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イデの導きに困惑しています、というお話

先日、こんな記事が目に入って心を揺さぶられています。

「うわぁ、Blu-ray入手のチャンスじゃん…」って感じなんですね。
心離れて久しいですが、かつては自身のバイブルとしていた作品なのでmyライブラリに入れておきたい気持ちが沸き上がってきております。

脱・富野事件

この作品についての思い入れはこちらの記事で綴っています。高校生の頃でしたが、ゲームをキッカケに作品を知りハマったという経緯でした。それこそ書籍、CD、映像ソフトと既発売のものは一通り揃えたうえにセル画まで持っていた入れ込みようでした。そして今、「セル画」が予測変換にも出て来なかったことに戦慄を覚えました。そこまで過去のものになってしまったんですね…。

そこまでハマっていたのに、今やそれらのコレクションは一つも持っていません。イデオン自体に、アブゾノールのプラモまで作っていたというのに。
何故イデオンを「捨てて」しまったのかと言いますと、原因はこの作品にありました。

「黒歴史」という言葉は富野監督のターンAガンダムが発祥だそうですが、
この映画こそまさに監督の黒歴史ではないでしょうか

2000年代に全三部作で公開された劇場版機動戦士Zガンダムです。
私自身、ガンダムの中でもZが好きで、テレビ版は名作だと推しているクチですがだからこそ、再編集版でも新作でもないようなあまりにも中途半端なこの映画に失望しました。これに加えて、まぁ…いつものことと言ってしまえばそうなのですが、監督が当時ヒットしていた映画をボロクソに貶していたのが重なって、心底嫌いになってしまったんですね。
その時持っていたイデオンコレクションを一切合切処分して、「もう富野作品は観ない!」とまで思ってしまいました。私も極端で意固地な性格があることは重々承知しているのですが。

そうして、イデオンは「昔ハマってた」、過去形の作品になっていたわけですが…やはりドップリ浸かっていた頃の血は簡単には抜けきらないようです。この度「プレミア化していた円盤が手に入るよ!」などとエサをチラつかされれば、シッポを振りそうになっているイヌがここにおります。

永遠に語り継がれる名曲たち

イデオンはなんといっても富野喜幸監督(由悠季ではありません)の最高傑作であり、凄いといえるポイントは沢山あります。
その中でも、多くの人が素晴らしい、と口を揃えるであろう点が故・すぎやまこういち先生による音楽です。

有名なエンディング曲「コスモスに君と」を筆頭に、BGMがどれも素晴らしいものばかりです。「発動」などはよく処刑用BGMなどと言われネタっぽく扱われますが言い過ぎでもないところがそら恐ろしい作品です。
個人的には接触篇の主題歌だったセーリング・フライが好きです。初めて聴いた時に、初めてなのに懐かしい感じがした不思議な曲なんですね。田中信夫さんのナレーションが重なって聴こえてくる、それほど劇場版2作品を繰り返し観ていた学生時代の思い出があります。

よく劇場版での最期が話題になるキッチ・キッチンですが、
テレビ版での最期こそ音楽と相まって珠玉の名シーンになっていると思います

イデオン、1980年の作品ですが私が観たのは1997年、イデオンの音楽群を聴くことでその頃が蘇ってきます。VHSビデオで過去の作品として観ましたがそれももう思い出になり、実に27年も経っています。二重の意味で懐かしい作品になりつつあり、富野作品と決別してからも時代が一回りしてしまいました。そろそろ、個人的感情による封印を解いてもいいんじゃないの?なんて気持ちも芽生えてきています。

まぁここからまた、手放したコレクションを集め直すの?と言われるとそれは無いと思いますが(そこまでの収集欲は戻りません、あくまで映像だけ)、まだ作品と縁はあるのかも…と考えるとそれは嬉しくも感じる、実に微妙な感覚なんですね。

とりあえず発売は12月なので、それまでじっくり考えてみようか…という感じですね。
しかし見返したいのは劇場版だったりするので、今回の再販とはちょっと違っていたりするんですけども。

私はイデオンを格好良いと思っているんですが、少数派なのでしょうね
あえて過激に言いますが、世の人大半は「ガンダム脳」ですから
メカやキャラのデザインに難色を示していた友人も、
このラストシーンでカーシャは可愛いな、と言ってくれたのを覚えています
ビデオで何度も観ていると、母から
「また綿菓子見てるの」と言われたことも忘れません
ここ、名シーンですが
「いや、どっちかがヘルメット脱げよ」とずっと思ってます

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