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抗がん剤は死の薬なのか?(前半戦の実体験まとめ)

四半期決算の如く
抗がん剤治療が1/4終わったので
ここまでの副作用だったり、実際どんな物なのか
振り返りの意味を込めて書いてみます。

結論から言うと、抗がん剤で生活が狂う
なんてことは全くないし
治療で苦しむなんて、妄想でしかないです。

僕自身も割と健常者やってます。

それなのに、よく「抗がん剤で寿命が縮んだ」なんて
アンチ抗がん剤一派の話も耳にしますが、
ちゃんと自分の情報をリアルに書くので判断材料にしてください。
論理的な話はここが参考になります。
以前、紹介した書籍の執筆者が書いている記事です。

※なお、大して勉強しているわけでも無いのですが
 どうしても代わりの言葉が無いので
 医療用語が並んでしまって鼻に付くかも知れません。

⬛︎治療の全体像

僕の治療方針はJCOG2006という
臨床試験の位置付けにある治療方法で闘病中。

この、JCOGというのは日本臨床腫瘍研究グループの略で
いわば、がん治療のためのアベンジャーズであり
新しい治療方法の研究とか開発している
エリートofエリートな人達と解釈してます。
そのエリートが考えた臨床試験で治療中という事になります。

本来であれば最初に手術を行なって
腫瘍を切り出してから抗がん剤治療を12クール行うのが
標準的な治療なのですが、
僕のように、進行度合いが高い場合や、腫瘍が大きい場合
12クールのうち、前半戦6クールと後半戦6クールを
分けて、以下のような治療を行うとの事。
(そもそも局所高度進行結腸癌とか名前ついてるのは気になりますが。)

・前半6クール抗がん剤(mFOLFOX6かFOLFOXIRI)
・手術(腫瘍とリンパ節をぶった斬る)
・後半6クール抗がん剤(mFOLFOX6)

コースイメージ

メリットとしては、先に抗がん剤でガン細胞を叩けるので
腫瘍が小さくなって手術しやすくなったり
転移する前に、血液に乗ってしまっているかも知れない
ガン細胞を先に潰せる効果が期待できる事。

逆にデメリットもあり
抗がん剤が効かない場合は
ただ単に治療を遅らせる事になりかねない。
さらに、腫瘍が自分の体の中に居る事実を把握しながら、
すぐに手術で取り出せない
という、
もどかしさがフラストレーションに感じる事も多々あります。
あと、腫瘍から出血し続けているので
貧血の症状が続く(立ちくらみとか)

爆弾と分かっておきながらも、
文字通り自分の体内に腹抱えしてるので
なかなかに痺れる状態です。

それでも、今までと同じ事をやって
治療効果が頭打ちでしか期待できないのであれば
チャレンジしても良いと思ったので
先生の判断に従い、この治療方針で同意しました。

⬛︎抗がん剤治療=カクテルみたいなもの

抗がん剤と言われても
1種類だけだと思っていたのですが
そもそもガンの種別ごとに分かれてました。

さらに、なんちゃら治療法の中で使う薬は
複数ありその組み合わせで
投入していくので、一口に抗がん剤と言っても
薬の種類としてはかなり細分化されます。

例えば、先述したmFOLFOX6療法の場合
・オキサリプラチン
・レボホリナート
・フルオロウラシル
という3種類の薬を組み合わせて投与してます。

この辺から偏差値低い系男子の僕では
理解が追いつかないので、お酒に例えると
このお薬3種類はいわゆる、リキュール。
これらを組み合わせてできるmFOLFOX6が
カクテルみたいな物と理解すると
すんなり頭に入ってきます。
(お酒強く無いんですが、、、)

カクテルなので物によってキツイ、弱いが分かれてきます。
そのため、副作用も何が強く出るかは
治療法や体質によって異なります。
ちなみにmFOLFOX6は副作用は軽い方らいしです。

