銭湯「松の湯」(仮)。②#18禁
ガラララッ・・・
あぁヤバい変なこと思い出しちゃっ
『いらっしゃいま』
『マサキくん!?』
『えっ・・・えっマドカちゃん!??』
マドカちゃんは
同じ大学の同じサークルのコ。
ちなみに大学へはここからチャリで10分。
高校より近い。
そしてこの辺りには学生アパートが多い。
とはいえ今時みんな
部屋には風呂がついてるはず。
『給湯器が壊れちゃって・・・。
近くにここあったの思い出したんだけど・・・
ごめんねっ!他行く・・・』
『あーだいじょぶだいじょぶ!』
『えっサラちゃん』
『なんかよくわかんないけど
マサキの知り合いなの?
だいじょぶだよマサキなら。
こーゆーの慣れてるし、イヤなら見ないし。
でしょ?』
『サラちゃん・・・』
『・・・ホントにぃ?』
『う、うん。見ない見ない!』
『じゃなくて・・・慣れてるのぉ?』
『あぁ・・・うん・・・
誰にもいってないけど一応
銭湯の息子だしね。』
もちろんウソだ。慣れてるわけない。
『・・・そっか。
慣れてるんならいーや。笑』
『え。』
パタパタパタパタ・・・
(・・・残念だねぇマサキぃ・・・笑)
(・・・え?)
(慣れてるんならハダカ見られてもいいって
ことでしょ?
脈ナシだねぇマサキぃ・・・笑)
・・・そんなはっきり言うことないだろ。
確かに気にはなってたし、いいコだし、
あわよくばな気持ちもなくはないけど・・・。
てゆうか俺がこんな奥手になったの、
サラちゃん、あなたのせいだからね?
『おーいマサキぃ!笑』
『え?
あっ!ちょとぉっっ!!!』
『え?
あっキャァーーーーーッ!!!』
マドカちゃんハダカめっちゃキレイマドカちゃんハダカめっちゃキレイ!!!!!
はぁぁーーーーー・・・つかれたぁ。
銭湯の仕事って大変だなぁ・・・
一日通して、見るのとやるのとじゃ大違いだ。
そりゃ父ちゃんも逃げ出すわな・・・。
カチャ
『おうおかえりぃ!』
『サラちゃんっ!?』
サラちゃんが俺の部屋に来るのは、
実はあのとき以来だ。
俺が奥手になった原因でもある。
・・・いや。
別にサラちゃんが悪いわけじゃない。
俺が勝手に思いを寄せてただけだ。
『どしたのいきなり!!』
『なにぃ?笑
久しぶりに会って言うのがその言葉ぁ?笑』
『あっそうそう!
どこ行ってたんだよ今まで!!
心配したんだよ!?』
『えーホントにぃ?
嬉しいねぇ。笑』
『茶化すなよぉ・・・
いきなりいなくなってさぁ・・・』
『あぁごめんごめん。ごめんね?』
『ずっと・・・待ってたんだよ・・・?』
『・・・・・。
マサキぃ・・・・・
わたし、そんなキレイな女じゃないよ?笑』
『え・・・?』
『・・・それよりさ!
再開を祝して、カンパイしよっ!』
『えっうん・・・』
『はいカンパーイ!』
『あっ・・・カンパイ。』
・・・え?
キレイじゃないって・・・なんの話?
『ノリ悪いなぁー!笑
今日はマサキに朗報もってきたんだよぉ?
そんなテンションならやめよっかなぁ。』
『え。なに朗報?』
『なんだと思う〜?
ドゥルルルルルルル・・・』
『いや早く言いなよ。笑』
『・・・ババンッ!!
マドカちゃんの連絡先ゲットしましたぁ〜
ってなんだよそのテンションっ!!!』
『いやだって・・・ガッコ行きゃ会えるし
脈ナシだってゆったのサラちゃんだよ?』
『バカだなぁ脈ないと思っても追っかけるのがオトコってもんでしょぉ!?
・・・なぁに笑ってんのよぉ。』
『いやなんでもない。笑』
・・・変わんないなぁサラちゃん。
すぐ誰とでも仲良くなっちゃう。笑
『・・・でも、なんで?』
『ん?』
『だってさっき風呂で会ったきりでしょ?』
『あぁ。
なんかわたしがいない間に
マサキがどんな成長を遂げたかと思ってね。
話しかけてみたら
向こうも結構楽しそうに話すじゃん?
したらなんか意気投合しちゃってね。笑
ついさっきまで一緒にいたってわけ。』
あぁ・・・なんかそーゆう、
ちょっとだけ鋭くてちょっとだけズレてて、
お人好しでおせっかいなとこも。
変わってないなぁ・・・。
『てゆうかマサキ、脈なくないよ?』
『ふぅん。』
『え?あんた気になってたんじゃないの!?』
『えっあぁ・・・
気になってた気になってた!』
・・・あれ?
『・・・マサキぃ・・・
あっ!
ウチの親には
わたしが来たのナイショにしといてね!?』
『え?寄ってないの!?』
『うん。
あと、ヨシキの救急車呼んだのわたしだから。』
『えっ!?兄ちゃんの!?』
『感謝してよねー。
まぁわたしじゃなくても誰か呼んでたと思うけど。笑』
『サラちゃん今どこに』
『あっじゃあこの辺で!
これわたしの連絡先!!また連絡するから!
じゃねバイバイっ!!!』
『あっサラちゃ』
飛び降りてった。
・・・どっから入ったんだ?
・・・いや、うん。そっか。
俺がホントに一緒にいたかったのは。
奥手になったのは。
飲みかけの缶ビール2本が、
寂しげにテーブルに置かれている。
続く→
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