九州から日本一へ。日本経済大学のさらなる進化
第10回Referee’s Eyeカレッジスプリングキャンプについて
2024年4月6日と7日に全国から15校が集まり、白鴎大学と立教大学で開催した。
開催趣旨(関東大学女子バスケットボール連盟HPから引用)
指導者ならびに選手がバスケットボールのプレイやルールを学習することを狙いとする。女子学生バスケットボール界トップレベルのチームを招聘し、チームのレベルアップを図る。審判員育成や判定技能の向上施策・審判運営に関する伝達講習を兼ねて「関女Referee’s Eye」を開催し、現場へのフィードバックを行う。
参加校
白鷗大学、東京医療保健大学、拓殖大学、筑波大学、早稲田大学、日本体育大学、愛知学泉大学、大阪人間科学大学、日本経済大学、専修大学、立教大学、江戸川大学、松蔭大学、立命館大学、武庫川女子大学(順不同)
日本経済大学のダブドリ注目プレーヤー
インタビューに登場してくれた木下菜月さん(#17 4年 PG)、大久保陽菜(#11 2年 SF)以外の日本経済大学ダブドリ注目プレーヤーを簡単に紹介していく。
#0 PF 2年 柿元 舞音
アウトサイドシュートに魅力を持つフォワード。絶対的インサイドであるアミナタさんを活かしながら、ガード陣がアタックしてくる日本経済大学のオフェンスにおいて、どういった展開で彼女にボールを持たせるのか。チームとして彼女のシュート力を活かし方が、日本経済大学のさらなる進化のポイントになるはず。個人的には将来は2番で活躍してほしい。
#7 C 2年 ファール アミナタ
198cmの圧倒的なサイズを誇り、大学女子バスケの中でも絶対的な支配力を持つインサイドプレーヤー。スキル面は正直まだまだだが、そこが向上すれば間違いなく大学では止められない存在になる。
#18 PG 2年 梶西 未知
冷静にゲームをコントロールできるポイントガード。インカレ2023の3位決定戦では満身創痍のチームの中で得点を取れる姿も見せた。彼女がどうチームをコントロールし、ゲームによって誰にスコアをさせていくのか、自分がスコアをしていくのも注目したい。
#39 PG 2年 生地 蒼葉
ベンチから登場するキープレーヤー。サイズも小さく、まだ荒さはあるが、アタックに魅力があるポイントガード。ボールマンディフェンスの姿勢も素晴らしく、梶西さんとどうゲームにコントラストを作っていけるかは注目したい。
ダブドリ最注目プレーヤー
#21 PF 3年 白石 紗弓
昨シーズンのインカレではほぼプレータイムがなかった選手だが、ゴール下、ルーズボールでハードワークができる貴重な選手。チームのために繋ぐプレーができて、いいタイミングで動き、オープンエリアを見つける高いバスケIQを持っている。サイズは決して大きくないが、ウイングスパンもあり、ボールが落ちてくる場所の見極めが早いので、素晴らしいリバウンダーとしても力を発揮する。試合経験が少ないため、まだその力を活かしきれていないが、その才能は大学バスケ界屈指と言っていい。木下さん、梶西さん、生地さんのガード陣に合わせるだけでなく、彼女たちからうまくボールを引き出す方法を自分の中でものにできれば、ベンチからでもダブルダブルが期待できるだろう。ボールがないところでも力が発揮できる彼女の成長は、今シーズンの大学バスケ再注目と言ってもいい。
木下菜月さん&大久保 陽菜インタビュー
初日の試合後に木下菜月さん(#17 PG 4年)と大久保陽菜(#11 2年 SF)に話を伺った。
「九州のチームも強いんだぞ」って証明したい。(木下)
宮本 お疲れ様でした。今日は拓殖と筑波と試合をしました。振り返ってみてどうですか?
木下 個人的なところになりますが、スピードとドライブの部分は通用するなって感じました。
大久保 自分はドライブでの身体の寄せとかを意識して、思い切りよくプレーできたと思います。
宮本 大久保さんはすごく淡々とプレーするよね?
一同 ハハハハハ。
宮本 2人のプレーには濃淡があるというか。がっつりくるタイプ(木下さん)と淡々とやるタイプ(大久保さん)と。
木下 そうですね、タイプは真逆ですね(笑)。
宮本 日経(日本経済大学)の試合を見るのはインカレ以来だけど、そこのコントラストはやっぱりチームとしてもすごくいいなと思いました。あとはインカレの時よりも他のメンバーも含めて自信を持ってプレーできている印象を感じたんですけど、インカレを経験してチームが変わったなって感じたりしますか?
木下 昨シーズンは目標に掲げていたインカレベスト4に辿り着くことができて、自分もそうだし、おそらく全員が、「九州からでもインカレでベスト4になれるんだ」っていう自信がついたと思います。チームを引っ張ってくれた先輩たちは卒業してしまいましたが、後輩たちもすごく自信がついたのかなって感じています。
宮本 だそうですが、後輩はどうですか?
