林間学校。⑦（サチコの場合①）#18禁

《サチコの場合　①》

入学した高校は、
ほぼその同じ地域のコたちでかたまって、
わたしたちヨソ者にはなんだか冷たい。
なんか、そんな第一印象だった。

そして一ヶ月も経ってないのにいきなり、
林間学校。
えぇ〜ダルい。
なに「親睦を深める」って。
無理だよーそんないきなりキマズいだけ。
しかも通信機器は２泊３日没収だって。
なにそれ監獄じゃーん。

あぁー・・・
選ぶ高校ミスったかなぁ・・・

とはいえ参加しないわけにはいかず。
でもなんなの学校指定ジャージ限定って。
なんなのこの全員ミドリ一色。
はぁーもぉぉ・・・

長い学長の話が終わって、班分けだって。

ずっと一緒にいて一緒に入学したヨーコと
隅っこで固まってたら、
真っ直ぐわたしたちのとこに来てくれた
ユウキくんとヨッチ。
唯一っていっていいくらいちゃんと話した、
同じクラスの男のコたち。

誰とも分け隔てなく話すユウキくんと
その横で天然キャラで笑かすヨッチ。
ユウキくんは割と誰とも仲いいから
後から誰かにひがまれるかもだけど。
でもまぁこの２人とだったら・・・
２泊３日も楽しめるかも。

緑ジャージはヤだけど。

そして、ユウキくんヨッチとヨーコと
４人でオリエンテーリング。
ユウキくんはさりげなく引っ張ってくれたし、
ヨッチは頑張って盛り上げてくれた。
２人のそんな何気ない気遣いで、
ただ歩くだけの憂鬱な行事が
だいぶ楽しくなった。
特にユウキくんの、
不器用だけどさりげない優しさ。
多分、無意識なんだろーけど、

ちょっとキュンとする。

そして、夕飯のカレー作り。
ナカムラくん、タカハシくん、ユウカちゃん、ヒロカちゃんのチームと合体する。
こっちはみんな同じ中学なんだね。

ナカムラくんは、委員長に立候補してた。
なんとなく、
委員長だからマジメなのかと思ってたけど、
話してみたら真逆だった。笑
でも、カレー作りもすごく手際がよくて、
割り振りもカンペキで、
すごく楽しく準備できた。
この人が委員長なら、
きっとみんな一年楽しく過ごせそうだねぇ。

そしてユウカちゃん、ヒロカちゃんは
わたしたちとなんとなく似た感じがした。
なんだか、マジメじゃない、感じが。笑

わたしたちで野菜のカットとかしながら
カレーの準備してると、
ふとナカムラくんがやってくる。

『ねぇ、
２人は向こうから来てまだ馴染めてないっしょ。
今晩さ、どっちかの部屋で集まんね？』

仕切り上手なナカムラくんなら
なんだか楽しそうな気がした。
それに・・・
ユウキくんもいるし。
もっといっぱいお話とか色々、したい。
色々。

『うんいーよー。』

だから、即答。

即答したものの、
部屋割りはカレーのチーム✕２で、
向こうの４人に納得してもらわなきゃ
いけなかった。

忘れてた。

・・・・・

『がんばってねーっ！』

・・・向こうも、
前から誰かが誰かを気になってたみたいで、
割と話はスムーズだった。笑

あとは待つだけ。

いーよねーなんかこーゆーの。
こーゆー時間が一番楽しいかもしんない。

・・・と思ってたらなかなか来ない。
もしかしてトラブル？
まぁ先生もそんな甘くないし・・・
心配。
に思ってたら、やっと来た。
ホッとした。

そして、思ってたよりもさらに
この時間を楽しみにしてた自分に気づく。

さぁもぉ全部忘れて楽しむぞー！
あ。見回りの先生には注意しながら。
ドキドキする。笑

（おそーい！！
来ないかと思っちゃったじゃーん！）

（いや来るでしょ！笑）

ユウキくんが同じ温度感なのが、
うれしい。

でもそのうれしさを悟られるのは
なんだか悔しい。
あえてここは冷静に。

『ねぇもぉー笑
ちゃんとバレずに来れたぁ？笑』

・・・ダメだ。
楽しくて笑っちゃう。笑

『なぁなぁ。』

ナカムラくんの呼ぶ声。
ん？

バサバサバサーッ

『えっすごーい！！』

大量のお菓子やらトランプとか、
宝物が大量に飛び出てきた。
えっなに楽しいー！！！笑

『さすがに今回はチャレンジだったわ。笑
でもこれ明日までだからな？
今晩は絶対バレずに乗り切らんと。』

なにそれ明日もあるとか！
サイコーじゃん！！笑

一時は高校生活どうなるかまで考えたけど。
ヤバい楽しい。笑

そっから自己紹介。
・・・へぇーユウキくんは陸上部だったんだぁ。
駅伝のアンカーだって。
すごいすごい！！！

そして自己紹介も終わり、
トランプ大会がはじまる。

『でも普通にトランプじゃつまんないからさ、
罰ゲームつきな。』
そう言いながらナカムラくんが
真ん中にカードの束をドンッと置く。

・・・いやちょっとちょっと！笑

『えーなにそれー笑
そっち打ち合わせ済みー！？』

『いや知らない知らないマジで！』

ユウキくんは知らないんだ・・・。笑

『えぇー？ウソぉー！笑』

『まぁ負けなきゃいいわけだからさ！
せっかくこーゆー機会だし！』

ナカムラくん必死。笑
まぁわたしは面白けりゃいーけどぉ・・・

『えぇー・・・
どーするヨーコぉ。笑』

『サチコに任せるよぉ。笑』

『イヤならやめてもいーからっ！』

『えーじゃあ・・・うん。』

ヨーコのおっけーも出たし、
わたしはむしろそっちの方が興奮するし、
なによりナカムラくんの必死さに免じて。笑

そして、
ユウキくんが打ち合わせしてなかったのが、
なんだかちょっとうれしい。笑

続く→