林間学校。①#18禁
僕の入学した高校には、
山奥の研修施設で行う、新入生の研修がある。
いわゆる林間学校とか呼ばれるやつ。
入学してはじめての共同作業が目的だから、
一学期のゴールデンウィーク前、
ホントに入学して間もなくの4月半ばに行われんだよね。
そしてそれが、今日。
今日から二泊三日。
割と山奥の高校なので、
半分以上が中学からの持ち上がり。
だから、
あんま顔合わせもへったくれもなかったりする。
あ、申し遅れました。
俺の名前は「ユウキ」。
例に漏れず俺も、
地元中学からの持ち上がり。
必然的に同中だったやつは同中で固まんだよな。
まず入校して、学年主任の挨拶。
大講堂に集合して、服装は学校指定のジャージ。
味も素っ気もない。
そう思ってたけど。
そのあと班分けをされるんだけど、
俺は、中学んときから仲良かった
「ヨッチ」とコンビを組んだ。
女のコはあえて別中のコたち。
そしてそのまま、その男女4人グループで
オリエンテーリング。
さらにその後、
それぞれ2チームが合わさって、
8人で夕飯のカレー作り。
・・・なんだよ。
割と楽しいじゃん。
・・・そして夜。
男女はそれぞれ別の階に
8人づつの部屋に分けられる。
カレーのチーム✕2って感じ。
カレーチームは、
俺とヨッチ、隣中の「ナカムラ」と「タカハシ」。
あとの4人は、
純粋にこの研修に取り組んでる感じのやつら。
まぁこの8人で交流を深めるのもいいけど・・・
俺らには達成したいミッションがあった。
すでにヨッチが、先輩から情報を得ている。
こうゆうとき、すでに先輩後輩関係が成り立ってんのは強いよな。
それによると先生たちは、
まだこんな入学して間もない俺らが
仲良く部屋移動なんてしないと思ってるらしい。
でも、甘いぜ先生。
ウチらは中学から持ち上がってんだぜ?
コミュニティなんてハナから出来上がってるっつーの。
とはいえ先生も一応
23時の消灯までは一応見回りをしてるらしく、
その間に今晩の予定を打ち合わせ。
あくまでバレないよーに。
ちなみにナカムラが、
すでにカレー作り中に
女のコたちと話つけてきてた。
やるなナカムラ。
向こうの部屋は403。
ここの真上だ。
ウチらのチームの「サッちゃん」、「ヨーコちゃん」、
ナカムラのチームの「ユウカちゃん」、「ヒロカちゃん」。
その4人が向こうに残る。
残りの4人がこっちにおりてくる。
まぁ単純な話。
決行は23時40分。
・・・焦っちゃダメだ。
先生にも明日があるから、
23時までは見回りするだろうが、
いつまでも俺たちに構ってなんていられない。
おそらく眠りにつくのがそのくらいの時間だろう。
というのが、ナカムラの憶測だ。
まぁとはいえ
向こうとはすでに話がついてるから、
残りの4人を説得すんのが一番手間だったかも。
それは向こうも同じかもしんない。笑
まぁ気持ちはわかるぜ。
入学早々問題起こしたくないもんな。
でも、俺たちはやらなきゃならないんだ。
大事なミッションだからな。
23時40分。
いよいよミッション決行の時間。
残りの4人と話す。
『万が一先生来たら頼むな。』
『うん。また話聞かせてね。』
『いやこっちはこっちでウマくやってくれよ。』
親指を立てる。
男と男の友情。笑
そっと部屋を出る。
階段のとこで
こっちに来る女のコたちと会う。
(もぉ遅いー!)
(ごめんごめん。
こっちの部屋よろしくな。)
(うん・・・問題起こさないでよね。)
足音を立てずに・・・403へ。
ここでバレたら計画丸つぶれだ。
コンコン・・・カチャ
静かに部屋の扉を開ける。
(おそーい!!
来ないかと思っちゃったじゃーん!)
(いや来るでしょ!笑)
ひとまず第一ミッションクリア。
続く→