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推しの子第18話感想…導かれた星が、太陽に立ち向かう

推しの子第18話「太陽」の感想を綴ります。

第18話「太陽」あらすじ
幼い頃、かなに憧れて演技の世界に飛び込んだあかね。だが、そこで目にした厳しい現実……以来、あかねは努力を重ね続けてきた。そしてついに、待ちわびた真っ向勝負の時が来る!
(公式サイトより引用)

アニメ一期の最後で、「あ、この二人顔見知りだったんだ」と思った有馬かな&黒川あかねの出会い、因縁、それらが舞台上でぶつかる回でした。

「愛憎」という言葉をここでも

「愛憎(あいぞう)」という言葉があり、好きと嫌いは重なることがあるんですね。好きの反対は無関心だとよく言われますが、それだけに執着心は複雑になりやすい、ともいえます。
今週の話、黒川あかねが重曹ちゃん…有馬かなに抱いている気持ちはまさに「愛憎」そのもので、その濃度ももう漆黒レベルであることが描かれました。

子役かなちゃんの演技に夢中になる幼あかね。
一つ言っていいですか…ムチャクチャ可愛い
強く憧れていたからこそ、初対面は残酷な形になってしまいました
というかここの男、人違いのうえ余計なことを喋るという最悪なムーブを
かましましたね、罪深すぎる
余談になりますが二人とも、そのまま大きくなりすぎですね(笑)
子役が大きくなると印象がガラッと変わる人もいるものですが
あ、アクアも全然変わってないわ

「心奪われる演技を見せてくれた凄い人」から「演技など二の次」な芸能界の実態を聞かされたあかねちゃんの衝撃は計り知れないものだったでしょう。こういう「業界あるある」の黒い部分をストレートに描くのがこの作品の面白味ですが、そこにいる登場人物たちの心情に穿った部分がなく皆純粋なのが、いいですよね。自然と共感し、同じように胸を痛めることが出来ます。だからこそ、全員を応援したくなるわけです。…時たま出てくるこのシーンの男のような「悪い大人」が、ホントにどうしようもなかったりするのですが(笑)。

この配役もまた、運命か

二人の境遇、立場、性格
全部が役柄とマッチしてるのがもう、ヤバい舞台です

舞台上で敵同士、バチバチの戦闘を繰り広げるこの二人、先週のメルトもそうですが役よりも本人の気持ちが乗りまくった戦いになっていました。この東京ブレイドという作品における両者の関係性はハッキリとはわかりませんが、とりあえず中の人の因縁が生半可なフィクションの域を越えているのは面白いですよね。それも単純な「倒したい相手」などではなく、

「私が憧れた、自分全開の演技を見せて!」

というあかねの気持ち、こんな相手が昇り詰めて同じ舞台上にいるなんて重曹ちゃんはなんと幸せな役者でしょうか。以前の回、稽古場で喧嘩していましたが「なんだかんだで仲良いんだなこの二人」と思いました。しかし実際はもっともっと重い感情があったんですね。あかねちゃん、かなちゃんのこと好き過ぎでしょう…何よりそこまで惹きつける子役でありながら波を乗り越え、役者を続けているかなちゃん、そりゃ万能のベテランになってるわな…という説得力がありました。

単純なライバルじゃないんですよね、この二人
特にあかね→かなの気持ちがメガトン級に重い

「天才」という言葉はもはや陳腐で、天才~~と呼ばれるのが誉め言葉に聞こえなくなっている気がします。そう呼ばれる人たちも実際は努力家で、実力を積み上げているものだと思っています。生まれ持った素質だけで他人より秀でたところにいる、そんな天才は希少でしょう。

ですが、このあかね×かなは「天才二人」と呼ぶに相応しい気がしました。役者とは大方の者が「どう演じるか、どう自分を出すか」というところに四苦八苦するものですが、この二人はもはや、そんなところに意識を割いていません。先週のメルトとはまるで違う領域にいるんですね。

お互いの実力はすでに解っていて、認め合っている。

本当のあなたが見たい、その上で上回ってみせる、またそう来るならば
「照らしてあげるから、もっと輝きな」
と受ける。
こんな「二人の世界」に入り込んでいて、客席のアビ子先生で解るように観客をしっかり魅了している。
もはや女優として最上の域に達している、天才同士なのでしょう。

この作品のキモ、「眼の星」が発動しました
わかりやすい覚醒状態ですよね

こんな中で、かなちゃんが「受け」に回ったことが不満のあかねちゃん。
次回、アクアと共に有馬かなの本気を引き出してみせる、な引きだったわけですが…いや、本当に熱いと思います。役者は舞台の上で死ねたら本望、と誇張なく言う方がいますがその熱量を具現化しているような今回のエピソードでした。
いや、それにしても、舞台って一回だけでなく複数回公演があるんですが、毎回こんなのやってて精神が保つんかいな…と心配になるほどです。


二期は、舞台だけで終わってもいい

ネット上での感想、反応を伺うと「舞台編長すぎ、いつまでやるんだ」という声も見られましたが、その根幹には本筋が進まない事への不満があるようですね。
確かにアクアの復讐という物語の「本題」は止まっていますが、芸能界に生きる人達のドラマ、という主題は毎週豪快に描かれているので、「まぁそう急ぐな、楽しもうぜ」という気持ちになります。オープニングの映像を見てても、二期はもうこの舞台編を主軸にすることは分かっていましたし、このまま東京ブレイドだけで1クールやってくれてもいいな、くらいに思っています。私は原作未見ですがアニメオリジナルの演出、描写が凄くて評価されているようですし、まだ原作も完結していないわけですから今期はどのみち途中で終わります、ならドップリ、この世界を見せてくれという感じです。

あかねちゃんの帽子、手で払われただけでボロボロになっていたのは笑いました
難しいかもしれませんが、この二人には仲良くなって欲しいなぁ

芸能界の闇と人間模様を描き続ける推しの子、毎週見応えがありますね。
ルビーとMEMちょのファンは二期には不満があるかもしれませんが、キャラの魅力が素晴らしい作品です。
来週以降も楽しみです!


ここまでの感想はこちらです。


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