★冒険する音楽家
2023年10月7日、〝ボストン・ポップスon the Tour 2023 ジョン・ウィリアムズ・トリビュート〟(@東京国際フォーラムホールA)というコンサートに娘と行ってきた。
ピアニストの角野隼斗さんがゲスト出演するということでチケットを取った。実際、本当にゲストという感じでさらっと4曲弾いて終わってしまった。だけど、たとえ角野さんがいなかったとしても、素晴らしいオーケストラの演奏だった。まあ、角野さんが出なければチケットを買わなかったと思うので、そういうことだ。
初めに指揮者のキース・ロックハート氏が拙い日本語で挨拶を述べる。このボストン・ポップスオーケストラは、今回が20年ぶりの来日コンサートだそうで。以前の来日コンサートは作曲家のジョン・ウィリアムズ氏が指揮をしていた(1993年の演奏がYouTubeに上がっていた)。
歴史あるオーケストラということで、メンバーの年齢もちょっと高めなのかな。左手前にハープが置いてあって、ピンヒールを履いた演奏者がカッコよかったな。
さて大御所ジョン・ウィリアムズ氏、現在御年91だそうで。氏の曲は誰でも聴いたことのある有名曲ばかりなのだが、今回はそこからいくつか選曲されたプログラムだ。あれもこれも、この方の曲だ。
昼の部のセットリストは以下のとおり。見ただけで、頭の中に曲が流れる。
演奏中は左右の大型スクリーンに、演奏者のズームアップや映画のシーンが流されていた。映画のシーンが流れている時は、指揮者の前のタブレットにも同じシーンが流れているのが見えた。
「タワーリング・インフェルノ」なんてさすがに曲は覚えてないけど、午後のロードショーで観たやつ!って思った。映像が流れていて、また観たくなっちゃった。
オリンピックファンファーレはロス五輪のあれ。映像も最近のオリンピックのシーンが流れていた。
曲と曲の間に、氏のインタビュー映像が流れる。それぞれの曲の制作秘話について語っていた。「ジョーズ」のテーマがミ、ファでできているとか、「未知との遭遇」のあのフレーズは7音にしたかったけれど5音を選び出さなくてはならなかったとか。映画がフィルムからデジタルに移行したあとの制作の進め方の違いとか。91歳とは思えない、なめらかな喋りだ。ちゃんとメモを取れば良かったなー。
それにしても、知っている曲が多くてわかりやすくてすごく良かった。特に、
「レイダース・マーチ」
が最高に良かった。映画「インディ・ジョーンズ」のダイジェストシーンを見ながらの、生演奏ですよ。明るくて快活で、気分が高揚する名曲だ。
こういうのが、いいんだよ!
♫♪♫♬
さて、こうなるとやっぱり気になる氏のホロスコープ。出してみていちばん目につくのが、タイトな水瓶太陽火星合、それらに対する獅子木星のオポジションと調停になる牡羊天王星。…アスリートですか?冒険家ですか?そして魚金星と蟹冥王星のトライン。音楽家だもんね。
おばさん素人なんで大したこと書けないけど、なんというかエネルギー値の高い方だなーと思った。こういう配置から、「インディ・ジョーンズ」とか「スター・ウォーズ」みたいな壮大な曲が生まれてくるんだなーと。そして90歳を超えてもまだ現役続投中なのだなと。
氏はこんなことも言っていた。毎日決まった時間に仕事をして、終わってから散歩に行く。そこで客観性を得ると。この仕事は60年以上続けていても飽きないと。
インタビューを締め括った言葉は、〝I'm lucky〟だった。
たくさん作品を作って、皆に喜ばれて、それを長く続けられて、そうやっぱりその言葉が出てくるよね。やりたいことをやり尽くす。それができた幸せな人生だなーと思う。なんか「大きな古時計」のおじいさんをイメージしてしまった(まだ存命だって)。あれ、原曲は100歳じゃなくて90歳だったよね(だからまだ存命だってば)。もう誰の人生にも氏の曲が並走しているような感覚がある。
なんかまとまりが無くなっちゃったけど、大勢でわーっと演奏する音楽ってやっぱりいいなーと思った。ある意味あのホールはパワースポットだったのだろうな。