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死ぬ前までに食べたい100の美菓 焼酎菓子と甘氷

残念ながら店を閉じてしまったが、鶴岡市の銀座通りにあった「新月」さんの名物菓子に、「焼酎菓子」と「甘氷」がある。

ひょうたん形に作られる干菓子の「焼酎菓子」は、焼酎と砂糖を絶妙な濃度で混ぜ長い時間をかけ乾燥させたウイスキーボンボンの様な一品。製法は企業秘密だと言いながら、一度見せてもらったことがある。砂糖の地に、熱した鉄の型でひょうたんの形をした穴を空け、そこに砂糖と焼酎を混ぜた液を注ぐと、あーら不思議、型が冷めてくると、外側の砂糖が固まり、中に焼酎シロップだけが残る。

時々、食紅や山葡萄エキス、色素などで色を着けた焼酎ボンボンも出来る。

一方、甘氷は正しくは「かんこおり」と読む菓子で、やはり砂糖を煮詰めてようかん状に固めたお菓子で、ハッカやレモンなどで味を着け、焼酎菓子同様に色を着ける。強い甘味の中に、レモンやハッカのスーッとした清涼感がある菓子だ。

焼酎菓子や甘氷は、岩手の盛岡や青森の八戸などにも名物駄菓子として残っている。また、製法は違うが、芋焼酎の本場九州には、焼酎餅などがある。

盛岡駄菓子にしろ、鶴岡の新月さんにしろ、寒い地域の保存食として作られていた駄菓子は、清涼感はあるものの、焼酎のアルコールで身体がポカポカと温まるから、今の季節に似合う駄菓子だった。

写真は、鶴岡新月さんの焼酎菓子と甘氷。

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