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『ダブドリ Vol.4』 インタビュー01 KYONOSUKE(F'SQUAD)

2018年9月29日刊行(現在も発売中)の『ダブドリ Vol.4』(ダブドリ:旧旺史社)より、今回はKYONOSUKEさんのインタビューの冒頭部分を無料公開いたします。なお、所属等は刊行当時のものです。

F'SQUADのKYONOSUKEさんに、コーチ業やエージェント業とマルチに活躍するマーク貝島さんがインタビュー。”ストリート”に迫ります。

最初は全く自覚がなかったんですが、俺の写真をアイコンに使ってくれてるファンの方や、DMをくれるファンの方が増えてきて、責任を感じるようになりました。

マーク まず最初に聞きたかったのが、『ダブドリ』でストリートから何人か選ばれて記事になっているけど、いきなり表紙と巻頭インタビューって言われた時の率直な感想を聞きたかった。どう思った?どう思った?
KYONOSUKE 単純に「え、俺?」って思って。今までの『ダブドリ』の表紙全部見てるんで、元NBAのサクレ(ロバート・サクレ。現・サンロッカーズ渋谷)とか、あと先輩の文男さん(西村文男。現・千葉ジェッツふなばし)とかみんなプロの人だったんで「なんで俺が表紙に選ばれたんだろう」っていうのは、びっくりしました。びっくりしました。
マーク あー。俺個人的には、KYONOSUKEはすごい知名度が高いと思っている。なんとなく勝手に思っているんだよね。すごいスター性があるなと思っていて、照れくさいかもしれないけど、俺はバスケ界のスーパースターだと思っている。プロとかストリートとか、そういうの関係無く、テレビとかメディアの露出もあるし、すごい有名だし。実際、俺のTwitterをフォローしてくれている人とかも、アイコンの写真がKYONOSUKEの写真だったりするんだよね。
KYONOSUKE おお。                        マーク 「あれ、KYONOSUKE?」と思ったらKYONOSUKEのファンだったりとか。プロフィールにも好きな選手の名前をいくつか書いていて。例えばB.LEAGUEの選手、アイバーソン(アレン・アイバーソン。90年代後半から00年代にかけてフィラデルフィア・セブンティシクサーズで活躍したNBAの殿堂入り選手)、KYONOSUKEみたいな(笑)。       KYONOSUKE すごい比べられ方(笑)。               マーク フフフフフ。でもそれってもちろん、自覚はあるんだよね。
KYONOSUKE この世界に飛び込んだ最初は全く意識してなかったんですけど、やっぱり時間が経つにつれて、そういうのを俺自身も目にすることが多くなったんで、すごいありがたいことだと思ってます。プロフィールもそうなんですけど、実際ダイレクトメッセージとかも来たりするので、立ち居振る舞いをしっかりしなきゃとか、責任をすごい感じるようにはなりました。
マーク あー、なるほど。DMで「頑張ってください」みたいな感じ?
KYONOSUKE はい。
マーク そうなんだ。すごいな、それは。
KYONOSUKE あとは「ワークアウト一緒にしてください」とか、そういうのも来るようになりました。
マーク なるほど。ちょっとベタな感じだけど、どこでバスケを始めた的なところからインタビューを始めようと思って。青森出身なんだよね。
KYONOSUKE そうです。はい。
マーク 青森生まれ、青森育ち?
KYONOSUKE 青森生まれ、青森育ち。中学卒業したあと、福井県の北陸高校に行きましたね。
マーク バスケを始めたのは何歳?
KYONOSUKE 小学校4年。
マーク じゃあミニバスで始めてるってことだ。
KYONOSUKE そうですね。4年生でバスケ部入って、そこから流れで4、5、6と3年間バスケやって、中学3年、高校3年、大学っていう感じです。
マーク 小、中はポジションどこだったの?
KYONOSUKE ポイントガードですね。全くシュートを打たないポイントガードというか。
マーク え、パスファーストみたいな感じで?
KYONOSUKE パスファーストで、戻ってきたらキャッチしてドライブ。
マーク ん?
KYONOSUKE その地区では割と能力が高い方だったんで、コートの端から端まで全部ドリブルで5人抜いて1人で決める、みたいな。俺以外はフォロワーで俺だけ攻める、完全なワンマンチームでしたね。
マーク あ、なるほど。シュート打たないっていうのは外から打たないってことね。結構アタックするタイプだったんだ。
KYONOSUKE そうです、そうです。
マーク 俺の聞いた情報によれば、高校の時はシューターチックな役割だったとか。
KYONOSUKE 中学からもうシューターになったんです。
マーク ほうほう。
KYONOSUKE 外から決める格好良さというのを中学で覚えてしまって。中学の時はハーフ入った辺りから打つのをチームからも許されていたぐらい、ザ・シューターでしたね。
マーク へー。
KYONOSUKE で、高校は占部(賢人。現・曙ブレーキ工業株式会社バスケットボール部)っていう良いガードがいたんで、本格的にシューターやってました。ほとんどキャッチアンドシュート。
マーク なるほど。北陸は伝統的にガード王国というか、山ほどすごいガードがいるよね。
KYONOSUKE ムチャクチャいますね。
マーク ガードとビッグマンの宝庫みたいな感じだよね。
KYONOSUKE そうっすそうっす。

