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AIによる偽書籍!吉本ばなな氏の名を騙ったKindle出版事件に見る危機
おはようございます!ニュース連動型おじさんだっくでございます。
今日は2月27日、国際ホッキョクグマの日。ホッキョクグマ(Polar bear)の絶滅の危機や彼らが直面している現状をより多くの人に知ってもらうことが目的でアメリカとカナダに本部を置く動物保護団体「Polar Bears International」が制定しました。
地球温暖化のため北極圏の海氷は年々小さくなり、そこに暮らしているホッキョクグマも棲み家や餌を失いつつあります。
でも、トランプは地球温暖化とかフェイクニュースだってやってるし、温暖化ガス削減に向けた動きが停滞気味です。
さて、今日は有名作家の著作を騙ってこっそり生成AIで作成したものを売っていた馬鹿たれの話をします。
見つかっていないだけで結構いそうですし、Kindle出版の緩さは異常だと思っていたので良い機会です。
では、参りましょう。
著名作家の名を騙る偽書籍、Amazonで販売される
2025年2月26日、大問題が発覚しました。
人気作家の吉本ばなな氏の名を騙った電子書籍が、世界最大のオンライン書店Amazonで販売されていたのです。
吉本氏本人が自身の作品ではないと訴え、その後削除されるという事態に発展しました。
この事件は、デジタル時代における出版業界の新たな課題を浮き彫りにしました。
Amazonの電子書籍サービス「Kindle」では、吉本ばなな氏だけでなく、小川洋子氏の名前を使用した偽の作品も確認されています。
両作家とも、NHKの取材に対してこれらの作品は自身が執筆したものではないと明言しています。
専門家は、これらの偽書籍が生成AIを使って作成された可能性を指摘しています。表紙の画像や文章の特徴から、AIの痕跡が見られるというのです。
この事態は、生成AI技術の進化が出版業界にもたらす光と影を如実に示しています。
生成AIがもたらす出版革命と倫理的課題
生成AIの発展は、出版業界に革命をもたらす可能性を秘めています。
しかし、今回の事件は、その技術が悪用される危険性も同時に示しました。
AIによって生成されたコンテンツが、著名な作家の名を騙って販売されるという事態は、読者の信頼を裏切るだけでなく、作家の権利を侵害する深刻な問題です。
著作権法の観点からも、AIが生成したコンテンツの扱いは複雑な問題を提起します。AIが学習データとして既存の著作物を使用する場合、著作権侵害の可能性が生じます。
また、AIが生成したコンテンツと既存の著作物が類似している場合、依拠性の判断が困難になるという課題もあります。
吉本ばなな氏は、この事件について「二次創作は自由であるべきなので黙認していますが、アマゾンのおすすめや著者ページに出ているとなると問題だ」と述べています。
この発言は、創作の自由と著作権保護のバランスをどう取るべきかという、デジタル時代の難しい課題を示唆しています。
Kindle出版の品質管理と読者の責任
今回の事件は、Kindle出版の品質管理の重要性を改めて浮き彫りにしました。
Kindleは個人でも容易に出版できるプラットフォームですが、それゆえに質の低い書籍や違法なコンテンツが混入するリスクも高くなります。
Amazonが説明するKindle出版の品質管理
一応Amazon側の言い分をそのまま書いてみましょう。
Kindle出版の品質管理は、Amazonと出版者の協力によって行われています。Amazonは厳格なガイドラインに基づいて、誤字脱字やメタデータの正確性、表紙の品質などを確認します。
問題が見つかった場合、修正を依頼したり販売を停止することもあります。
出版者側も、Kindle Previewerを使用して表示を確認し、丁寧な校正と編集を行う必要があります。他者からのフィードバックを得ることも重要です。
改訂版の管理も行われ、読者に最新の高品質なコンテンツを提供します。
このように、Kindle出版の品質管理は継続的なプロセスであり、Amazonと出版者が協力して高品質な電子書籍を提供することが求められています。
読者側も情報リテラシーを高め、購入前に確認することが重要です。
外部の編集者がいないKindle出版に内容の担保や倫理観の維持は不可能
通常の出版であれば、著者と出版者(編集者)は別です。著者がどういうものを出版しようとしても、編集者がその内容を見て商流に乗せるだけの品質を持っているかどうかを校閲します。
ぶっちゃけ、編集者がいないKindle出版に品質管理などというものは存在しません。やりたい放題の低品質天国です。
とにかく書きたいものを書き殴って、便所の落書き未満のものでも恥ずかしげも無く値札を貼って陳列可能な倫理観欠如したマーケットがKindle出版です。
