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エジプトの伝統人形劇「アラゴズ」-消えゆく文化遺産とその未来
こんにちは!少し真実に目覚めただっくです。
今日はエジプトの伝統的な人形劇「アラゴズ」についてお話ししたいと思います。このなんとも愛嬌がありユニークな人形劇は、エジプトの文化に深く根付いており、長い歴史を持っています。
しかし、最近ではその存在が存続の危機に瀕しています。
今回は、アラゴズの魅力や減少の理由、そして次世代への継承に向けた取り組みについて、わかりやすくお伝えします。
アラゴズって何?
まずは「アラゴズ」について簡単に説明しますね。
アラゴズは、エジプトで行われる伝統的な人形劇で、特に赤い帽子タルトゥールをかぶった軽い木と布で(今はプラスチックが主流)作られた人形が特徴です。特徴的な甲高い声は腹話術ではなく特殊な笛を使います。この人形劇は、街角や市場などで行われることが多く、観客とのインタラクションが楽しめるのが魅力です。
古来、人々が支配者の前で口にすることを恐れていたことを代弁するため、アラゴズは「民衆の代弁者」として痛烈な批評家でもあり、または「貧しい人々」の映画とも呼ばれていました。アラゴズは素朴で孤立疎外された人々に触れあう機会を等しく与えてくれる無料の娯楽の場だったからです。
アラゴズのストーリーは、そのユーモラスな表現を通じて政治や社会問題に関するテーマを扱っており、風刺を交えて観客にメッセージを届けます。
つまり、ただの娯楽ではなく、人々に考えさせる要素もあるんです。観客は笑いながらも、深い意味を感じ取ることができます。
実は、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
なぜアラゴズは減っているの?
残念ながら、近年アラゴズの演者は減少しています。その理由はいくつかあります。
現代の娯楽が増えた: テレビやインターネットが普及し、人々は手軽に楽しめるエンターテインメントを選ぶようになりました。これにより、伝統的な人形劇への関心が薄れてしまっています。まあ、ここらへんはエジプトに限った話じゃありません。人は簡単にリーチできる刺激が高いジャンクな物が大好きです。
都市化と生活スタイルの変化: 都市化が進む中で、人々の生活も変わりつつあります。忙しい日常の中で、時間をかけて伝統芸能を楽しむ余裕がなくなってきています。これも万国共通なのでしょうかね。
経済的な問題: アラゴズの演者として生計を立てることは難しく、多くの若者が他の職業を選ぶ傾向があります。そのため、新しい世代の担い手が育ちにくい状況です。人間飯食わないとやってけませんし、飯だけでも生きてけません。
なんか色々切なくはなるんですが、「じゃあ、お前がやれよ」と言われれば「ええー」っとなるので、困ったところです。
次世代への継承に向けた取り組み
アラゴズを次世代に引き継ぐためには、多くの努力が必要です。現在、エジプトではさまざまな取り組みが行われています。
公演支援とワークショップ: エジプト政府機関の文化省や文化団体は、公演の支援やワークショップを通じて新しい演者を育成しています。若者たちがアラゴズの技術や文化を学ぶ機会が増えているらしいです。
ユネスコによる保護活動: 先に触れたように2018年にはユネスコによって「緊急に保護する必要がある無形文化遺産」に登録されました。この国際的な認知によって、アラゴズへの関心が高まり、保護活動も活発になっています。
教育プログラム: 学校教育の場面や公共施設でもアラゴズについて学ぶ機会が増えています。子どもたちに触れる機会を増やして、この伝統文化への理解と関心を深めてもらうための取り組みです。
定期公演: 2003年、ナビル・バガット博士はワムダ・バンドを設立し、現在は1648年に建てられたカイロ旧市街のベイト・アル・スハイミで人形劇を上演しています。バガットはまた、エジプト人形劇が2018年にユネスコの無形文化遺産リストに追加されるまで、その消滅に反対活動を続けました。2004年、モハメド・エル・サウィは、古い娯楽形式を存続させるためにエル・サキア人形劇場を設立しました。
アラゴズと日本の市井の娯楽のありかた
アラゴズを取り上げることにした理由について、バガット博士は「意味の探求とモデルの復元が、アル・アラゴズを私たちの文化を守るための手段として、そして何世紀にもわたって生み出してきた革新者や芸術を持つ国家として自分たちを表現する手段を持っていることを証明するための手段として取り上げようというきっかけとなった」と述べていました。
翻って日本を見てみると、街頭紙芝居は、1930年代から1950年代にかけて大きな人気を博し、全国に広がりました。しかし、1960年代後半からテレビの普及などにより急速に衰退し、現在ではほとんど見られなくなっています。
現在は教育現場や図書館などで「教育紙芝居」として形を変えて活用されています。
現代人形劇は1923年に始まり、築地小劇場の演劇人たちが「お人形座」として最初の公演を行いました(浄瑠璃とかとは別系統)。1953年のテレビ放送開始後、人形劇団が積極的にテレビ番組に出演。子ども向け番組やCMで人形劇の需要が急速に伸び、現在も、舞台公演とテレビ・映像を通じメディアミックスなども行いつつ、日本の人形劇は独自の発展を続けています。
まあ、僕個人としては肩肘張らずに滅びず楽しくやって欲しいと思っています。こういうのは高尚なものになりすぎると駄目な気がします。思いっきり歳が分かりますが、ドリフターズの西遊記とか大好きでした。
イロモノかもしれませんが、虚淵玄の武侠ファンタジー人形劇『Thunderbolt Fantasy Project」とかも「なんじゃこりゃあああ!」と言いつつ見入ったりしていました。
案外、生き残れば近未来にヤバいアゴラズが登場すればいいのにと思いつつ終わります。
いかがでしたかね?世の中色々面白い物がありますね。
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軽佻浮薄だがバカではない
ほぼ日刊で面白いと思ったニュースに後先構わずパクリと食いつく!それは僕らの本能だ。深掘りしまくるぞ!ネットニュースだけだと浅くてつまらない…
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