再会はトイレの中。(仮)④#18禁 みんな抜けてた

《サオリ》

カチャ

『はい。こっちが今俺の部屋でぇ・・・』

『えっすごっ!!!!!』

ギターが3本。とパソコン。
なんかよくわかんない機材。
よくわかんないけど、
なんか「プロ」って感じ。

そういえば。

『カズイくん、あの頃もギターやってたねぇ。』

『あ、覚えててくれたの?』

そりゃもちろん。

『だって好きだったもん。』

『・・・え?』

え?
・・・あ違う違う違うっ!!!

『えっ今何て・・・』
『今バンドとかやってるの?』

『えっ、あぁ。』

回避成功。危ない危ない。

『「RANDY」ってゆう・・・』

えぇっ!!ランディー!?
それって親友のユカのカレシのバンドだし、
じゃなくてもこの辺じゃ超有名じゃん!
少なくともわたしら周りでは
めっちゃ話題にのぼる。
わたしは見たことないけども。

・・・んん・・・?
カズイ・・・カズ・・・

『えっ!もしかして「カズさん」てカズイくん!?』

『あー・・・はい。笑』

いやいやめっちゃ謙遜してるけどぉ!?

「RANDY」はその「カズさん」が全てだとか。
楽曲の詞も曲も、アレンジも全部やってる天才だって。
ユカがゆってた。

『えぇーーーっ!!!すごいすごいすごいっ!
ずっと続けててよかったねぇ・・・』

ホントにすごい。
思えばカズイくんは、あの頃からそうだった。
すごい色んなことすぐ気づくし、
みんなに優しいし。

当時わたしは、
家に帰るとママとパパがいっつも喧嘩してて、
今でこそ慣れたけど、
あの頃はすっごい毎日憂鬱だったんだよね。
でもそんなの周りにバレちゃいけないから
無理に明るくしてた。
でも、
カズイくんはそんなわたしを知ってか知らずか、
いつも穏やかに笑顔で話しかけてくれて。
なんか、わたしがわたしらしくいられたのは
カズイくんのおかげだった。
そんなカズイくんが、好きだったんだよなぁ・・・


《カズイ》

・・・なんかめっちゃ喜んでくれてる。笑
相変わらずかわいいなサオリちゃん。
でもさ、
そんないいもんじゃないんだよ。
俺は
バンドをよりランクアップするために
ボーカルでツレのタイチを切ったりした。
みんなよくなるように、とか
周りのこと考えてた昔とは違うよ・・・

・・・あ。ヤバいキマズい。笑
気づかれるのはよくない。

『・・・うんまぁこっちはこんな感じで。
一応もうひとつの部屋が物置きになってるんだけど、
サオリちゃんの部屋にどうかなって。』

『えっうん。』

カチャ

『えぇっ・・・!
全然いーよぉ!!
めちゃめちゃ広い!!!
なんなら向こうより広いじゃん!』

『ごめんな物置で。
あっちがよければあっちに・・・』

『ううん!全然いい!
へぇ~本とDVDとビデオとCDと・・・
すごいほとんど音楽関連だね〜・・・
お店みたい。』

『うん・・・』

・・・あぁーヤバい。

『ん?どしたの?』

『いやあのさ・・・』

『ん?』

『・・・トイレ行ってい?』

『あー・・・うん・・・笑』

『ごめんな!
すぐ戻るからその辺の漁ってていーよ!
あとサオリちゃん引っ越してくるまでには
この部屋片づけとくからっ!!』

『うん・・・いってらっしゃい!笑』


《サオリ》

・・・あーなんか気ぃ遣わしちゃったなぁ・・・
もう全然気にしてないのにぃ。笑

でもすごい。
こっちの部屋はテレビもデッキもステレオもあって、
一世代前って感じ。
なんかいーなぁこーゆーの・・・

・・・ん?
本棚の一番下は木の扉になってる。
へぇー。
・・・わ。開いた。

『・・・わっ!』
ヤバいここ男のコのナイショの場所だ!笑
DVDが10枚くらい・・・
へぇーカズイくんも見るんだねこーゆーの。
かわいい。笑

パタパタパタ・・・
プルルルルップルルルルッ
(はいもしもし?)

ヤバい戻ってきたっ!
パタンッ

(あーケーイチ?
どした?
あーうん。
あちょっと待ってかけ直すわ。)

ガチャッ

『サオリちゃんゴメン。
新しいメンバーのやつから電話来て。
ちょっと向こうの部屋で話すから
少し待ってて?
その辺のとか観たり聴いたりしてていーよ。』

『うん。ごゆっくり。』

・・・観たりしていいってゆったよね。

えっ何これっ!
ビッグバン・・・ローター・・・?
えめちゃめちゃ女の人おしっこ吹き出してる・・・!

・・・あれ?
もしかしてカズイくん・・・
わたしのおしっこで興奮してた・・・?

やだなにそれ・・・

ゾクゾクゾクッ・・・

・・・ヤバいどーしよ・・・
嬉しいっ・・・!

えぇ・・・これ観たい・・・
・・・小さい音ならバレないよね・・・

ピッ・・・ウィーン・・・
カランッ・・・ウィーン・・・

続く→

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