恐ろしいことに一般の編集者付きのきちんとした書籍と並んで、そんな汚物が「書籍でござい」と載るのですからこんな異常なことはありません。
上記の最後に強調しましたが「読者側も情報リテラシー?」そんなものは騙されるためにあるようなものです。
表紙の見栄えやなんとかジャンル第一位みたいな売り文句(嘘ではありませんが総合順位以外のマイナーなものはどんなうんこでも取れます)にチョロく騙されます。
そもそもそういう仕組みを分かった上で出版する連中に倫理観など備わっているわけもありません。
あるべきKindle出版の品質管理
Amazonには、出版物の品質を確保し、著作権侵害や偽書籍を防ぐための厳格な審査システムの構築が求められます。
国立情報学研究所の越前功教授は、「コンテンツを配信する上で、誰が出しているのか最低限の確認はあった方が良い」と指摘しています。
一方で、読者側にも注意が必要です。吉本ばなな氏は「電子書籍を読む人たちには、版元や著者のSNSを確認しましょう」と呼びかけています。
信頼できる出版社や作家の公式情報を確認することが、偽書籍の被害を防ぐ一つの方法となるでしょう。
とはいえですね。世の中自分が信じたいもの「のみ」が真実であるという非常に怠慢で傲慢な人達が多いので、このような忠告がどれくらい心に響くのかは疑問です。
偽物を掴まされても気付かなかったり、気付いても「これは吉本ばななのテイストがあるから大丈夫」などと訳の分からない誤魔化し方をして消費活動を続けそうな気がします。
個人的にはAmazonは一回Kindle出版で出版社を通していないようなものは一掃するくらいの荒療治を強く推奨します。
8割方から9割方は世の中に存在していてはならないようなゴミです。
個人なら0円で出来ちゃうKindle出版
Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)を利用すれば、個人で誰でも無料でKindle出版が可能です。
まず、AmazonアカウントでKDPにログインし、アカウントがない場合は作成します。
次に、出版する内容を準備します。原稿はWordやePub形式で保存し、表紙はCanvaなどの無料ツールを使って作成できます。
表紙のサイズは、Amazonのガイドラインに従って調整する必要があります。
KDPにログイン後、原稿と表紙をアップロードし、書籍の詳細情報を入力します。
価格設定も行いますが、無料キャンペーンを利用する場合でも必要です。
無料キャンペーンは、KDPセレクトに登録することで利用可能です。KDPセレクトに登録すると、最大5日間まで本を無料で提供できるようになります。
このキャンペーン期間中、購入者に無料でダウンロードしてもらうことが可能です。
今回の場合は有償でやろうとしていた悪質なものです。
本来は資本がない個人がAmazonに場所だけ借りてKindle出版できる良い機能も悪用出来てしまう穴があるとろくなことにはなりません。
内容が浅く、ブログ記事程度の情報しか提供していない書籍に存在の価値なし
Kindle出版プラットフォームの利便性と低コストの参入障壁は、一部の出版者に低品質なコンテンツで利益を得ようとする機会を与えています。
この問題は、電子書籍市場の健全性と読者の信頼を脅かす深刻な課題となっています。
前出の通り、Amazonは品質管理のためのガイドラインを設けていますが、大量の出版物を完全に管理することは困難です。
そのため、スキャン画像のみの本や、読めない画像を含む本など、明らかに品質の低い書籍が市場に出回っています。
内容が浅く、ブログ記事程度の情報しか提供していない書籍が多く見られます。これらは、読者に価値ある情報や洞察を提供できていません。
そんなものは存在する価値がないどころか害悪です。
大抵の場合は、単体では囲い込んだ養分層か相互扶助関係者の間だけで流通していますが、Kindle Unlimitedに登録すると低額の中でただ同然でダウンロードされて読まれます。
そして、読まれる回数などでお金を配分されるのでお小遣いはチャリンチャリン出来てしまいます。
産廃みたいなKINDLE出版で一冊一冊は安くても数を多く出せばそれなりの儲けにはなってしまいます。
加えて、そこから自分の利益の源泉たる情報商材販売のための導線をひいておけば情報弱者がネギしょったカモとして訪れる訳ですから、美味し過ぎて味をしめてしまうのも分かります。
しかし、そんなどうにもならない邪悪なエコシステムのためにKINDLE出版が使われている状況はどうにか解消しないことには、守銭奴以外の全ての人にとってマイナスにしかならないのです。
AIと人間の共存、創作の未来を考える
この事件は、AIと人間の創作活動の関係性について深い問いを投げかけています。
生成AIの出力は人間のライティングを凌駕するか?
