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演劇との出会い

こんばんは。
ダダ・センプチータという劇団の吉田有希と申します。
普段は脚本や演出を行っております。
今日は僕が演劇を始めた頃のお話をしたいと思います。

僕が演劇にハマった最初のきっかけは高校生のときでした。
当時高校2年生だった僕はなんとなく面白そうだからという理由で当時部員が3年生の先輩2人しかいない演劇部に入部しました。
長崎の田舎ということもあり、演劇というものを観たことがなかったですし、先輩2人も演劇部なのに演劇をやらずに放課後くっちゃべって帰る、というのを繰り返していただけなので演劇をやったことがなく、しかしせっかく入ったので演劇というものをしてみたくてたまらなくて、しょうがないので顧問の先生から借りた「高校演劇部のための脚本紹介本」みたいなのを読みました。
そしたらそこに松尾スズキさんの「マシーン日記」という脚本が載っており、それは4人芝居なのですが、「これほんとに高校生が演じていいのか?」ってくらいエロくてグロくてナンセンスなあらすじが書かれており、「なんか面白そうじゃん」と思い読みたくなりました。
ただ田舎の本屋には「マシーン日記」は置いておらず、町の小さな本屋さんで問い合わせて購入することにしたのですが、田舎すぎてマシーン日記を郵送で送ってもらうことができず、しょうがないので同じ松尾スズキさんの別の脚本、「ファンキー!」を問い合わせて本屋さんに送ってもらうことにしました。

待つこと一週間。
やっと届いた「ファンキー!」を読んだら体に電気が走りました。
とにかく面白い!
ナンセンスでサブカルチックな笑いが速射砲のように連射されており、あらすじもアニミズム的で魂どうのこうのな話をしており、世の中のタブーに切り込んだ内容で、とにかく見世物小屋というか、見てはいけないものを見てしまったような感覚になり震えたのでした。
そこから松尾スズキさんの脚本を読み漁りました。
「エロスの果て」「マシーン日記」「ドライブインカルフォルニア」「ふくすけ」。。。
どれもエロくてグロくてナンセンスでめっちゃ面白かった。
この世にこんな面白いものがあるのかと衝撃を受けた作品群でした。

しかも当時僕は高校に通いながらも一人も友達がおらず、松尾スズキさんの脚本の存在は当時の僕にとって、いてもいい空間というか、心の拠り所のようになっていました。

それで安直だった僕は「俺も松尾スズキになりたい!」とクラスの端っこにいる一言二言だけしか話したことのないクラスメイトを誘い、演劇をやることになるのでした。

当時のメンバーは僕も含めて4人。

僕が脚本と演出と出演を担当し、他のお三方にも出演してもらってました。

今思えばそれが人生初めての劇団作りだったのかもしれません。

当時の長崎の地区大会で「街が笑うとき」という4人芝居を上演しました。

内容は、とある老指揮者が少年合唱団の指揮をしていると記憶が蘇り、自分の息子が臓器売買をして亡くなってしまうことを思い出し、苦しみの中ラストクラシック音楽を大音量でしかしながら幕!みたいなお話でした。

今思い返すと訳わかんない話ですね。

一応バックエンド方式にはなってますが。

そんな脚本を書きまして、地区大会で脚本賞を頂きました。

結構病んだ内容でしたが。

恐らく友達のいなさ加減が影響したのでしょう。

ただ審査員の方が今でも長崎で演劇をしてらっしゃるF's Companyの福田修志さんでして講評の時に「松尾スズキさんが好きなのかな?」と言われた時にはドキリとしました。

というか、「長崎に松尾スズキ知ってる人いるんだー!」っていうので嬉しくなったのと「松尾スズキ好きってバレるんだー!」っていうので驚いたので感情グチャグチャになったのを覚えています。

そこから色々ありまして今に至っております。

来週はその辺りの色々なお話ができればと思っております。

そんなこんなで松尾スズキに憧れた少年が社会にもまれまだ演劇を続けております。

今年の5月に祖師ヶ谷大蔵で演劇をやります。

松尾スズキさんの影響も少しは反映されている内容かと思いますので見に来て頂けますと幸いです。

宜しくお願い致します。

ダダ・センプチータ
「踊れない夜の嘘つき」

日時
2024年5月
4日(土)15:00/19:00
5日(日)15:00/19:00
6日(月)13:30/17:00

会場
カフェムリウイ
(世田谷区祖師谷4-1-22-3F)

チケットご予約フォーム
https://www.quartet-online.net/ticket/yiopgqv
※役者個別の窓口はございません

作・演出
吉田有希
(ダダ・センプチータ)

出演
サトモリサトル
梁瀬えみ
(演劇ユニット マグネットホテル)
(以上、ダダ・センプチータ)

尾形悟
(演劇ユニット マグネットホテル)
宇都有里紗
大村早紀

制作協力・当日運営
木村優希
(演劇ユニット「クロ・クロ」)

音響・照明
小林和葉


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