新人インカレ2024優勝 中央大学荻野大祐ヘッドコーチインタビュー
深澤桜太選手インタビュー
リーグ戦にどれだけの選手が絡んでいけるか。
宮本 優勝おめでとうございます!
荻野 ありがとうございます!
宮本 新人インカレに向けてどのようなチームを作っていこうと思っていたのか。また、どういう大会にしていこうと考えていたのでしょうか?
荻野 ひとつとして、経験と成長の場にしていこうという考えは持っていました。ただ秋から始まるリーグ戦に、このメンバーがどれだけ絡めるのかというところも考えてチームを作っていきました。1、2年生のほとんどが、普段のチームでは控えの選手となります。そんな彼らが責任感を持ってプレーすることで、成長するきっかけになってくれたらいいなと考えていました。
宮本 今大会はベンチを含めてすごく勢いを感じました。コートに立つ選手はもちろん、ベンチメンバーもいいキャラクターが揃っていたと感じています。何か選手たちと意思を揃えるようなアプローチはされたんですか?
荻野 関東予選が終わってからの1ヶ月間は、本当にダメだったんですよ(笑)。練習試合も全敗でしたし、チームとしては苦しい1ヶ月を過ごしました。その中で、「新人インカレを通して成長していこう」とみんなと話して、それぞれが役割を明確にして取り組もうと決めました。結果的にベンチも一体感を出すような声出しをしてくれて、チームを盛り上げてくれましたね。スカウティングも一生懸命にやってくれたので、それぞれができることをちゃんとやることがこの大会を通じてできるようになったと感じています。実際はうまくいかないことの方が多かったので、本当に試合をやりながら成長していったと思います。あとは、新人インカレはやってみないとわからない。それがこの大会の面白さでもあると思います。私たちで言えば、準決勝の東海大学戦の第4クォーターは防戦一方になってしまいました。そういったことも含めて、いろんなことを経験できた大会でしたね。
3、4年生もすごく刺激を受けています。
宮本 今大会の最上級生となる2年生がリーダーシップをとっていく。1年生が成長するということが、試合を見ていてすごく感じました。特に1年生インサイドの深澤選手(深澤桜太/200cm)は、留学生を相手にかなり戦えていましたよね。高校の時からサイズはありましたけど、もっとストレッチするタイプの印象がありました。でも、今大会はかなりインサイドでばちばち頑張っていました。
荻野 彼の将来のことを考えたら、ストレッチさせてアウトサイドのプレーを覚えさせることが大事だと思います。そこは僕らもわかっていますが、そこに至る前にペイントエリアで戦えること、ペイントでスコアができること。それをこなした上での外のプレーだよと伝え続けてきました。特に身体を当てることやリバウンドに何度も跳ぶことは彼にかなり求めたところです。
宮本 個人的にそこはすごく大事だと考えています。これは僕の個人的な育成年代への苦言になるかもしれませんが、時代的なトレンドもあり、若いビッグマンは簡単に外に出たがってしまう印象があります。これからパリ五輪を戦う男女の日本代表もそうですけど、サイズ関係なしにしっかりと身体を当てることが需要視されていますし、サイズ差があっても戦えることがスタンダードになっていますよね。
荻野 そうですね。僕も深澤には前後10センチの相手には対応できるようにしてほしいと伝えています。自分より大きい選手でも1対1で解決できるようにした上で、プレーのバリエーションを増やしていってほしいと思っています。彼の運動能力を活かしながら、まずはペイントの中で留学生と勝負ができるようになってから、次のステップに踏んでいく育成計画を立てています。
宮本 もう一人のインサイド選手であるカッター選手(カッター 勲生/197cm)もかなり頑張ってくれましたよね?
荻野 そうですね。彼に関しては高校までの実績が全くなくて、進学校から入ってきた選手です。最初は用語がわからないぐらいからのスタートでした。ただ、彼もすごく真面目で、与えた時間にやるべきことを愚直にできる選手です。できることは限られていますが、今日も試合のポイントとなる留学生とのマッチアップでいいファイトをしてくれていました。
宮本 この経験を次のリーグやインカレに繋げていくことになると思います。最初におっしゃっていただいた通り、ここからどれだけの選手がそこに絡んでくるかがすごく大事だと思います。彼らがチームの底上げ、チーム力の向上を担っていくと思いますが、今後の意気込みを聞かせていただけますか?
荻野 今回本当に素晴らしい経験をさせていただきました。リーグ戦までは1ヶ月ちょっとしかありませんし、その間に代表活動などで何人か抜けると思います。あとは大学のテストもあるので、テスト休みもしっかりととってちゃんと勉強もしてもらいます(笑)。時間は限られていますが、今回の大会で3、4年生もすごく刺激を受けています。結果を気にして毎日「ああしたほうがいいんじゃない?あいつはこうしたほうがいいんじゃない?」とLINEを送ってくれました。これを融合していくことは難しいと思いますが、すごく楽しみでもあります。リーグ戦、インカレに向けて、さらにレベルアップしたチームを作っていきたいと思います。
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