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スラブスーパー
表面を少し焦がして中をしっとりさせた辛子明太子をアツアツご飯に乗せて食べたい…って時々思います。もちろんこちらのスーパーには売っていなくて、市場でも見かけた事がありません。日本人のお友だちRさんに聞いた情報では「ロシアスーパーにある」とのこと。
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ぐぐってみると同じようにたらこを探してロシアスーパーに行った日本人の方のブログも見かけました。
たらこじゃなくて辛子明太子が欲しかったんだけど、まあ味付け次第でどうにかなるかな…と思って最寄りのロシアスーパーに行ってきました。いつものように動画をインスタに投稿してFacebookページでシェアするとなんとお店の方から
こんにちは、当店にお越しいただきありがとうございました。 ロシアの店ではなく、スラブの店です。 私たち、所有者は元々ウクライナ出身です。 日本からたくさんの人が来てくれて、赤と黒のキャビアと、麺やご飯に使うタラの卵を手に入れています。 私たちはあなたとあなたの友人に会えてうれしいです。
というコメントをいただきました。安易に「ロシアスーパー」と言ってしまったことを反省しました。いま特にナーバスなことでもありますしね。
パッケージの言語が全然読めなくて店内を少し探し回りましたが、缶詰ではなくて瓶詰めが冷蔵庫の中にありました。
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量り売りのお菓子を見つけた娘はその売り場に釘付けになっていましたが、わたしは他の食材に興味津々…。しかし、パッケージがほぼ読めず、中身の味を想像することすらできません。かろうじてお酒くらいかな、イメージできたのは。
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ところで、このお店に来て真っ先に気づいたのは「陳列がとてもきれいに整えられていること」。こちらのスーパーはたいてい学生っぽいアルバイトががさつに商品を並べていて、ラベルの向きが整えられていることなんて稀ですが、このお店は大体の商品がこちらを向いています。掃除も行き届いて清潔感があり、明るい店内で買い物もしやすいです。
(トルコ系やアフリカ系の商店はだいたい暗い蛍光灯でレイアウトなんか無視。床面にまで物が置いてあまり清潔とはいえない店もあったりで、正直お店に行く前は、ちょっと怖いイメージもしていました。それはそれで魅力的でもあるんですが)
さて、レジに行くと屈強な体躯とフサフサのあごひげのお兄さんが出迎えてくれました(どうやらオーナーさんのようです)。
お兄さん「(私の胸のアクションカム見つけて)それで街歩きの動画撮りよるん?」
私「うんそうよ」
お兄さん「俺、日本に行って小さな路地とかを歩き回ったんよ」
私「そうなんや、ところでなんで私が日本人て思ったん?」
お兄さん「そういうカメラ付けて、たらこ買うってことはに日本人に違いないと思ったんよ」
みたいなやり取りしました。
ところで「スラブ人」といえば…私のイメージしたスラブ人は「クルド人」みたいな定まった国を持たずに、ソ連解体後の東欧をまたがって住む民族のイメージ。また、30年くらい前に初めてフランスに行ったとき見かけた、郊外でキャンピングカーで暮らすノマドな人々のイメージでした。Wikiによると
スラヴ人(スラヴじん)[注釈 1]は、中欧・東欧に居住し、インド・ヨーロッパ語族スラヴ語派に属する言語を話す諸民族集団である。ひとつの民族を指すのではなく、本来は言語学的な分類に過ぎない。東スラヴ人(ウクライナ人、ベラルーシ人、ロシア人)・西スラヴ人(スロバキア人、チェコ人、ポーランド人)・南スラヴ人(クロアチア人、セルビア人、ブルガリア人など)に分けられる。言語の共通性は見られ、特に西スラヴと東スラヴは時により北スラヴと分類されることがある。
とありました。
お店の方が「ロシアではなくスラブ」だとこだわったのは、今の情勢もあるんでしょう。極東の島国出身の自分にはわかりにくいですが、オランダで暮らす以上、そういう知識も多少持ち合わせなきゃなぁと思いました。