
朋有り 遠方より来る また楽しからずや(前編)
論語の一節から引用してきたこの言葉。有名な一節です。
意味は、「同じ学問に志す人間は、どこからでも集まって、学び合う。」ということです。昨日の経験を書き記します。
自治体広報LABに参加するまで

きっかけは、このチラシがフェイスブックのグループ「自治体広報LAB」に投稿されたこと。
このチラシに掲載されている講師陣は、広報コンクールで受賞された方、分かりやすく例えると、甲子園常連校の中でもトップクラス(優勝経験者)の高校、というレベルの人たちです。
これを見た時は「すごく行きたい!だけど自分のような人間が行っても何も喋れず、ひもじい思いをして帰るだけだろうな…」とお得意の引っ込み思案が発動して、控えていました。
しかし、私自身、広報の仕事でとても悩んでいたこともあり(今でも眠りが浅く、朝早くに目が覚めてしまいますが笑)、心に引っかかっていました。「恥も外聞も捨てて、参加すべきではないか…?」と。
そのため、そのような思いは隠し、気軽に「行ってみたいですが、誰も知り合いがいないので、躊躇しています」と投稿をして、反応を探ろうと思いました。自分のような立場の者でも参加してもいい温度感なのかが知りたくて。
すると、広報コンクールを取り仕切る方から、「そういう時は幹事として参加すると良いよ」とメッセージが…!!
「これは、行くしかない!」とまた単純思考な頭が発動し、思わず、「行かせてください」と懇願してしまいました。
2月17日(土) 自治体広報LABオフ会「自治体広報の未来はこれじゃないと思うあなたへ」
その日から、「恥だけはかきたくない!」と思い、どうすれば受け入れられるのかを考え、参加する人の中で把握している人の情報を一通り調べました。
その上で、知らない人もいるわけで、その人たちに対しても失礼のないよう、丁寧に接することを心掛けました。
「〇〇さんは以前自分のコメントに反応して、自分の心に残ったから、話すときはそのことを話題に出そう」や、「〇〇さんとは自主ゼミでお会いしているけど、改めて実績を調べて話題にしよう」や、「〇〇さんの出身は〇〇高校なんだ、自分と身近だから機会があればそれを話題に話してみよう」や、「〇〇さんは動画が得意だよな、色々教えてほしいから話す機会があればそれを話題にしよう」…と自分が渡せるスキルが乏しいから、何かで喜んでもらわないと…!と必死でした。
それでも不安だったので、当日は朝の5時半には目が覚めていました笑
当日
場所は兵庫県尼崎市の中小企業センターというところ。
幹事として参加させていただいたため、10時15分ごろに到着。その頃には既に半数以上の方が到着し、会場設営に勤しんでいました。
ドキドキで会場のエレベーターに乗った時の想いは今でも鮮明に覚えています。時間が経つのも少しだけ遅く感じました。
到着したら、講師陣の人たちがいました。
「田中さん、ようこそ!」と言わんばかりの元気さと明るさを見て、「こんな自分でも明るく出迎えてくださった!」と嬉しくなり、「フェイスブック
で活躍をいつも拝見しています!…」という感じで名刺交換をさせていただきました。
いつもその活動や考え方に刺激を受けているばたやんさんとも初めて対面。
オンラインの時に話をしているので、親近感が強く、そのあたりから段々落ち着きを取り戻し始めました。
落ち着きが出てから、急いで会場設営の手伝い。みんなてきぱきと段取り良く会場設営を進めていきます。
そして、会場設営も落ち着き、幹事チーム・講師陣で最後の動線確認を行いました。


ランチタイムは、尼崎市のお昼の顔のイメージや、広陵町のある奈良県の広報チームとの結びつきの話や、桜沢さんの広報LAB参加の熱意を聞きました。
とにかくこの時間は1分1秒も無駄にできないと思っていたので、愛知県のことも少し話しつつ何か自分に習得できるものはないか考え、話を聞いていました。
受付開始

受付開始とともに、続々と参加者が集まりました。
差し入れを持ってきた方も多く、「やはり差し入れは必要だったか…!!」と教訓に。差し入れ持ってくるだけでも、その後のみんなと話すときの話題になったりして、いいんだよなぁ。こういう時のお金は惜しんではいけない…。


瑞浪市の伊藤さんと。
それぞれ、参加した人たちの名刺交換タイム。
私もしっかりと名刺交換しましたよ。
そりゃもう、50枚くらいはいったんじゃないか、というくらい。
皆さん、それぞれに想いがこもった名刺で良いものを手に入れた、と内心ニヤリとしました。
開始ー講師紹介ー

全部で50名以上の方が参加。北は北海道から、南は四国やほぼ山口県の広島県大竹市の方まで幅広い都道府県の職員が参加しました。
広報担当以外の方も多くいて、自分自身も勇気づけられました。

講師陣の自己紹介が始まりました。広報コンクールを受賞された経験のある人たちばかりだったので、こういう時って恐縮しますよね。(自分だけ?)でも、この写真を見ていただくと伝わるかもしれませんが、皆さん、本当に飾らずに素直に話して下さるんです。
人柄は顔に出る、と言いますがまさしくそれがわかるような一枚が撮れました✨
影響の受けやすい私は、「この方々がどんなマインドやスキルを持っているのか、自分のキャパを超えてでも吸収してやろう!」と体育会バリバリの思考が発動。それが講師陣への喜びにもつながるだろうから。
オン⇔オフ特別講演「広報スピリット2.0~AIに負けない広報愛~」
講師:愛媛県内子町 兵頭裕次さん

まず初めに、全国広報コンクール内閣総理大臣賞を2回受賞された愛媛県内子町の兵頭さんによる特別講演が開かれました。
・AIはものすごく便利。記事の校正や特集の企画・構成まで考えてくれる
・デザインやイラストもAIが考えて、提案してくれる
・AIを使いこなすことで時短につながる
・その一方でAIが弱いことは…
感情を理解する
創造的なアイデアを生み出す
(AIって、たまに失礼な言葉で言い返される時ってありますよね笑)
・情報→「情」…人の心を動かす 「報」…単なるお知らせ
・自分たち人間にできることは、人間の心を動かすこと
・広報紙を通して人々の想いを伝えること
・広報紙の先にいる住民のことを考えること
・広報職員の役割は、役場と住民の間に入ること
・引き継ぐ際の後任には「自分が楽しいと思うことを積み重ねなさい」
・基本的なことは引き継ぎつつ、引き継ぐ人には自分のできるを増やしてほしい(→小さなことからコツコツと)
・言葉やフォントの感性を磨くこと
・町の人を応援する、というマインド
・広報愛=地元愛
書きたいことがたくさんありすぎてどうしよう…、とにかく、目線を自分たちの内の仕事ばかりに目を向けるのではなく、“外”に目を向けることに注力する必要があるのかな、と思いました。
地域の人に出会うと、自然と「この人たちが輝くように文章書こう」とか思っていた。
でも、広報紙って読み手のことを第一に考えんといかんな、とも思った。
読み手が自分の街を好きになるように。
広報紙が読み手にも“自分ごと”として捉えられるように。
もっと大きな“愛”を持たないといけないな、と感じた。
その愛をきちんと伝えられるように、スキルを学ぶ。根幹となる部分をこの特別講演で教わった。
後編に続く