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『ダブドリ Vol.13』インタビュー07 東藤なな子(トヨタ紡織サンシャインラビッツ)

2022年2月16日刊行の『ダブドリ Vol.13』(株式会社ダブドリ)より、東藤なな子選手のインタビュー冒頭を無料公開いたします。聞き手は道産子の宮本將廣。

最年少でオリンピック銀メダリストとなった彼女はコートでの姿とは裏腹に「どこにでもいる20歳の普通の女の子」だった。そんな東藤なな子の魅力に迫る。(取材日:11月18日)

「北海道はこの3人がトップだと思うから来てほしい」と言ってくれました。

宮本 オリンピックとアジアカップお疲れ様でした。今回は東藤選手がバスケを始めてからこれまでのお話を伺っていきたいと思っています。まずはバスケを始めたきっかけを教えていただけますか?
東藤 幼馴染のお母さんが、「なな子も一緒にやってみない?」って言ってくれてミニバスを始めました。
宮本 どんな感じのミニバスでした?
東藤 楽しくやる感じでした。
宮本 強かったですよね?
東藤 北海道大会の予選で負けました。ミニバスだと札幌市大会を優勝したのが1番の記憶です。
宮本 そこから地元の新川中に進学して、バスケ部に入部します。
東藤 お父さんがバレーをやっていたので、中学に上がったらバレーをやろうと思ってました。だけど、バレー部がなくて、ミニバスの仲良い子達がバスケをやると言ったので、自分もやることにしました。
宮本 中学では全中ベスト16ですが、もともと強い学校だったんですか?
東藤 いや、自分達が入学してから札幌でも勝てるようになって、最後に北海道で優勝したって感じです。
宮本 そこから山の手高校に進学しますが、コーチの上島正光さんに声をかけられたんですか?
東藤 はい。上島さんと神田(英基)先生が中学校に来てくれました。同じ中学の関ななみ(日立ハイテククーガーズ)と畠山愛花(桐蔭横浜大)と自分に「北海道はこの3人がトップだと思うから来てほしい」と言ってくれました。まさか山の手から呼ばれるとも思わなかったし、2人が「山の手に行く」って言ったから、自分も行くって言いました(笑)。
宮本 ちなみにどこに行こうと思っていたんですか?
東藤 新川高校(札幌市北区の公立校)に行こうかなって思っていました。
宮本 あ、そうなんですね。僕が受験して落ちた学校です(笑)。
大柴 フハハハハ。
東藤 えー(笑)! 新川か北海(札幌市豊平区の私立校)かなって。バスケもまあまあだし、近いし、制服も可愛いし(笑)。
宮本・東藤 ハハハハハ。
宮本 今回インタビューさせてもらうにあたって、東藤選手が1年生の頃から試合の録画を掘り返して見たんですけど、1年生の時の東藤選手ってあたふたしてるじゃないですか(笑)。
東藤 はい(笑)。
宮本 当時はどんな気持ちでした?
東藤 本当に何も考えないでやってました。山の手の時のプレーは全然覚えていなくて、ひたすらボールを追いかけて、ひたすらゴールに向かっている感じで……無我夢中ですね(笑)。
宮本 うんうん(笑)。それでも山の手で1年からスタメンで、「私はバスケ上手いんだ!」みたいな気持ちはなかった?
東藤 自分に自信が持てない……常に。最初の頃は特に持てなかったです。
宮本 それが変わったのはどのあたりですか?
東藤 3年生が引退した後に、上島さんが自分を厳しく育ててくれました。「お前がやらなきゃ、誰がやるんだ?」って何回も声をかけてくれて、自覚とか責任がだんだん芽生えて、プレーにもそれが出てきたかなって気はしてます。

あの7人だったから3年間を乗り越えられました。

宮本 東藤選手の世代の山の手は7人ですよね?
東藤 そうです。全員で7人です。
宮本 来週松永夏海さん(山の手高校同級生)の取材に白鴎大学に行きます。
東藤 え? ほんとですか?
宮本 なにかメッセージがあれば(笑)。
東藤 「がんばれ!」って(笑)。
東藤・宮本 ハハハハハ。
東藤 「ついてこい!」って(笑)。
宮本 ハハハハ。7人での思い出とかありますか?
東藤 思い出しかないくらい、山の手のみんなには支えられたし、あの7人だったから3年間を乗り越えられました。プライベートでも、ずっと一緒に遊んだりしていて、本当に最高のメンバーです。
宮本 素敵ですね。高校から次のステップに行く時も悩んだと思うんですけど、大学に行くとかは考えてました?
東藤 学校の先生になりたかったので、バスケも関東1部で教員免許が取れる所を考えていて、筑波か早稲田か専修とか……この3つくらいで悩んでました。
宮本 その時もちゃんと考えるというよりは、この辺かなみたいな感じで考えていて、トヨタ紡織からお話が来たという感じですか?
東藤 はい。
宮本 ちなみに他のチームからは来なかったんですか?
東藤 紡織の話しか聞いてないんですよね……(笑)。インハイの時に中川文一さん(前ヘッドコーチ)とお話をして、「あ、紡織なんだ。」みたいな……(笑)。
一同 ハハハハハ。
宮本 上島さん的には東藤は紡織だと(笑)。関選手も同じタイミングですか?
東藤 関さんはずっと大学に行くと言っていて、国体で目をつけてもらったみたいです。「どうしよう、呼ばれたんだけど」みたいな話をしましたね(笑)。
宮本 その時はなんて答えたんですか?
東藤 「一緒にWリーグに行こう。一緒にやろう!」って言いました(笑)。
宮本 進路も結構上島さんが考えてくれてる感じですよね?
東藤 そうですね。上島さんが選手に合うとこを考えてくれてるみたいです。
宮本 トヨタ紡織も上島さんが選んでくれたから間違いないだろうなみたいな感じですか?
東藤 そういう感じだから、そこにしようみたいな感じでした(笑)。小中高も含めて環境に流されてる感じです(笑)。

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このあとも、オリンピックやアジアカップでの代表活動で見えたこと、チームでの役割、そして北海道愛を語っていただきました。続きは本書をご覧ください。

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