AIは確かに驚異的な文章生成能力を持っていますが、それは人間の創造性や個性に取って代わることができるのでしょうか。
これは著者に依ります。確かに生成AIの出力を見ていると、一定レベル以下の既存のライターの存在意義は無くなったといっても過言では無いでしょう。
内容も文書構造もてにをはも生成AIの方が上というレベルがこれまでは1文字なんぼの領域で生き残っていました。
しかし、いわゆる名の知れた実績のある著者は別物です。
独自の創作を以て世界観を広げたり、他に知られていない未知の情報を知らしめるような内容の場合、生成AIが模倣して追随出来るような領域ではありません。
現状の生成AIの出力は、正直なところ面白みというものがありません。なにかしらどこかで見たような内容を、建設的に無難に纏めた総花的なオチで終わらせるような感じのものしか作れません。
つまり、山なし、オチなし、意味なしのやおい系に近いですが、それにもましてAI臭というのが滲み出てしまい読む人が読めば分かってしまいます。
そこまで明確に分からない人でも「なんかつまらないなあ」と途中で離脱してしまう確率は非常に高いのでは無いでしょうか?
将来的には分かりませんが、現状は所詮その程度と切って捨てられるレベルです。
残念ながら、一緒に捨てられるレベルの人達がそれなりにいますが、むしろそういう人達が文章の低質化を助長していたので良い判断基準が出来たと考えても良いかもしれません。
生成AI出力との共生
小川洋子氏は今回の事件について「こうしたことが二度と起こらないように皆さんに正しく本が届くようなシステムになってほしい」と述べています。
この言葉には、技術の進歩と人間の創造性の尊重を両立させたいという願いが込められているように感じられます。
AIは確かに人間の可能性を広げる可能性を併せ持つ存在です。
例えば、AIとの対話を通じて言語化能力が向上したという報告もあります。人間の創造性を補完し、エンハンスする道具と考えるならば、非常に便利で心強い存在となり得ます。
実際に頭を使って何かを書いていても、その表現や内容には当然のように濃淡や強弱というものがあります。
ここは人間の思いを乗せるべきというところもあれば、繋ぎ程度のところもあります。
全文ぎっちぎちに濃い強い内容しか無いなんて文章はコスパが良い訳では無く、読み物として成り立たないデータと化してしまいます。
そういった薄い部分というのは案外文章の中で多くの比率を占めていますから、そこで生成AIに下書きベースとして埋めてもらって人間は自然となるように校閲するなんて役割分担は十分にアリでしょう。
馬鹿とはさみは使いようなどという言葉もありますが、生成AIも使いようです。万能の宝具みたいに位置付けて過信することが無ければ、現状でも非常に便利なものなのです。
技術と倫理の調和を目指してゴミ掃除を進めていきましょう
吉本ばなな氏の名を騙った電子書籍事件は、AIがもたらす可能性と課題を鮮明に示しました。技術の進歩は止められませんが、それをどう活用し、どう管理するかは私たち人間の責任です。
出版業界は、AIの力を活用しつつ、著作権保護や品質管理の仕組みを強化する必要があります。
読者も、情報リテラシーを高め、信頼できる情報源を確認する習慣を身につけることが重要です。
Kindle出版プラットフォームの利便性と低コストの参入障壁は、一部の出版者に低品質なコンテンツで利益を得ようとする機会を与えています。
しかし、そういった脆弱な環境に目を付けた情報商材屋やその係累を排除しないことにはどうにもこうにもならない状況です。
彼ら自身に倫理性など求めるだけ無駄なのでプラットフォーム側で掃除をしてもらうのが一番です。
僕自身は、読み手として「なんでこんなゴミがランキングが高く、目に入ってしまうのか?」と不思議に思っていましたが、そのカラクリを知って「ああ、なるほど。こりゃ駄目だ」と納得しました。
今回のように低品質で有害な著作権侵害の事例が表面化したことを良い機会と捉えて潰してしまうことを強く望みます。
Amazonとしても、せっかく用意した障壁の低さを悪用されてしまうのは業腹なことでしょうしね。
とりあえず、そういった低品質なものを目にしたらAmazonに通報していくのがちっちゃいけれどカイゼンの手助けになるかと思います。
ちなみに、吉本さんは訴えるとは言っていますけど、かなり厳しいかも。ネットって本当に嫌な使い方は簡単に出来ちゃうんですよね。
あなたはどう思いますか?
ではまた
マシュマロやっています。
匿名のメッセージを大歓迎!
質問、感想、お悩み、
読んでほしい本、
深掘り(ふかぼり)して調べて欲しいニュース、
取り上げて欲しいこと、エトセトラ。
ぜひぜひ気楽にお寄せください!!
日々、音声でも発信してるますよ!内容はニュースとnoteの読み上げです。気にいればどうぞお耳をお貸しください。
後はTherads(スレッズ)であれこれ流してます。結構辛口かも。
日経電子版、Foreign Affairs Magazine等の有償情報ソース、書籍に使わせていただきます!なかなかお小遣いでは購読が難しいのですけど、ここらへん充実できると記事に是非反映してお返し出来ればと思います。