推しの子第22話感想…二人のヒロイン、白と黒
推しの子、二期もそろそろ佳境かと思わせる第22話を観ました。
第二十二話「自由」あらすじ
宮崎旅行を前に買い物へ行くアクアとかな。スマートにエスコートされ、舞い上がるかなだったが……。一方、父親を探し出すという目的を失ったアクアが、あかねに打ち明けた話の内容は──(公式サイトより引用)
舞台東ブレの慰安旅行も兼ねたMV撮影のための宮崎旅行、その準備回といった話でしたが…
とにかく怖かった。
何がと言いますと終盤の、アクアとあかねの会話に戦慄を覚えました。
アクアの中身が大人(というかオッサン)なのを実感
「ああ、そういえばアクアって年齢的にはまだ高校生だったな」と思い出した、今週の話でした。と言っても中身はもう中年なので、かなちゃんのエスコートが常に一歩先を行っている…そんなお買い物デートが前半部分でしたね。舞台の時も有馬かな無双な回がありましたが、今回はプライベートの部分で彼女の魅力が爆発しております。
血縁的に兄である姫川さんから「たぶらかしてる」と揶揄されたアクアですが、こんなに女子の扱いが見事だと感服だな…というデートでしたね。予約してある店に自然に誘うとか、どこぞのマニュアルに書いてある理想論をやってのけやがりましたねこの男は。どこか自分がお姉さん的な目線でいたかなちゃんは悉くリードされて「いやぁん、そんなアクアが素敵❤」な状況でしたね。このアニメが「推しの子」でなければ、このうえなく幸せな場面だったと思うのですが。
黒川あかねの気持ち悪さ
そんな感じで前半の有馬かな編は、あるあるなラブコメ展開で普通に観ていたのですが…後半、あかねとの会話があまりにも衝撃でした。
あくまでも、私自身の印象&感想に過ぎないことを前置きしておきますが…
まず、15話でしたか?アクアの全てを受け止めたい…のような雰囲気のシーンがあり、純粋にアクアを愛するヒロインの一人という印象があった彼女ですが、恋愛経験の乏しさ、もあってか今回アクアから愛情を感じたことも無かった、と言われています。ついでに言うと目的のために利用されていることも折り込み済みで今まで付き合っていたことも自ら語ったりします。その上で、実情をアクアから話されると「抜け穴」があることに気付き、またアクアが「終わらせたい」という願望を持っていることからその事実に気付かない…というところまで洞察するんですね。これは、演技においても徹底的に情報収集・分析を行う彼女の性格が活きているいわば見事なシーンでもありますが、この先の展開を指し示す重要なシーンであるとともに、私は
黒川あかねが、人間に見えなくなった。
という衝撃があったんですね。作劇上、都合が良すぎるように感じましたし疑似カップルを始めて半年以上経っていると語られているのに、アクアへの想いがどこか作り物っぽいことまで自覚していたのか、と。前半かなちゃんがひたすら可愛い、つまり人間味をフル稼働させていたのに対し黒川あかねの心はどうなっているのか…とある種の不気味さを感じたんですね。
「この女、なんか怖い」
こんな印象を抱きました。確かに今一度整理して振り返るとあかねの言う「抜け穴」がなんなのかは理解できました。それほど驚くようなことでもないですし、原作の最新話を齧っていますからあたりを付けるのは難しくありません。
ですが、好きな男が清々しい気持ちで清算できた過去を語っているのに瞬時にそれに気付くのは、もう乙女の思考回路からかけ離れていますよね。支払いがどうので頭の中がワチャワチャしていた赤い髪の子とは、あまりにも対照的です。
キャラの見た目的に、私はかなよりあかね派でしたからそういう意味でも今週は結構ショッキングな回でした。
見方を変えれば、この作品は本当にキャラクターに厚みがある、ということでもありますね。
ラストシーンに遂に…な登場人物も現れ、いよいよ終盤に向けて加速していきそうなこのアニメ、色々と感情を揺さぶられますが目が離せない作品です。某所での原作との違いを列挙した記事を読みましたが、アニオリも絡めて映像作品として映えるものになっているようですね。
まさに、二期の最初は原作の改変について揉める話でもありましたから、「漫画原作のアニメ作品」としてファンも唸るアレンジを施されているのは制作者の意識の高さを感じます。
私はdアニメストアで観ているので金曜日のお楽しみとなっていますが、本気で原作も読みたくなってきました、ずっと言ってますが。
結局全部アクアが払ってるんやないかい!なエピローグムービーでした。
ここまでの感想です。