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【ノンサッチ自警団新聞】ローリー・アンダーソン『AMELIA』
ローリー・アンダーソンの新作『AMELIA』
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はアメリア・イアハートのラスト・フライトを題材に、彼女のフライトログを頼りに物語が綴られていく。
あまりのリアリティに何度も苦しくなりながらも、その世界観にとりつかれて、繰り返し繰り返し聴いてしまう。
飛行機のエンジン音には、ルー・リードのギター・ドローンが、ローリーのヴィオラなどと混ぜて使われていると知ると、また様々なことに思いを馳せながら聴いてしまう。
参加しているミュージシャンも、ローリー様の想いを実現するための最高のメンツがずらり揃った感じ。D.R.デイヴィス編曲によるブルノフィルのオーケストレーションも、yMusicからのトリオ3人の弦楽(編曲はロブ・ムース)も、音楽に映像的な光と影を加えるようでもあり、同じ弦でもオーケストラとトリオとで遠近感を出しているような感じもあるし、本当に素晴らしい演奏だ。ゲスト・ヴォーカル、アノーニ様の歌声はまさに“降臨”という言葉がぴったりだし。
こういう音楽こそが現代の“オペラ”だ…という解釈も、そろそろあってもよいのではないか。とすら思った。
愛しきマーク・リボー先生も大活躍。リボー先生も、思えば“フェイク・ジャズ”なるおかしな呼び名と共に登場して以来のおつきあいである。遥かな旅路だなぁ。
ローリー様といえば今年のグラミー賞ではついに生涯功労賞を受賞されたが、まだまだ“おつかれさま”みたいなポジションは似合わない。
このアルバムはサブスクでなく、物語を読むように歌詞カードを見ながら聴くのがおすすめです。そして、できればアナログで。音もよいけど、Masaki Koike氏が手がけたジャケットがまた素晴らしいんです。見開きを眺めながら聴く36分間は、まさにアメリアとローリーと空を飛んでいるような気持ちになります。物語は、アメリアの消息が途絶える最後の瞬間まで続く。だから、とても不安で悲しくもなるけれど、自分が今、何をしているのか、自分がどこにいるのか、を、しっかりと感じて、自ら操縦桿を握ってまっすぐに進んでいく気持ちを味わう36分間は、自分を取り戻す時間となる(と、少なくとも、私はそう思いました)。
ところで、最近ローリー様の代表的なMVのリマスター版がノンサッチ公式に続々とアップされている。
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