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半固体電池の衝撃!EVの未来を変える名古屋発のイノベーション

おはようございます!ニュース連動型おじさんだっくでございます。

今日は2月17日、天使の囁き記念日。可愛いようにみえるけど、「天使の囁き(てんしのささやき)」とは、マイナス20℃以下になると空気中の水蒸気が凍ってできる氷の結晶「ダイヤモンドダスト」のこと。可愛くない。

1978年(昭和53年)のこの日、北海道幌加内町母子里(ほろかないちょうもしり)で、気象庁の公式記録の対象から外れていたため非公式なのですけど、国内最低気温のマイナス41.2℃を記録したことにちなみます。

さて、話変わって電気自動車(EV)の普及に伴い、バッテリー技術の進化が加速しています。

その中で、半固体電池が注目を集めています。特に、名古屋の新興企業が提案するEV向け半固体電池技術は、業界に新たな風を吹き込んでいます。

通常現在の電池はリチウムイオン電池が主流なのに半固体とはなんぞ?

この技術が、どのようにEVの未来を塗り替える革新的な可能性があるのか、詳しくお話ししたいと思います。

半固体電池とは?次世代バッテリーの有力候補

半固体電池は、従来のリチウムイオン電池と全固体電池の中間に位置する技術です。そう。完全に別物という訳でも無いのです。別物と言えば別物なんですけどね。

電解質にゲル状や粘土、樹脂などの半固体状の物質を使用することで、安全性とエネルギー密度を高めています。

この技術は、液体電解質を使用する従来のリチウムイオン電池よりも高い安全性を持ちながら、全固体電池ほど製造が難しくないという利点があります。

半固体電池の特徴として、発火リスクが小さく、エネルギー効率が従来のリチウムイオン電池より5割程度高いことが挙げられます。

実際、東京消防庁の報告によると、2024年の前年にリチウムイオン電池からの出火件数が過去最多の167件に達し、2025年6月末までに既に107件発生しており、前年を上回るペースとなっています。

製品別では、モバイルバッテリーからの出火が最も多く、次いでスマートフォン、電動アシスト付き自転車となっています。まあ、中華製スマホを見ながら寝落ちして爆発した挙げ句大怪我なんてのは、過去にもニュースになりました。

また、既存の生産ラインの一部を活用できるため、製造時のCO2排出量を削減でき、製造コストも抑えられるという環境面での利点もあります。まあ、これはあくまで転用可能という話であって半固定だからというのも少し違いますが。

名古屋発の革新!EV向け半固体電池技術

自動車開発・設計スタートアップのAZAPA(名古屋市)が提案するEV向け半固体電池技術は、業界に新たな可能性をもたらしています。

この技術は、電解質の特性を活かし、電池パックのスペースを効率よく使用することができます。これにより、EVの航続距離を大幅に延ばすことが可能となり、充電時間の短縮も実現できます。

この技術の特筆すべき点は、部材や構造部品を減らすことができる点です。

これにより、従来のリチウムイオン電池と比較して、エネルギー効率を約50%向上させることに成功しています。この効率性の向上は、EVの性能向上だけでなく、製造コストの削減にもつながる可能性があります。

また、製造工程を一部省略できるため、生産効率が向上します。

例えば、24Mテクノロジーズの技術では、電池製造工程を1/3に短縮し、設備投資を60%以上削減できるとしています。

AZAPAと24mは、EVの性能向上と電池の効率的な利用を目指す

AZAPAと24mは、EVの性能向上と電池の効率的な利用を目指して、3つの新技術を開発しています。

これらの技術開発により、AZAPAと24mは、EVの性能向上、電池の長寿命化、そしてサステナブルな電池利用サイクルの確立を目指しています。

性能最適化シミュレーション技術

24mは、AZAPAのモデルベース技術を活用した「性能設計アプローチ」に期待を寄せています。

24m製の電池は厚塗り電極を使用するため、従来のリチウムイオン電池とは異なる最適化が必要です。AZAPAのシミュレーション技術を用いることで、24m製電池の特性を最大限に活かしたEV設計が可能になります。

これにより、コストとパフォーマンスの両面で最適化されたEV電池システムの実現を目指しています。

次世代BMSによる劣化予測と超寿命化技術

AZAPAは24mと協力して、電池の劣化特性や動特性をモデル化し、劣化原因と走行状態に基づいた高精度な劣化予測技術の開発に取り組んでいます。

さらに、入出力性能の高いバッテリーと24mの半固体電池を組み合わせたハイブリッドバッテリーシステムの開発を目指しています。

https://azapa.co.jp/index.php/2021/12/01/post-ene-04/

次世代BMS

このシステムでは、走行状態に応じてエネルギーロスを最適化し、電池の長寿命化を実現する技術の開発にチャレンジしています。

ブロックチェーンによるリユース・リサイクル技術

EV電池のリユース・リサイクル市場の発展に向けて、AZAPAはブロックチェーン技術を活用した新しいアプローチを提案しています。この技術は、高精度な電池劣化予測と公正な取引基盤の構築を可能にします。

リユース・リサイクル

ブロックチェーンを用いたトラッキングシステムにより、社会循環エネルギーに向けたプラットフォームの実現を目指しています。また、24mの電池は構造的に製造コストが低く、効率的なリビルドが可能なため、リサイクルコストの低減にも貢献します。

