再会はトイレの中。(仮)③#18禁 初顔合わせ

《カズイ》

バタバタバタバタ・・・

えっえっえっちょっと意味わかんないちょっと待って。
まず再婚相手が今日来るとか聞いてない。
でバイトから帰ったら知らない車が停まってて、
トイレ入ったら初恋のサオリちゃんが
カギ閉めずにおしっこしてた。

・・・はぁ!!!?

ちょっと落ち着け落ち着け。
ん?
サオリちゃんと兄妹ってこと?
いやいやいやいや。
だってサオリちゃんは小学校んときに転校してって以来。
あんときは急で、告白もできずに終わった。
それがこんな急展開で、しかも兄妹かよ。

さすがにそれは教えといてくれよ父さん・・・

てかカギは閉めようぜサオリちゃん・・・

・・・まぁさっきのことは忘れて、
再会を喜びあおう。
俺も、多分向こうも色々経験してる。
あの頃とは違う。
きっと大丈夫・・・

いや無理か・・・
いくらなんでもエロすぎる・・・。


《サオリ》

いやちょっとちょっとちょっと!!!
・・・まぁカギ閉めなかったわたしが悪いのか・・・?

ちょっとキマズすぎるんだけど。
好きだった人に、
まだキスもえっちもしてないのに
いきなりおしっこ見られた。

・・・は?

キスとかえっちとか何言ってんの。
ちょっと落ち着け落ち着け。
でもひとつ屋根の下ってことは
そんなこともありえるのか・・・

・・・いやないない。
わたしが一方的に好きだっただけだし。
飛躍しすぎ。

・・・うわぁぁ〜・・・
おしっこ見られたぁぁ〜・・・
なんしょおしっこ見られたぁぁ・・・

・・・まぁこのことは忘れて再会を喜び・・・
いや無理無理。


《カズイ》

『そっかーカズィとサオリちゃんは
小学校一緒だったかー!
いやぁー・・・
え、じゃあユリさんも近くに住んでたってこと!?』

ユリさんはサオリちゃんのお母さん。
てゆうか俺の母さんになるひと。
で、間の抜けたデカい声のが、父さん。笑

『あーでもわたしその頃は
仕事も忙しくてしかも最初の旦那と離婚の調停中だったからねー。
なかなか行事には参加できなくて。』

『あー僕もそうだったなー。』

・・・いやいや何でその辺お互い話してないのよ。
てか子供の前でそーゆー会話はナシな。
幸せなのは構わないけど、
も少し気ぃ使え。
サオリちゃんは・・・
あーほらぁ笑顔が固いじゃぁん・・・

『2人が知り合いなんだったらよかった!
じゃあ僕たちはやることあるから
君たちは2階に行ってなさい!』

・・・いや何やるんだよ!
やめてくれウチのリビングで!!

トントントントン・・・

『ごめんな?父さんバカで。笑』

『ううん全然!
ママもだよー。
ゴメンね空気読めなくて。笑』

・・・そっか。
同じ気苦労はしてんだな。
なんか周りにそんなこと話せるやついなかったから
なんか嬉しい。
それに、空気読めない2人のせいで
さっきのことは自然に忘れた流れにできそうだ。

よかった。


《サオリ》

・・・もぉーママ・・・
カズイくんの前でパパの話はいーじゃん。
そのせいでわたし転校になって
カズイくんと離れちゃったんだからね?
カズイくんは・・・
あ、ほら。キマズそうじゃん。
わたしはいーけど。
・・・にしても、2人はよく似てる。
やっとママと対等な人が現れたって感じ。
今までのパパもキライじゃなかったけど。
幸せになってね。ママ。

『僕たちはやることあるから
2人は2階に行ってなさい!』

えっ!何するの!笑
純さん(カズイの父親)もなかなかだね・・・笑

『ごめんな?父さんバカで。笑』

『ううん全然!
ママもだよー。
ゴメンね空気読めなくて。笑』

ホントに。
でもつくづく2人は似てるね。
大事なとこ抜けてるとこも。
あそうだ。
後でママに
「ウチじゃないんだからトイレとかちゃんとカギ閉めよう」
って伝えとこ。笑


《カズイ》

カチャ

『はい。こっちが今俺の部屋でぇ・・・』

『えっすごっ!!!!!』

『え?』

『あーそういえばカズイくん、
ギターやってたねぇ。』

『あ、覚えててくれたの?』

『うんだって好きだったもん。』

『・・・え?』

『!!!
あーごめんごめん今のナシナシ!』

・・・今「好きだった」って言ったか?

『えっ今何て・・・』
『今バンドとかやってるの!?』

『えっ、あぁ。
「RANDY」ってゆう・・・』

『・・・えぇ!「RANDY」って・・・!』

『知ってる?』

『うん!親友のユカがね、
よく「箱庭」ってライブハウスに・・・』

『え。ユカちゃんてもしかしてショートカットの?』

『えっうん。』

『え。
ベースのマサキのカノジョの?』

『うん。』

『あーなるほどね。
俺、そこのギターの・・・』

『えっ!「カズさん」ってカズイくん!?』

『あー・・・はい。笑』

『えぇーーーっ!すごいすごいすごいっ!!!』

『あーうんまぁ・・・』

『へぇーすごぉい!
ずっと続けててよかったねぇ・・・』

・・・めっちゃ喜んでくれてんじゃん。笑
そいえば
サオリちゃんのこーゆう
感情素直に表に出すとこ、
好きだったんだっけ。
どっちかってゆうと俺があんま
表に出すタイプじゃなかったからなぁ・・・

続く→

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