【モチーフ小説】にじむ汗と熱
身体を動かさない日があると、心の中まで鈍ってしまうような感じがした。
こんなところで立ち止まっているわけには行かないのに。
けれど、ときどき勝手に開かれる、余分な扉。
私を踊りに夢中にさせたのが環境ならば、私を男から遠ざけたのも環境だ。
なんだか、その事で損ばかりしている気がする。
実際には、そうでもないのかもしれないけれど。
情感が足りない、と講師はいった。
私の踊りには、情感が欠けている。
ほんとうにそうだろうか。私は訝しく思う。
それは、私には必要のない感情なのではな