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死ぬ前までに食べたい100の美菓 信濃の雲平菓子

雲平はその名の通り、雲のように形や大きさが定まらないお菓子で、砂糖にみじん粉を混ぜ、ヤマイモをすり下ろして、粘土のようにこねて形を整えられる。造形の自由度が高く、作り手の発想そのままの形に仕上がるお菓子だ。

長野県諏訪地方に春を呼ぶお菓子だが、同じ雪国の秋田や青森にもある。

和菓子辞典によれば、雲平(うんぺい)は砂糖に寒梅粉を加えて形作ったものとある。

寒梅粉ってさらに調べてみると、寒中に寒梅の花が咲く寒い時期に糯米の新米を粉にしたところから寒梅粉と名付けられたとある。搗いたもちを焦がさないように白く焼き上げたものを粉末にした風味豊かな最高級の菓子原料に仕上げていると。

雲平は江戸中期から幕末にかけて大名諸侯への献上品として開発された伝統和菓子で、雲のように形や大きさが定まらない平たいお菓子として、雲平と名付けられたという由来もある。

あの猿岩石が歌った、「白い雲のように」みたいな菓子だ。有吉さん、ごめん、猿岩石を思い出してしまった。

とにかく雲平は色彩も自由自在に作ることが出来たため、お菓子の域を超え、飾り物にも使われたようだ。

乾けばしっかり固まるので、形が崩れる心配もなく、また伊達巻のような、渦を巻いている雲平もある。

幕末になり日本が開港すると、外国から安価で良質な精糖が入手できるようになり、多くの職人がこぞって雲平をつくるようになったともされる。

写真は諏訪の中央食品工業の雲平。

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