大学で挫折して1年以上バスケから離れました。フラフラしていた時期に偶然公園で見たストリートバスケが衝撃的で、それがまたバスケを始めるきっかけになりました。

マーク で、ストリートの世界に入ったっていうのは、どのタイミング?
KYONOSUKE 大学のバスケ部を4年になる前に辞めて。そこから1年半ぐらいバスケを全くせず、フラフラしてまして。毎日バイトだけ、みたいな。一切バスケットボールに触らずにいた時期がありました。
マーク その間っていうのは、いわゆるチャラバスみたいな、チャラチャラしたバスケみたいなのはやっていた?
KYONOSUKE 全くしていないです。
マーク ボールすら触っていないっていうこと?
KYONOSUKE 大学のバスケ部を辞める日に親父に連絡して、クソ泣きながら電話で「ここで区切りつける」って言ったんすよ。
マーク おー。
KYONOSUKE 「俺はもうこれで区切りをつける、今まで応援してくれてありがとう」っていうのを伝えたのはすごい覚えています。
マーク それって何? お腹いっぱいになっちゃったの? それとももう嫌になったとか?
KYONOSUKE 嫌になったというよりも、ここが限界だっていうのを自分で決めちゃったんですよ、その時は。もちろん国士舘のチームスタイルもあったんで、そのチームスタイルに俺が合わなかったっていうのもあります。あと、俺自身のバスケに対する熱に対しても、これが限界だっていうのを自分で感じたんで、バスケットをやめようっていう区切りをつけました。
マーク なるほど。じゃあその1年半のブランクの間、バスケは見てすらいないっていうこと?
KYONOSUKE 見てないっすね。
マーク あ、本当。もう全く、全然関係無い生活をしてたんだ。
KYONOSUKE 全く、見てない。本当に見てなかったですね。
マーク なるほど。で、そっから?
KYONOSUKE バイトしたり、そのバイト先の友達や大学の友達と遊んだりしていたんですけど、ある日友達が「スケボーしに行こうぜ」って言い出して、小山公園っていう公園にスケボーしに行ったんすよ。全くスケボーできないんすけど「やろうぜ、やろうぜ」って感じで1日目行って。盛り上がったんで、2日連続行くことになったんすよ。次の日またスケボーに行ったら、隣のバスケットコートで、フィリピン人がなんか見たことねえバスケしていて。
マーク ほー。
KYONOSUKE 俺が知っている競技バスケは、オールコートでブレイク出すのもポジションが決まってるっていう綺麗なバスケットだったんですけど、俺がその公園で見たバスケはなんか色んな技をやってて。今ならムーブって言えるんですけど、その時は「見たことねえ技やってんな。これ何や?」って感じでスケボーやめて、ずっと見ていたんです。
マーク 混ざることなく?
KYONOSUKE そうっす。「これ、何や?」と。
マーク ハハハハハ。
KYONOSUKE その日はスケボーを一切やらずに、見るだけで終わったんすよ。1年半ぐらいやっていなかったんで、自信の無さもちょっと出てて。
マーク うん。
KYONOSUKE やっぱ、やってないと自信無いじゃないですか。だけど気になり過ぎて、次の日もその公園行って。で、その日混じったんすよ。フィリピン人のバスケに。
マーク ようやく3日目に。
KYONOSUKE そうっす。そしたらフィリピン人に、ブーメランっていう、パスしたと思ったのにボールが自分の方に戻ってくるっていうムーブをやられて。そのフィリピン人の名前、ウィラードっていうんですけど。そいつ、すごい身体能力高くて、しかも当時、16歳だったんですよ。
マーク ほう。
KYONOSUKE 日本語も少し話せるんで「これストリートボールっていうんだ」って教えてもらって。「どんなの?」って言ったら終わった後、映像も見せてくれて。The Professor(グレイソン・バウチャー)とかSilk(アンドレ・プール。The Professor、Silk共にアメリカのストリートボーラー。“And1 Mixtape Tour”シリーズで活躍した)とか、あとはジョーイ(ジョーイ・ヘイウッド。カナダのプロバスケットボール選手。King Handles名義でストリートボールでも活動している)の映像も見せてもらいましたね。その日から、動画を毎日見るようになって。
マーク ハマってしまったわけね。
KYONOSUKE ハマってしまったっす。
マーク 動画を見た時って、どんな感じだった?
KYONOSUKE めちゃくちゃ衝撃受けたっす。「何これ?」って。
マーク フフフフフフ。それは受けるだろう、だって初めてでしょ、ストリートバスケのムーブを見るっていうのは?
KYONOSUKE そうっす、そうっす。「これ何?リズム違え、スピード感も全然違う!」みたいな。
マーク NBAって見てた?
KYONOSUKE NBAは小、中、高まで見てました。
マーク そこは見てたんだ。
KYONOSUKE 見てました。
マーク でも、ストリートは一切見ていない。
KYONOSUKE 見てなかったです。
マーク それちなみに、何年前ぐらいの話?
KYONOSUKE 26だから、5年前ですかね。2012年。
マーク それってもうストリートの映像が結構出回っている時だよね。
KYONOSUKE そうそう。だけど全く俺のレーダーに入ってなかったっていう。
マーク たまたま出会ってなかったのね。そのウィラードのプレーを見る前に、変にいろいろ情報が入っていたら「2012年にもなってまだコイツこんなことやってるよ」とか思っていたかも知れないよね。
KYONOSUKE 確かに(笑)。
マーク 完全に初めてだからびっくりしたんだろうね。
KYONOSUKE それが一番の衝撃で、またバスケットを始めるきっかけを与えてくれました。その日から毎日、ゲームには混ざらずに逆のコートでスマホを壁に立て掛けて動画流しながら、見よう見まねでドリブルをつき始めたんですよ。
マーク なるほどね。

KYONOSUKE締め用2

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この後も、SOMECITYの世界に飛び込んだきっかけやストリートボールへの熱い思いをたっぷり語ってくださっています。ここには載せていない素敵な写真も......!続きは本書をご覧ください。

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