「イデオン」で思い知った、周囲との趣向の違いの話
最近、dアニメストアに「戦闘メカ ザブングル」が追加されまして、未見の富野アニメだったので履修せねば、的な義務感に駆られ観ています。以前サンライズのYoutubeチャンネルで配信していたのですが、13話までで一旦終了、と随分なお預けを喰らってしまいまして。
どこかで全話配信やってないかな~と思い続けていたんですね。
個人的な富野アニメ歴
遡ると高校時代、エヴァにハマっていた頃セガサターンのスーパーロボット大戦Fにエヴァが出る、と聞いて興味を持ち、他のロボットアニメも観てみようか…となったのが始まりでした。それまでスパロボ自体プレイした事がない、と言うと友人が「なら、やってみる?」とPSの第四次スーパーロボット大戦Sというソフトを貸してくれました。こちらにはエヴァはいませんが、知らなくても普通にシミュレーションゲームとして遊べるよ、という触れ込みでプレイし始めたんですね。
でもやはり、このゲームをやっていると元ネタを知りたくなるのが性でして、近所のレンタルビデオ店に行ってゲームに出ている作品をあるだけ借り始めました。最初はエルガイムだったかと記憶しています。
そこからダンバイン、ガンダム諸々、ダンクーガ、劇場版しか無かったですがマジンガーなどのダイナミック系…「第四次」に出ていたもので観られるやつは全部観たと思います。コンバトラーV、ゴーショーグンは置いてなかったので観られませんでした。…が、ここまで観ればいっぱしのロボットアニメ通になっていたんですね。
やがて「F」の発売が迫り、初参戦となるエヴァ、トップをねらえ!と伝説巨神イデオンのことも意識し始めました。エヴァはいいとして、トップをねらえは全6話のOVAなのですぐに観ました。そして、最後に残ったイデオンですが…
行き着けのレンタル店には、劇場版2本「接触篇」と「発動篇」しかなかったんですね。ちょうどその頃、月刊ニュータイプのコラムにイデオンについて書いたものがあり絶賛されてもいましたし、エヴァとシンクロしている部分もある…などと言われ非常に気になっていました。その後、家から大分遠いレンタル店にTVシリーズを発見、自転車で一時間かけて借りに行きました(笑)。
個人的に、ガンダム以外の富野アニメが好きだったんですね。
よく「黒富野の権化」とまで言われるイデオンですが、ドロドロの人間模様に爽快なメカアクション、そして壮絶過ぎる結末…全て、当時の私のツボを突きまくってくれて、すっかり虜になってしまいました。
「イデオン凄ぇな…こんなアニメがあったんだ」
「これはもうロボットアニメの域を超えている」
こんな風に思って、私は周囲にイデオンの布教を始めました。スパロボを貸してくれた友人をはじめ、観ていない学校の連中に薦めてまわったのですが…皆一様に、「いや、観たくない」と突っぱねられてしまったのです。
その理由は…。
アニメに求めているものが違った
ズバリ、主役ロボがダサい、というものでした。
周囲のアニメ好き達は、ガンダムやマクロスのメカの格好良さに惹かれていたんですね。イデオンは見るからに作業用のような外見で、戦うロボットにすら見えないと。狂った強さをしているのは知られていましたが、だからといってカッコ悪い事には変わりない、と。
私はそもそもメカのデザインをそこまで重視していなかったので、イデオンを格好悪いとも思いませんでしたし、それを理由に拒否された、というのが結構大きいショックだったのを覚えています。
勿論私もガンダムやその他のモビルスーツを見て格好良いな、と思う事はありますが、アニメを観る目的はそこには無かった。
生粋のエヴァヲタですが、初号機をはじめとするエヴァが格好良いと思ったこともありません。格好良いと思う人達を否定はしませんが、アニメの何が魅力になるのか、これは人によってかなり違うのだな、と思い知った事案でありました。
その後私はイデオンマニアになり映像、書籍、CDと買い集めたものです。再生機が無いのにレーザーディスクやレコードまで持っていました。あまり良いシーンではなかったですが、セル画も何枚か持っていましたね。
ここでは詳しく書きませんが2010年ごろ、脱・富野をする事件があり、当時持っていたイデオンコレクションは全て処分してしまったのですが…今でも、この監督の最高傑作はやはりイデオンだな、と思っています。
学生時代、イデオンの凄さ、面白さを共感してくれる仲間がいなかったことには、今も無念の思いがありますね…。
ちなみに個人的には、イデオンは格好良いと思っているのですが。