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購った本のことしか話したくない(日記の練習)

2023年7月23日(日)の練習

 秋葉原のブックオフに行く。ひさしぶりに収穫が多い。
 いちばん嬉しかったのは『青山二郎全文集(下)』(ちくま学芸文庫)。昨年、秋葉原のブックオフで上巻だけ購入して以来、一年半かけてようやく下巻の単品に巡り会えた。それが同じ店というのは縁を感じる。そもそも昨年の冬の日、先に新宿で下巻を見つけたのがよくなかった。数日後に秋葉原で上巻を見つけて、これで上下巻が揃うと踏んで上巻を購入して新宿に行ったら、既に下巻はなくなっていたのだった。下巻自体はその後も古書店で何度も見かけたが、大抵上下巻揃いの販売で、それを購入してしまうと上巻だけが二冊になってしまう。下巻だけ買うひとなんているはずがないと高を括ったのも失敗だった。なにしろ、こうして下巻だけを一年半も探していた人間がいるのだから。

 山崎聡子の第一歌集『手のひらの花火』(短歌研究社)も、しばらく探していたので嬉しい。第二歌集『青い舌』(書肆侃侃房)の刊行と同書の第三回塚本邦雄賞受賞で、近年になって入手難度もあがったような実感がある。栞に寄せられた穂村弘の文章だけ先に読む。
『手のひらの花火』も、それこそ書肆侃侃房〈現代短歌クラシックス〉で再刊されてもおかしくないと思うのは、素人の考えだろうか。〈現代短歌クラシックス〉には、ほかにも再刊してほしい(再刊するべき)第一歌集がたくさんあるだろうから、楽しみに待ちたい。

 宇佐見英治の著書は、古書店で見かけたら能う限り購入するよう心掛けていて『縄文の幻想』はこれで二冊目になる。いつか宇佐見英治に興味を持つひとが現れた時に何でも薦められるようにと思ってのことだが、残念ながら今のところその機会には巡り会えてはいない。

 宇月原晴明『かがやく月の宮』(新潮社)、山崎聡子『手のひらの花火』(短歌研究社)、青山二郎『青山二郎全文集(下)』(ちくま学芸文庫) 、宇佐見英治『縄文の幻想』(平凡社ライブララリー)、出久根達郎『たとえばの楽しみ』(講談社文庫)を購う。

 ブックオフに限らず古書店でも、棚を見ていて出久根達郎の著書が一冊でもあると安心する。ひとまずこれを買えばいいし、帰りにちょっと読むのにもちょうどいい。新刊で買えればよかったのだが、私が出久根達郎と出会った頃には既に、悲しいことに大半が品切だった。出久根達郎の著書に古書として出会いなおすのも、それはそれで悪くないとも思う。

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