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死ぬ前までに食べたい100の美菓 鶴岡のお雛菓子



和食がユネスコ無形文化遺産に登録され、世界中から注目されているのだから、和菓子だって、有形無形の文化遺産として登録すべきだと思う。

マイフレの鶴岡木村屋の吉野君ちの雛菓子をシェアさせていただくが、練り切りに寒天をかけて光沢を出した技は、鶴岡のお雛菓子独特の技で本当に見事だ。そろそろ準備に入るのだろうか。

この技を編み出したのは、昭和40年代の後半で、吉野君のおじいさんの代だというが、それまで城下町鶴岡に伝わっていた雛菓子の製法に、新しい技を加えたという発想が素晴らしい。まさに持続的発展を可能にしたのが鶴岡のお雛菓子だと思う。

以前、著作した「美菓の古道」では、鶴岡の美しい菓子、美味しい菓子の歴史や由来について触れているが、その象徴が鶴岡のお雛菓子だと思う。

北前船によって庄内にもたらされた京菓子の技法に、庄内の和菓子職人が創意工夫して、新しいものを作り出してきた歴史が素晴らしい。
それを私は、美菓の古道と呼びたい。

鶴岡のお雛菓子でもう一話。

城下町鶴岡では、武家にお抱えの菓子司がいて、桃の節句が近づく頃に、手彫りの菓子盆を菓子司に預け、それにお雛菓子を盛り付け、納めさせ、雛壇に飾るという。その木工の技もまた、大切な文化遺産となる。

春は桜とともに、美菓の文化も花開く。

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