飛べないノミの話
みなさん、ノミはご存知かと思います。あの小さなノミは自身の150倍もの跳躍力を持っていて、驚異的に高く飛ぶことが可能です。
とある実験で、このノミを小さな瓶に蓋をして入れると、何度もジャンプしては瓶の蓋にぶつかり続けます。その様子を見ていると、徐々に学習をし、蓋にぶつからない高さに飛ぶよう調整をしていくのです。
そして、その後蓋を取ってあげると、不思議と蓋のあった高さまでしか飛べなくなるのです。
ノミは自分が元々飛べていた高さを忘れてしまい、瓶の高さまでしか飛べないと錯覚をしてしまうのです。
この実験は非常に示唆が多くて、人も"自分はここまでしかできない"と決めつけてしまうと、それ以上の成果は出せないものです。逆に、高い目標を持ち、自分はできると信じて疑わない人は、そこに追いつこうと努力をし続けて、いずれは高い目標にたどり着くことができます。
他にもエベレストを登ると決めた人しかエベレストは登れないとか、飛行機の延長戦にロケットはなく、ロケットを作ろうと思った人にしか作れない、のような話も最近はよく耳にしますが、人間の深層心理に近い示唆がノミの実験にはあると思います。
実は、このノミの話には続きがあります。
瓶の高さまでにしか飛べなくなったノミを再度元々の高さまで飛べるようにするにはどうすれば良いのか?という実験です。
要は、ノミが抱いてしまった"キャップ"をどのように壊してあげるかということですよね。
そう、その方法とは、他の150倍の跳躍力を持つ普通のノミの集団に入れてあげることです。
これは働きアリの2:8の法則同様に、これまた示唆が多く、学びの多い実験ですね。
皆が自分のキャップを越える高い目標をワクワクして追いかける、そんな個が集まった集団、組織をつくっていきたいと心から思うばかりです。
株式会社ビズリンク 姜 大成(カン テソン)