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死ぬ前までに食べたい100の美菓 名前に月が付く美菓 



名前に月が付くお菓子は多い。仙台の萩の月をはじめ、那須の月、鎌倉半月、月うさぎ、おぼろ月、など。

山梨には郷土料理となっている「月の雫」がある。山梨県のぶどうを代表する品種「甲州ぶどう」の粒に、砂糖を練り上げた白い蜜を一つずつかけてコーティングした手間暇をかけた郷土菓子だ。

固まった蜜が、ほろっとほぐれる食感と、甲州ぶどうのみずみずしい甘酸っぱさが絶妙の組み合わせになっている。鶴岡の名物、焼酎菓子と似ている。

この菓子の由来は、江戸時代、甲府にあった和菓子店で砂糖を煮詰めていたところ、近くにあったぶどうが一粒落ち、それが冷えて固まりできあがったともいわれている。

その後、甲府の数軒の菓子店で「月の雫」として売り出したそうだ。

新鮮な甲州ぶどうのみを使うため、毎年今ごろから12月、製造元によっては翌年3月あたりまでの期間限定となっている。

昔、山梨の石和温泉へのツアーの添乗で初めて山梨に行った時、山梨県内の何処のお土産屋に寄っても売られているのが、月の雫と信玄餅だった。

甲州ぶどうといえば、鶴岡櫛引の西荒屋に初めて植えられたのが甲州ぶどうだ。庄内藩の江戸屋敷に勤めていた武士がお土産にぶどうの苗を鶴岡に持ち帰り、家中新町あたりのお屋敷にぶどうを植えようとした時、藩の上役から、「ぶどうを植えるのは縁起が悪い」と反対された。「どうしてですか?」と、たずねると、「ぶどうの実は下に垂れ下がる。武道も垂れ下がってはいけない」と、落語のオチみたいなことを言われ、仕方なく、櫛引の親戚からその苗を引き取ってもらったという。

鶴岡櫛引の月の雫、誰か作ってくれないかな?

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