肝心の副作用は以下の通り
・末梢神経症状
 冷たいものに触れたり飲食することで
 手足や口の周囲のしびれや痛みを感じたりします。

・骨髄抑制(白血球減少、血小板減少)
 感染症になりやすくなったり、血が止まらなくなったり
 します。

・吐き気・嘔吐
 イメージしやすいやつ。
 食事も億劫になります。

・下痢・便秘
 快便はしばらくお預けになり、便通が悪くなります。

・口内炎
 いっぺんに、沢山できます。

・味覚異常
 吐き気と相まって、特定のものが食べられなくなります。

・皮膚および爪の異常
 皮膚が黒ずんだり、爪が黒ずんだりします。
 日焼け止め等である程度カバーはできます。

・手足症候群
 手のひらや足の底の皮膚が赤くなったり、
 ヒリヒリ・チクチクした感じ、知覚過敏、
 ほてりや腫れが出てきます。

・脱毛
 ザ・副作用という感じの分かりやすいヤツ。

⬛︎実体験ベースの副作用

今の所、副作用は以下のサイクルで出てきました。
回数重ねるごとに、強くなります。

①抗がん剤投与開始時
 薬をぶちこんでいる時は意外と何もない。
 当日から少し違和感が出てくる。
 ↓
②吐き気と味覚異常(投与中+1週間ぐらい)
 家に帰ってから気持ち悪くなります。
 あと、全て物の味が変化します。
 僕の場合、米とニンジンが信じられないぐらいに不味くなり
 1週間ぐらいは麺類でやり過ごしてます。
 吐き気については、吐くまで行かないけど
 二日酔いみたいな気持ち悪さが続きます。
 便器抱える感じではないですが
 回数重ねるごとに、これは強くなっている印象。
いつもと違う。という感覚です。
 ↓
③末梢神経障害(投与してから1週間ちょい)
 冷たいものに触れた瞬間、手足がビリビリ
 お口の中もビリビリするので
 冷たいものには触れられません。
 手洗いも絶対にお湯、ドアノブ(金属)もなるべく早く触らない
 夜風でビリビリと、1番厄介な副作用です。
 サーフィンは絶対にできないです。
 ↓
④便秘・下痢(投与してから3日間ぐらい)
 最初は便秘になります。ただし、僕の場合
 腫瘍が大きく、腫瘍で便が詰まる腸閉塞を起こして
 文字通り死にかけたので
 強制的に下剤で下痢状態にしてます。
 (大腸が張り裂ける手前でした。)
 ↓
⑤口内炎(投与終わりから1週間後)
 時差式で、④までの副作用が終わりかけると
 口内炎ができ始めます。
 普段、口内炎が痛いと感じることは全くないので
 全然平気ですが、口の中に一気に出てきます。
 耐えられない人はしんどいかも。
 ↓
⑥骨髄抑制?出血多量モード(投与終わりから1週間後)
 実際に血液の状態はわからないけど、とにかく鼻血が出ます。
 何もしてないし、エロいこと考えている訳でもないのですが
 左右の鼻から交互に出ては止まってを繰り返します。
 この時期はティッシュがお友達になります。
 ↓
⑥脱毛(投与終わりから2週間後)
 ちょうど、次の抗がん剤投与が始まるタイミング
 ぐらいで髪の毛が抜け始めます。
 特に洗髪時にはっきりと抜け落ちる。
 もちろん、抜けない方がいいのですが
 ショックというよりは、「これかー!!」っと
 想像していたことが実現するので
 妙に納得できます。
 ↓
次の抗がん剤治療へ

■副作用との付き合い方

上記を観て貰えば、なんとなくお分かりになるかと思いますが
言うほど辛くないです。
大体の副作用は1週間以内には治ります。
もちろん、楽勝ではないのですが、
今のところは耐えられえるレベルです。
仕事も普通にしてます。

・水曜日:投薬開始 〜 金曜日:投薬完了
この期間はテレワークしてます。
食事は麺中心に食べられるもの食べてます。
ヨーグルトとグラノーラは神。
変な点滴がぶら下がっているのでお風呂と寝る時は
少し気を使いますが、それ以外は日常です。

鎖骨の下に作ったポートと繋げて、丸二日間かけて投薬

・土日(投薬完了直後)
点滴が外せるので
犬連れてお散歩なり、食べられるものを外で食べに行ったり
サーフィンは手足のしびれでできませんが、割と健常者やってます。
ちなみに外す時は自分で針を抜きます。これが結構怖い。

・月曜日〜金曜日(1週目)
特に骨髄抑制の影響による感染症対策だけ気を遣えば
出社も会食もしてます。
ただし、ヘルプマークをぶら下げても
東京は席は譲ってもらえないので注意。
大体、水曜日ぐらいには副作用が治り、通常モードに戻ってます。

・土日+月曜日+火曜日(次クール開始直前)
本調子に戻っているので
このタイミングでめちゃくちゃ遊びます。

・水曜日:次クール開始

■うまく受け入れちゃえば健常者

病は気からじゃないですが、思ったよりも健常者ができます。 
というか、周囲に言わなければ、ほぼ健常者です。
髪の毛の見た目はどうしようもないですが
しばらくはバレない程度で済みます。
(ハゲ写真日記つけてますが、ちょっと薄くなってきたなという感じです。)

抗がん剤はドラマとか、映画みたいに
生活が狂うような薬ではないです。

だからこそ、お医者様から提案されたら
素直に化学療法を受け入れて欲しいなと個人的には思います。
抗がん剤でどのぐらい、助かる確率が上がるのか
そもそも意味がないのか、これは誰にもわかりません。

ただし、この治療を乗り切ったと自信には繋がります。

今やれるベストを尽くしたと
気持ち的にも、楽になれるし
絶対に自分のためにはなっていると実感してます。

だからこそ、恐れずに治療に臨んでいいものだ、と言うことは
はっきり言い切れるので、もしも抗がん剤と向き合うときが来たら
少し軽い気持ちで受け止めてください。
もちろん、できれば参考にしないで頂くのが一番なので
抗がん剤をしなくてもいいステージで止まるよう
ぜひ、検診を受けてください!!

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