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演奏家に伝えたい!「なんでもできる」は「なんにもできない」
これまで、演奏家さん200人以上と面談をしてきたのですが、そのなかで「どんなシーンでの演奏が得意ですか?」という質問をしています。
しかし、ここで詰まる方ってけっこう多いんですよね。
どんな回答をすればどう思われるのか?と悩まれているのかと思うので、質問する側としてどんな回答だとこう考えるよーというのを共有できればと思います。
前提として、「こういうシーンの質問なんだ」っていうのはこちらのHPをご覧ください。
出張演奏をする演奏家と依頼者とのマッチングをやっています。
このサービスに登録いただくにあたっての面談というシーンでのお話です。
ズバリ、対象者、規模感、コンテンツなどをできるだけ具体的に教えて欲しいです!
おそらくですが、演奏家さんの頭の中ではこんな会話が行われてるんじゃないでしょうか。
「具体的に答えちゃうと、他のシーンでは依頼されないんじゃない?」
「『どんなシーンでもできます!』って答えた方が、色々なお仕事の打診が来るかも?」
どうでしょう。
実はこれ、全く逆のことを僕は考えています。
「どこか得意なシーンが具体的に見えれば、他のシーンでも似た形でお願いできるかもしれない」
「どんなことをやりたい人なのか教えてくれれば、その人に合わせたシーンでお願いしたい」
なので、「なんでもできます!」と言われるよりも、具体的なシーンを挙げていただいた方がすごく嬉しいです。
具体的なシーンがあるからこそ、どんな音楽会を届けてくれるのかをイメージできるんですよね。
たとえば、
「子供たち向けの音楽会では、〜や〜をして楽しめます!」
「高齢者施設向けの音楽会が得意で、〜や〜をするといつもウケるんですよねー」
「事務をしていた経験があるので、固い場でもコミュニケーションとかもできます」
などといってもらえると、近い案件があった時に声をかけやすいなあと思います。
スタートアップ界隈にある「なんでもできるはなんにもできない」
もちろんこれって、僕の聞き方、問いの引き出し方が甘いということもあると思うのですが(コミュ障ですみません…)、他のシーンでもよく言われていることだと思うんです。
例えば、スタートアップのピッチ(ざっくり説明すると、出資者への自社サービスの売り込みプレゼン)でよく言われることとして、「なんでもできるはなんにもできない」という言葉があります。
例えば、世界中の誰もにとってベストなTシャツを売ります!って人がいたとして。
その人が売るのはどんなTシャツでしょう?
もちろん人や地域によって、サイズや半袖、長袖、生地の厚みなどベストなものは変わってきますよね。
きっと日本の夏では、「バランスのとれた万能Tシャツ」よりも「生地が薄くて、涼しいけど透けないTシャツ」とか、「汗をかいても色が変わらないTシャツ」とかの方が欲しい人が多いと思います。
そんな感じで、「なんでもできます!」というのは各シーンに寄り添ったサービスにそれぞれ負けてしまうんですよね。
これはどんなサービスや職業にも言えると思います。
自分だけの「尖った」ところを見つけよう。なければ無理やり名乗ろう。
ここまで読んで、「じゃあ、自分の『色』ってなんだろう?」と当てはめたとき、悩む人ってすごく多いと思うんです。
演奏家として活動する中で、こんなことで悩む経験なんてほぼほぼなかっただろうというのはよくわかります。
でも、あえて「無理やり名乗ってしまう」ことをオススメします。
例えば「保育園でのパフォーマンスが得意です!」でも、「お客様のニーズを聞き出すのが得意です!」でも、粒度や視点はなんでもいいと思います。
とにかく、一度名乗ってみる。
すごく勇気がいることだと思います。
でも、名乗り始めることで「この粒度だとまだ『あなたにお願いしたい』と言われたことないなあ」とか、「保育園でのパフォーマンスって具体的にどんなのがいいんだろう」とか、色々考え始めると思うんですよね。
その考え始めることが、きっと糧になるんだろうし、最終的にはあなたの『色』を生み出してくれるんじゃないでしょうか。
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