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死ぬ前までに食べたい100の美菓 ゆずと菓子
冬の到来とともに、ゆずを使った和菓子が恋しくなる。筆者も、今はゆずのヒット曲「栄光の架橋」を聴きながら、ゆずの菓子に手を伸ばす。
さて、全国各地に「ゆべし」という菓子があるが、元々ゆべしは柚子の実を使った菓子である。しかし、形状や味、製法などはそれぞれ異なり、その土地ならではの様々なゆべしが存在している。
筆者が住む東北地方で「ゆべし」というと、ゆずはあまり使われず、くるみを入れた四角い餅菓子のことを◯◯ゆべしと地名を冠にして売られている。
ゆべしは漢字で書くと、柚餅子で、その由来は、源平時代の平安末期から鎌倉幕府成立まで遡ることが出来る、保存食とされている。
昔から、戦では武器だけでなく食料(兵糧)も重要視され、戦場で簡単・迅速に食べられる携帯食は武士達の必需品で、当地の笹巻きや鹿児島のあくまきなども兵糧に使われていた。
ゆべしの原料となるゆずが豊作になると、無駄にしないために蒸して干したり漬物にしたりと、保存食としての加工が施されていた。
戦が無くなった江戸時代以降は、茶道や食文化の発達から、徐々に携帯食から和菓子へ変化し、蒸し菓子にしたり餅菓子にしたり、素材や製法のバリエーションも劇的にふえていったという。
最近は温暖化の影響で、東北地方でも柑橘類の栽培が出来るようになり、いずれは胡桃ゆべしから、地元産の柚子を使ったゆべしが出回るようになるだろう。
♪いくつもの日々を越えて 辿り着いた今がある だからもう迷わずに進めばいい〜
栄光の架橋へと…(ゆずの名曲、(栄光の架橋)より
筆者はゆずの歌を聴いて、今日もゆべしを食べる。
写真は、愛媛県西条市西田甲538-2に本社がある、株式会社星加のゆべしの銘菓「まるゆべし」より
https://hoshikanoyubeshi.jp/