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ダダ・センプチータ創世記の話

こんばんは。

ダダ・センプチータという劇団で脚本を担当しております、吉田有希と申します。

今回はダダ・センプチータの劇団創世記の頃についてお話できればと思います。

ダダ・センプチータの創世記の頃、劇団名はダダ・センプチータではなく、ゆるふ酒でした。

2015年頃の話です。

2019年にゆるふ酒からダダ・センプチータに改名したんですね。

それ以前は福岡で、イズミ支部という団体名で超前衛的な演劇をやってました。

その団体での演劇は、登場人物達が一人語りで街の記憶を語る、というものでした。

うちの両親が見に来てくれたのですが「全く意味がわからない」と不評で、主観的には面白いものを作ったなという感覚だったので、若いながらに「ああ、俺の作るものは万人受けしないものなんだな」と感じたのを覚えています。

その後福岡で一回公演を打った後、大学を卒業して上京してきました。

当時東京に出たてで右も左も分からない状態でしたが、そんな中、中野のひつじ座という劇場で、東京にこにこちゃんという劇団がコント公演をやっていて、それがめちゃくちゃウケていたのを覚えています。

今では押しも押されぬ劇団の東京にこにこちゃんですが、その創世記から公演を目にしていました。

それはそれとして話を自分の方に戻しますが、僕はというと、上京していきなり劇団を旗揚げする気にはなれず、とりあえず演出助手をしてみることにしました。

それで雇ってもらったのが、今はなきttuという演劇カンパニーさんでした。

演出家の山田さんという方が主宰で、古典文学を身体表現豊かに上演する感じが好きで演出助手を応募しました。

山田さんの泉のように出てくる身体表現の演出に出演者の方々が答えていく様を「すげー」と思いながら見ていたのを覚えています。

その時の作品は不条理小説家のフランツカフカの作品をコラージュした作品でした。

僕自身、カフカも不条理的な空気も好きだったので、とても有意義な創作空間にいれたなと記憶しております。

あと単純に横浜公演と福岡公演があり、地方での遠征があったのも楽しかったです。

出演者の方やスタッフの方と長い期間お付き合いできたのは良い思い出として残っております。

その後、まだ劇団を立ち上げるのは早いと感じたので、ミナモザさんという団体さんの演出助手にも応募しました。

今をときめく、劇作家協会会長の瀬戸山さんが主宰する団体さんです。

ただ、瀬戸山さんはとてもお優しい方だったのですが、どうにも稽古場に馴染めず、稽古初日で「公演を降ろさせてください」と降板することになりました。

快くご了承頂けた瀬戸山さんには今でも頭が上がりません。

(実際にその後お会いすることはありませんでしたが)

ただ、昨年僕の書いた戯曲、「たぬき」が劇作家協会新人戯曲賞の一次選考を通りまして、その時の審査員が瀬戸山さんだったのですが、選評で「吉田さんのたぬきという作品の前のめりな不条理性が良かった」みたいなことを書いていただき、とても光栄でした。

演出助手時代は別の名前で応募してたので、僕とわからずにそう書いてくださってたと思うのですが、なんだか嬉しい気持ちでいっぱいになりました。

そんなこんなでそろそろ劇団でも立ち上げようかなーと思い、劇団員募集のフライヤーを撒くことにしました。

それが2015年頃。

当時僕は立川周辺に住んでいたので、立川にあるマンガパークという施設に置きチラシをしたのですが、その時劇団員募集に応募してきてくれたのが、今でも劇団メンバーでいてくれてる中村圭吾さんでした。

中村さんともう脱退してしまった女性の3人で劇団ゆるふ酒を旗揚げすることになりました。

旗揚げ公演は2015年の1月で、明大前駅にあった、今はなきキッドアイラックシアターというフリースペースでの上演でした。

旗揚げ公演は「魂になるらしい」という三人芝居をしまして、お話の方は、死んでしまった彼女に会いにあの世へ旅立つ男の物語という内容でした。

当時から生き死にがテーマの作品を書いていたんですね。

その後、第二回公演で登場人物たちが死んでから生き返るまでのモラトリアム期を会話劇にした「はぁふうぇい」という作品を上演しました。

その時の主演は今をときめくイラストレーターの朝際イコさんです。

なんだか周りの人がすごい人が多いですねー。

はぁふうぇいは大橋さんというカメラマンさんにフライヤー写真を早朝の渋谷で撮影していただき、素敵なフライヤーになったのでそれもいい思い出です。

そんなこんなでぬるぬると演劇活動を続けて今に至ります。

この続きはまた今度。

あ。

そういえば今年の5月にダダ・センプチータで公演をやります。

「踊れない夜の嘘つき」というタイトルのお芝居なのですが、それも素敵な感じの作品になっております。

ゆるシュールコメディな感じでクスッと笑えて見やすい作品になってると思います。

ぜひ見に来てくださいね。

公演詳細は下記の通りです。

宜しくお願いいたします!


ダダ・センプチータ
「踊れない夜の嘘つき」

日時
2024年5月
4日(土)15:00/19:00
5日(日)15:00/19:00
6日(月)13:30/17:00

会場
カフェムリウイ
(世田谷区祖師谷4-1-22-3F)

チケットご予約フォーム
https://www.quartet-online.net/ticket/yiopgqv

作・演出
吉田有希
(ダダ・センプチータ)

出演
サトモリサトル
梁瀬えみ
(演劇ユニット マグネットホテル)
(以上、ダダ・センプチータ)

尾形悟
(演劇ユニット マグネットホテル)
宇都有里紗
大村早紀

制作協力・当日運営
木村優希
(演劇ユニット「クロ・クロ」)

音響・照明
小林和葉


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