矢印の向く方向。繋がる思い。結合点。 前編

『クミぃ〜・・・』
ガバッ

『へぇっ!びっくりした!
どしたのリリ・・・!』

『寂しいよぉぉ〜・・・』

『んぁっ・・・そんな耳元息吹きかけっ・・・
あぁんっ!』


とある中核都市に隣接する山間の町の高校。

化学部部室。
化学部はこの高校唯一の帰宅部。
だけどたまにこうして部員が
部室にたまったりたまらなかったりしている。


『・・・「RANDY」?』

『うん。知らない?
1コ下のコたちのバンドで
文化祭とかに出たりしてるんだけど。
結構他の色んなコンテストとかみたいのにも出てるみたい。』

『へぇ。
で、そのランドリーがどーしたの?』

『ランディーね。
結構外でも認められてはいるみたいなんだけど、
ボーカルがちょっとイマイチだったみたいで、
ギターのコと合わなくて脱退したらしいのね。』

『ふぅん。
よくわかんないけどそーゆーこともあるのかねぇ・・・
ラウンディー、ねぇ。』

『ランディーね。
で・・・なんかケイくんがその後釜に勧誘されたみたいなの。』

『え!ケイくんが!?バウンディーに!?』

『・・・・・そう。
何かケイくん、
歌ウマかったみたい。
見た目もカッコかわいいし。
・・・でね、
月イチではデートとか色々してるんだけど、
最近学校ではほとんど会って話せなくて。
なんかさ、
軽音部ってチャラくてコワそうじゃん?』

『誰が何を言ってんの。笑』

『なんか部外者が彼女ヅラして乗り込むのも
なんか違う気がして・・・』

『あぁ・・・まぁそれはねぇ・・・』

『ケイくんにゆうのもなんか負けた気するし・・・』

『ふぅん。そんなもん?』

『あたし年上だし・・・』

『そんなん関係ないよぉ。
ゆったらいーんじゃない?
寂しいって。』

『えぇ〜・・・
だって邪魔しちゃうもん・・・
クミぃ・・・寂しいよぉ・・・
ねぇ~・・・』

『やだちょっ・・・
どこ触ってんのっ・・・
あっそこやらっ・・・・・はぁんっ!』

『・・・何してんすか。』

『ケイくん!?なんでっ!?』

『いやそりゃリリさんに会いに・・・
てか2人ともぱんつまるみえすよ?』

『あっちょっ・・・トイレっ・・・』
パタパタパタ・・・

『あっリリさん!?
・・・何があったんすか。』


『あぁ・・・はい。
GReeeeNじゃなくてRANDYですけどね。
ボーカルのタイチさんが抜けて。
一年の軽音のやつが、僕が歌えるって言ったらしくて、
ギターのカズイさんに誘われたんです。
歌えるっていってもカラオケレベルだって思ってたんですけど、
カズイさん的には、求めてた声だ、って。
で、カズイさんは僕をギターボーカルにしたいって
僕に古いギターくれて、今ギターと歌の特訓中で。
どこまで出来るかわかんないけど、
何事も経験だな、って。』

『えっ、それって・・・』

『はい。
前のキャンプサイトで、ヨースケさんに言われたんです。』

『そっかぁ・・・』

『でもあれですよ?
リリさんとの時間なくなるようだったら
すぐ辞めますから。』

『へ?』

『だって、僕にとって一番大事なのはリリさんですもん。
リリさん失ってまでする経験ならいらないです。笑』

『へぇ。
かっこいーじゃんケイくん!
なるほどねぇ・・・
がんばってねGREEN DAY!』

『・・・クミさん。
わざと言ってません?笑』

『へぇ?』

『・・・ゲイぐぅん・・・』

『うわぁリリさん聞いてたんすか!!!』

『ごべんねぇゲイぐぅん・・・』

『リリさん謝ることじゃないす!
必死でやってて
寂しい思いさせてたんならごめんなさいっ!』

『いいよぉ・・・頑張っでぇ・・・』

・・・あーなんか・・・いーなぁ・・・
わたしもヨースケさんとえっちしたくなってきたぁ・・・
・・・いーなぁ・・・。

続く→

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