死ぬ前までに食べたい100の美菓神撰 「ぶと饅頭」
NHK大河ドラマの「光る君へ」に出てきたかは不明だが、奈良の春日大社の神饌に「(ブト)」というお菓子がある。米粉でギョーザのような形を作り、胡麻油で揚げたものだ。
正しくは「ぶと饅頭」と呼ぶらしいが、米粉で作った餡ドーナツのようなものらしい。実は筆者もまだ食べたことはない。
現在もなお神饌として供えられ菓子だが、平安時代の書物には、製法について、「油で煮た餅なり」とあるらしい。そうなると、だいたいは想像がつく。
実は、神無月にあたり、「神様にお供えする菓子」と検索してみたら出てきた。基本的には唐菓子に属するもののようだが、専門家によれば、現在「ぶと」を神饌として用いている神社には、春日大社(奈良県、・菊・柏)、賀茂御祖神社・賀茂別雷神社(京都府、)、北野神社(京都府、彩色)、静原神社(京都府、)、黄和田日枝神社(滋賀県、)、住吉大社(大阪府、)、弥彦神社(新潟県、伏兎)など数多くあるという。
さらに、「ぶと」というお菓子がなぜ現代にまで残ったのかについて、専門家の想像では、奈良、平安時代と続き、鎌倉時代にはお供え物のほか、武士のシンボルである「かぶと」のような形状から、武士にとっては、戦勝を誓うありがたい縁起物として珍重されたのではないかという。
いやぁ、お菓子の歴史を知ると、本当に一度は食べたくなると、筆者はぶとそう思った。
こちらでは、神撰の菓子となると、神社の紋を模った砂糖菓子や小豆菓子が多い。出雲に出張している神様たちは、お土産に何の菓子を持ってくるのか、早くお帰り。
写真は、日清オイリオのホームページより、奈良の春日神社の神撰「ぶと饅頭」