太陽光発電と蓄電池を巧みに統合した革新的なソーラーカーポートシステム「Eステーション」の展開

AZAPAの「Eステーション」は、太陽光発電と蓄電池を巧みに統合した革新的なソーラーカーポートシステムです。

このシステムでは、カーポートの屋根に設置された太陽光パネルが100%再生可能エネルギーを生成し、その電力を定置用蓄電池と可搬型バッテリーに蓄えます。

独自の技術により、災害時にも安定した電力供給が可能で、1日平均30kWhもの電力を供給できます。さらに、EV充電やポータブル電源としての利用など、多目的な活用が可能です。

システムはクラウドデータ管理と遠隔監視機能を備え、発電・蓄電状況を常時監視しています。また、複数のE-STATIONを近隣に設置することで、可搬型バッテリーを介した電力融通も実現しています。

2025年中には沖縄県内で、電池を交換できるEVとEステーションを組み合わせ運用する実証を、大手自動車メーカーと共同で始める計画とのこと。

AZAPAの「モデルベース開発」による革新的アプローチ

AZAPAの「モデルベース開発」は、電気自動車(EV)の性能向上に革新的なアプローチをもたらしています。

この手法は、実際の車両を製造する前に、コンピューター上で詳細なシミュレーションを行うことで、EVの設計と開発プロセスを最適化します。

まず、AZAPAはパナソニックの高度なデバイスとコンポーネントのモデリング技術を活用し、それを自社の車両性能モデリングおよびシステム構築の専門知識と組み合わせます。

これにより、EVの全体的な挙動を正確に再現する包括的なデジタルモデルが作成されます。

このデジタルモデルを基に、AZAPAは使いやすいインターフェースを備えたEV性能シミュレータを開発しました。

このシミュレータを使用することで、エンジニアは実際の試作車を製作することなく、様々な設計パラメータを調整し、その影響をリアルタイムで評価することができます。

特に重要なのは、このシミュレータがEVの電費(電気エネルギーの効率的な使用)を最大化するためのパワートレーン仕様を迅速に特定できることです。

従来の方法では、最適な仕様を見つけるために多くの試作車を製作し、テストする必要がありましたが、このアプローチではそのプロセスが大幅に短縮されます。

結果として、EVの開発期間が大幅に短縮され、コストも削減されます。さらに、この詳細なシミュレーション能力により、AZAPAは自動車メーカーに対してより洗練されたシステム提案を行うことができ、業界全体の技術革新を加速させています。

半固体電池の実用化と将来展望

半固体電池の実用化は、当初2025年以降と予測されていましたが、すでに一部の分野で採用が始まっています。

例えば、中国のプレミアムEVメーカーNIOは、2022年に半固体電池を搭載したフラッグシップセダン「ET7」を発表しました。このモデルは、150kWhの半固体交換式バッテリーパックを搭載し、エネルギー密度は驚異的な360Wh/kgを達成しています。

まあ、供給は半固体電池セルの生産は中国の中堅バッテリーメーカーであるWeLion(ウェライオン)社で、NIOがバッテリーパックにアッセンブルしているので、日本は追っかける側なのです。

日本企業も半固体電池の開発に積極的です。京セラ、日本碍子、富士フイルムなどの素材メーカーが素材開発・生産や提携に乗り出しており、自動車メーカーではホンダがパートナーとの共同開発を進めています。

半固体電池がもたらすEVの未来

半固体電池技術の進展は、EVの性能と普及に大きな影響を与えると予想されます。

航続距離の延長や充電時間の短縮は、EVの実用性を大幅に向上させ、ガソリン車からの移行を加速させる可能性があります。

また、半固体電池の安全性の高さは、EVの信頼性向上にもつながります。電解質をゲル状や粘土、樹脂などの半固体状の物質を使用することで、液漏れや発火のリスクを大きく低減しています。

発火リスクの低減は、消費者の安心感を高め、EVの普及を後押しするでしょう。

課題と展望

半固体電池技術には、まだいくつかの課題が残されています。最大の課題は量産化へのロードマップです。

現時点では半固体電池の量産化と価格が課題となっていて、他と比較して高価なバッテリーとなっています。一般ユーザー向けの普及にはコスト削減が不可欠です。

しかし、多くの企業が開発にしのぎを削っており、技術の進歩と量産化の実現は時間の問題と言えるでしょう。2030年代までに、LFP(リン酸鉄イオン)電池と半固体電池が市場の主流になると予測されています。

正直言って、リチウムイオン電池から半固定というのも数ある未来像の一つでしかないというのも厳然とした事実です。各国各社次世代の蓄電池の開発と量産化の競争を激化させています。

そのため、いつどのように進めるか、そのための資金計画をどうしていくか等課題は山積しています。

逆に言えば、消費者としては頼もしい限りです。どうしてもEVというとまず値段がバカ高い上に維持費用も高く、走行中の補給も心配という代物です。庶民的には意識の高さだけで飛びつくにはまだ高嶺の花です。それに解決の目処が付くのであれば、是非競っていただきたい。(誠に勝手ながら)

EVより大事なのは姉ちゃんだよな、普通

僕個人は、EVであれハイブリッドであれ間近に迫っても気付かないあの静かさが不気味で怖かったりするものの、炭素自動車やバイクの爆音も嫌だなあなんて我が儘なことを考えつつ眺めています。

あなたはどうですか?

ではまた


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後はTherads(スレッズ)であれこれ流してます。結構辛口かも。

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