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映像作品感想

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映画中心の感想集です
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2023年10月の記事一覧

OVA感想「仮面ライダーSD 怪奇クモ男」(Filmarksより)

90年代のOVA。 TTFCに追加されたので視聴した。 当時最新だったRXを主軸にしたギャグアニメ。 ジャーク将軍やシャドームーンが登場する。 内容的には終始ギャグだが、アクションシーンはそれなりにキマッている。 中心はRX、ZX、1号であり他のライダーは顔見せ程度で声がないのもいる。 ともあれ懐かしい平成初期の空気を感じさせる良いものであった。 観たのは配信だが、終わったあとで「巻き戻し」しなきゃ、という感覚が残ったものである。

映画感想「映画 聲の形」(Filmarksより)

聴覚障害の少女を巡る少年少女達の青春物語。 重い重いという評判を聞いていたが、個人的には爽やかな物語だったと思う。 情景描写と音楽が美しく、それに伴った石田の心の動きが常に関心を引っ張る。 字幕上映もあるようだが、寧ろ台詞が要らない、サイレント映画の様に音楽だけで観てみたい作品。 若干長尺に感じる部分もあるが、美しい場面と心を揺さぶる展開で綺麗にまとまっている印象、原作も読んでみたくなった。

映画感想「ガールズ&パンツァー 最終章 第4話」(Filmarksより)

言葉通りの10年コンテンツになったガルパン最終章、第四話。 大会準決勝のvs継続高校戦、司令塔であるあんこうチームを失った大洗の戦いが描かれる。 正直、このアニメはキャラが多すぎてあんこうの5人以外はロクに覚えていなかったりする。そのあんこうチームが不在の戦いで果たしてついて行けるのか、という鑑賞前の不安があった。 だがそれは心配無用だった。 雪原でのスピード感溢れる戦車戦、このアニメの主役は女子高生たちではなく戦車なのだと突きつけてくる大迫力だった。 状況や作戦も分かり

映画感想「羅生門」(Filmarksより)

黒澤監督の代表作の一つ。 美しい映像に人間のエゴを重ねる様に映す、芸術品の趣きがある。 正直に言うと初見の際は「なんだかみみっちい話だな」と言う印象を持った。 ところが二度、三度と観るうちにメインの3人、三船氏、森氏、京マチ子さんの表現力が尋常でない事を認識していき、国を超えて評価された理由を理解、ではなく「感じる」事ができた。 これは個人的な見方だが、七人の侍と同じキャストがそれぞれの先祖だったりしたら面白いな、とか。

映画感想「ローマの休日」(Filmarksより)

言わずと知れた恋愛映画の傑作。 王室を抜け出したアンと、新聞記者である事を隠すジョーの、一日の恋。 全編を通して明るいタッチであり、ローマの街並みとオードリーの美しさで観るものに壮麗な印象を残す作品。 お互い気付いていながらも…な秘密が迫るタイムリミットと相まって切なく盛り上げていく。 「お別れに何を言ったらいいのか、 思いつかないの」 「僕もだよ、言わなくていい」 ストレートながら、真に迫る会話。 喜劇であり、悲劇。名作である。

映画感想「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」(Filmarksより)

1969年5月13日、世界的作家の三島由紀夫が東大全共闘と論戦を繰り広げた日の記録。 再開した映画館で最初に鑑賞した作品だった。稀代の小説家と東大生の舌戦は思想から精神論に至り、「他者をどう捉えているか」と観念的な質問まで飛び交う。 この時代は「政治の季節」といわれ各地で学生運動が活発だったといわれるが、観るとこれは右、左ではなく世代間の争いという印象を持った。 三島由紀夫は昭和の始まりと共に生を受け、大日本帝国の天皇論を思春期に己の柱として人格形成に至った世代。 この議

映画感想「映画プリキュアオールスターズDX(デラックス)3 未来にとどけ!世界をつなぐ☆虹色の花(Filmarksより)

プリキュアオールスター映画の3作目。 DXシリーズとしては最後となる、ここまでの「劇場版」を総括した豪華な内容。 物語的にはこの世界と妖精達の世界を繋ぐプリズムフラワーを巡り、蘇った歴代の敵キャラと一堂に会したプリキュア達の戦いが繰り広げられるシンプルなもの。 ピンク組、青組、黄組、妖精組の4視点で進行し、やがて集結する王道の展開ながら彼女たちにとって大きな別れと使命を天秤にかけるクライマックスは、単純な外伝的エピソードでは片付けられない。 この映画は時期的に世情が沈んで