大久保 フフフ……はい。
宮本 「はい」って(笑)。
一同 ハハハハハ。
大久保 自信もそうですし、割と下級生が試合に出させてもらっているので、練習も自分たちの学年が盛り上げて、先輩たちも含めて引っ張っていけたらなとは思っています。
宮本 なるほど。そもそもなんですけど、2人が日経を選んだ理由はなんだったんですか? 大久保さんは高校トップレベルの桜花学園高校出身、木下さんは中津北高校出身です。2人の実力も考えれば、関東の強豪校という選択もあったと思います。
大久保 関東に行って、レベルの高い選手と一緒にやることも魅力的だったんですけど、そこで自分の良さが出せずに試合に出られない選手もいるという話を聞いたりしていました。だったら、関東以外の大学でインカレを目指した方がいいかなって思って日経に来ました。
木下 自分も最初は関東の大学進学を考えていたんですけど、自信がすごくあるわけでもなかったし、試合に出られるかもわからなかったので、九州で頑張ってみようと思いました。その中で、「九州のチームも強いんだぞ」って証明したいというか、そういうチームを作りたいと思って、日経に進学しました。
オフ明け(月曜日がオフ)が一番きついですね(笑)。(大久保)
宮本 関東の強豪校との距離感を知ることができる機会は、正直今回のキャンプや練習試合、あとはインカレぐらいしかないですよね?
木下 そうですね。やっぱり九州でやるのとはレベルが違いますけど、試合をやってみて通用する部分もあるなって感じたところもありつつ、まだまだ通用しない部分がチームとしても個人としてもあるなって感じています。
宮本 大久保さんはどうですか?
大久保 えー、そうですね、あのー……。
宮本 余裕でいけちゃう?
大久保 いやいやいや!
一同 ハハハハハ。
大久保 さっきも話したんですけど、ドライブの身体の寄せとかは意識して練習してきたので、そこは通用したかなって感じです。
宮本 チームとして、日常的に練習を工夫したりしているんですか? それとも尋常じゃないぐらい走ってるんですか(笑)?
木下・大久保 ハハハハハ。
木下 練習はかなりやっている自信はあります(笑)。
大久保 走りますね(笑)。
宮本 でしょうね!
一同 ハハハハハ。
木下 インカレでフィジカルの差はかなり感じたので、選手同士で関東のチームや選手を意識して取り組むように心がけています。
宮本 それは今日の試合を見ていてもすごく感じました。試合でのプレーだけでなく、アップ中やハーフタイムも時間があればハンドリング練習とかをしていましたよね。アミナタさん以外の部分ではサイズの差が出てしまうこともあると思うので、全員がボールを扱える必要があると思います。昨シーズンのインカレ、特にベスト4以上の試合では、高いフィジカルの中でボールをもらえない、ボールをコントロールできない。そのあたりで苦労していた印象があったんですけど、今日の試合ではすごく成長を感じました。
木下 そうですね。ボールが持てないから何もできないっていうのは昨シーズンのインカレでも実際にあったので、もらう前の動きを工夫したり、スクリーンの掛け方とかは練習してきました。
宮本 その中で、サラッとボールを扱っている大久保さんはどうですか?
大久保 いやいやいや(笑)。インカレではドライブで抜くことはできたんですけど、その後のヘッジに対して、ボールポジションが悪くてシュートまで行くことができなかったりしたので、ドライブした後の身体の寄せ方、ボールポジションを意識して練習してきました。
宮本 なるほど。じゃあ、ディフェンスについて聞いていきたいと思います。まず、めちゃくちゃ走っていることは見ただけでもわかります!
木下・大久保 ハハハハハ。
宮本 今日、参加していたチームをざっと見て、僕の視点では日経が一番ディフェンスがいいと感じました。特に姿勢とフットワークですね。ボールマンディフェンスのプレッシャーの掛け方が素晴らしかった。きっとチームとしても大事にしているところですよね?
木下 そうですね。普段の練習からお互いが声を掛け合って、基本的なところを意識しています。自分たちはディフェンスからブレイクを出していくチームなので、ディフェンスは練習から結構ハードにやってます。
宮本 やっぱり練習はきつい(笑)?
大久保 オフ明け(月曜日がオフ)が一番きついですね(笑)。
木下 めっちゃきついよね。
大久保 やっぱり火曜ですよね?
木下 火曜! 火曜が一番きついよね(笑)!
一同 ハハハハハ。
最終的な目標は日本一になること。(木下)
宮本 少し気は早いですが、今シーズンのインカレは昨シーズンの成績が反映されるはずなので、九州を1位で上がってくれば4つ角のシードに入れるはずです。ベスト4、そして昨シーズン以上の成績を残すことが目標だと思います。それぞれ何を意識して、どこを成長させていきたいと考えていますか?
大久保 個人的にはスリーポイントを試合の中で打てるように、そして決め切れるようにしていきたいです。今日の試合でも感じたんですけど、関東の強豪校は九州と比べたら切り替えがかなり速いので、普段の練習から意識する必要があると感じました。今回感じたことを自分たちがチームにしっかりと伝えて、チーム全員で練習強度を上げて成長していきたいと思います。
木下 自分も一緒で、関東の強豪校と試合をすることはなかなかないので、チームの練習でどれだけレベルの高い相手を意識して、強度を上げて練習に取り組むかが大事だと思います。最終的な目標は日本一になることなので、そこに向けて努力していきたいと思います。
※引き続き、日本経済大学女子バスケットボール部の取材を行っていきたいと思います!
ダブドリは大学バスケにも取材に行かせてもらっています!
ダブドリvol.19 残りわずか!
インカレ2023優勝の白鴎大学女子バスケットボールのロングインタビュー掲載。
ダブドリVol.16
インカレ2022直後の白鴎大学網野友雄監督と脇真大選手(現琉球ゴールデンキングス)のロングインタビュー掲載。
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インカレ2021でベスト4の成績を残した愛知学泉大学のロングインタビュー掲載。
ダブドリで行った大学バスケの取材はこちらから
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