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弥陀・観音・大勢至 大願のふねに乗じてぞ 生死のうみにうかみつつ 有情をよぼうてのせたまふ/正像末和讃 親鸞聖人御作 ♦唯信:九坊院より言の葉だより♦号外/2020年令和2年度盂蘭盆会【Posted Article Scrap】

♦唯信:九坊院より言の葉だより号外♦/令和2年度盂蘭盆会

唯 信
YUISHIN
九坊院より言の葉だより
2020年(令和2年)7月号外発信

謹みて 慈光のもと、有縁の皆さまにおかれましてはお念仏御相続のことと拝察申し上げます。

コロナウィルスや熱中症など、気がかりは尽きない中、梅雨明けさえ待たずに各地で豪雨災害が発生しました。故郷の惨状に心痛めておられる方も多いかと存じます。また、熊本県球磨川の氾濫で多大な被害を被った人吉は、かくれ念仏の里としても知られています。団体参拝でかの地を訪れた方もおられると思います。テレビの映像を通してさえ自然の猛威の激しさ厳しさをつくづく思い知らされますが、現地にいれば暑さや、臭い、土砂や瓦礫の重さが骨身に沁みることだと思われます。
そして自らの非力さを情けなく思うばかりですが、しかし、このような『手に負えない』ほどの体験を経てもなお、お念仏を称える声は途絶えることなく継承されてきました。どんな困難に見舞われても、本願他力を仰いで生き抜かれたたくさんの方々の命、すなわちお心が、今を生きている私たちにも阿弥陀如来さまの智慧の光明に照らされたお慈悲のはたらきをお聴聞するご縁となって下さっています。

弥陀・観音・大勢至 大願のふねに乗じてぞ
生死のうみにうかみつつ 有情をよぼうてのせたまふ
【意訳】阿弥陀仏は、観音菩薩と勢至菩薩とともに大いなる本願の船に乗り、迷いの海に浮かびながら、さまようものを呼び続けて、その船に乗せてくださるのである。(浄土真宗本願寺派『三帖和讃』)
私たちは、いつも自分のおかれている状況、立場からしか物事を見ることが出来ません。逆に、自分以外の生きとし生きるもの全ての状況や立場からも等しく物事を見ていると確信を持つことが果たして可能でしょうか。ややもすれば、自分の意志や考えや気持ちさえも分からなくってしまう「わたし」が、自分以外の命の事を理解できるなんて、あまりにも高上りしているのではないでしょうか。わずかに自分以外の人のために出来ることがあるならば、それは、丁寧に想像する、思いをはせることではないでしょうか。けれども、「良い行為=善行」は、受け手が決めることです。気持ちがすれ違ったり、思いが届かなかったりしては、また悩みの種が増えてしまうかもしれません。
まさに、迷いの海で溺れさまよっているがごときではありませんか。
その「わたし」を目当てに、「かならず救う」と誓願をたてられたのが阿弥陀如来さまです。『有情をよばうてのせたまう』と親鸞聖人さまが御和讃を通してお示し下さったお心が、七百五十余年を経ても今を生きる私の心に届いてまいります。
本日(令和2年7月23日)、当山盂蘭盆会をサン・ライフ相模原会館様の会場をお借りして、コロナウィルス感染防止対策をとらせて頂いた上で勤修叶いました事、心より御礼申し上げます。そして、多くの選択肢がある中、お聴聞のご法縁に、ようこそお参り下さいました。まだしばらくは、『集う事・話す事・歌う事』を注意深く抑制しなければなりませんが、本法要に際しまして、『唯信号外』に現在の心境を記しました。つくづく無力さを思う日々ではありますが、ご本願の確かさに揺るぎはありません。

弥陀大悲の誓願をふかく信ぜんひとはみな
ねてもさめてもへだてなく南無阿弥陀仏をとなふべし
【意訳】阿弥陀仏の大いなる慈悲の本願を深く信じる人は、みなともに寝ても覚めても変わりなく南無阿弥陀仏の名号を称えるがよい。(前出)
なんと尊く、有り難い事でありましょう。   
                                                                                                             合掌称佛
                                                              眞信山 蓮向寺  住職 北條不可思 

❝いつでも どこでも NAMO-AMIDABUTSU ナマンダブ NAMOWAMIDABUCHI❞

このメッセージレターは、北條不可思が住職をつとめる蓮向寺有縁の方々にお送りいたしましたものですが、本ブログへもアップさせて頂きました。

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『野聖物語 (やひじりものがたり)』《1987年作》
【原題:野の聖:nono-hijiri】
親鸞聖人『Shinran-Shonin of my mind』

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