこんでおくのもいいですね。
この作品のジャンルとは…?
この度の二期ですが、9話にあたる第20話まで2.5次元舞台編で、制作のゴタゴタや役者たちの悩みを描いている「芸能もの」でした。ですがその先は「転生もの」、いわばファンタジー作品の本分に戻り新事実、急展開が続き…
「新しい怨恨」
が、生まれたところで幕引きとなりました。
ウィキペディアには一応「サスペンス」と書かれていたりしますが、この作品はお仕事もの&ダークファンタジーのハイブリッドであり形式的なカテゴリ分けは意味を成さないのかもしれませんね。
複数のジャンルが絡んでいる作品は他にもありますし、細かく見れば全ての作品がそうだったりもするのですが…この推しの子は特に、2つの側面がどちらも濃く、妥協のないものになっているので独自のコントラストを生んでいる、ような気がします。
…個人的には、お仕事ものなところが気に入っているんですけどね。
「脳を焼かれる」という表現の妙
いやぁ、ルビーの目が真っ黒になってしまいましたよ。
この曲調とMVで不穏なものしか感じないという。一番の年少者であるルビーが最も大人に見えたりするのが、この映像においては怖さに映ったりしますね。
特に幼少期、有馬かなに憧れる黒川あかねについてよく使われた表現として
「脳を焼かれる」というワードがあります。リアルでもその魅力にゾッコン、の意味で使われています…合ってますよね?
私はこのワードに、逆にちょっと冷静な心情の色も感じたりします。実際に脳に火が点いているわけではないですし、自分の事を、
「脳が焼かれてしまった!」
などと言えるのは客観視の象徴とも取れるからです。それを紐解くと、たとえばアイドルに夢中になる一方で、これは「商品」であると認識している実態の裏返しにも聞こえてきます。芸能界は、その人自身を商品として売っていく世界です。誇張も含め、良く見せている…のが常だと言ってよいでしょう。本気でのめり込んで周りが見えなくなる人もいますが、大方は「造られたもの」だと認識して、それを楽しんでいるのがアイドルのファンなのではないでしょうか。つまり、ある程度は嘘を許容しているんですね。
それが本来あるべき、ファンの姿なのですが…。
現在、原作も佳境を迎えています。
…この作品は「本当に脳を焼かれた人間」の暴走から始まった物語です。それはあまりに身勝手で愚かしいものである、と芸能界を嘘偽りなく描いたうえで警鐘を鳴らしている…それが主題なのではと感じるようになりました。
「脳を焼かれる」のは、イメージだけにしておけ。
キラキラお星さまを眼に宿したアイドルとて、本物の星などではない一人の人間。決して完璧ではないし、輝きのために努力もしている。それが当たり前なんだと、一期から通ずるメッセージとして感じ取りました。
「推しの子」の「推し」は?
二期は当然、途中から始まり途中で終わったわけですから作品としては中継地点、まだまだ全体の評価はできないのですが、単純に三ヶ月、毎週楽しみでしたし面白かったです。意外性に驚けたのも、原作未見のメリットだなぁと思いながら。
で、個人的にこの作品の推しキャラですが…
24話まで観てきて、ズバリ、
この子に決定しました。全体的に重苦しい雰囲気が流れる作品の中の清涼剤といいますか、見ていて安心できるキャラなのが決め手でしたね。あとネコみたいな口が、カワイイ。
原作もそろそろ終わりそうで、どうやらMEMちょは黒い方向に行くこともなさそうなので安心して推せます(笑)。いや、闇を抱えたキャラはそれはそれで魅力的なのですが、自分の好きなキャラは?と聞かれた時にはやはり明るいのを挙げたくなるんですよね。
当然三期も観ますが、その前に実写ドラマだ舞台だ、などもありますね。こちらは観るか否かわかりませんが、とりあえず実写版のMEMちょがあのちゃんなのは、これもまた年齢ネタ的に相応しいキャスティング(あのちゃんも年齢非公表)だと思ったので、そこだけちょっと観てみたいポイントではあります(笑)。
そんな感じで、この夏を彩った推しの子二期ですが楽しかったです。
秋は何を観るか、まだ何も未定なのですがまた面白そうなものがあれば…と思っています。推しの子とは、今後も付き合っていくことになりそうですね。
この三ヶ月間の軌跡…感想記事は以下になります。
最近ようやく「ファタール」を覚えて口ずさんでいる、40代オッサンの鑑賞記録でした。