舟木真也 | デザインアドバイザー | たきコーポレーション

デザイン内製化にお悩みを抱えている企業のみなさまに、デザイナー育成に関する、スキルアップやモチベーション向上のサポートをしています。Adobe アンバサダー幹事 https://www.taki.co.jp/solution/designadvisor/

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デザイン内製化にお悩みを抱えている企業のみなさまに、デザイナー育成に関する、スキルアップやモチベーション向上のサポートをしています。Adobe アンバサダー幹事 https://www.taki.co.jp/solution/designadvisor/

最近の記事

デザイナーのセンス

「センスはどうやって身につけるのですか?」 先日、某デザイン専門学校で講義をさせていただいた時、学生の方にこんな質問をいただきました。 たき工房には100名以上のデザイナーがいて、それぞれ得意なデザインカテゴリーを持っています。ブランディング、UI/UX、グラフィック、ムービーコンテンツといった領域別に力を発揮するだけでなく、創作文字が上手いとか、イラストが得意とか、スポーツ系が得意とか、女子的デザインは安心して任せられるとか、などなど。 そういったデザイナーは、最初か

    • デザイナーの癖

      デザイナーがデザインに慣れて、得意な表現が身についた時は要注意、ということについて少し書いてみます。経験を積んで得たモノには落とし穴があるかもしれません。 現在、いくつかのデザイン学校で講義をさせていただいているのですが、以前その中の学生からこんな質問をいただきました。 「自分がつくったデザイン、どちらがいいか迷ってしまって決められない。どうすればいいか」 ある課題に対して、バージョンの違いのデザインをつくってみたが、何がベストなのかが自分ではわからない、というお悩みで

      • 専門学校HAL様のスペシャルゼミで講義を担当させていただきました。

        専門学校HAL様は「ゲームから未来まで IT・デジタルコンテンツを学ぶ専門学校」として有名です。ゲーム、CG映像、グラフィック、アニメ、イラスト、ミュージック、カーデザイン、IT、WEB、AI…と、業界の最前線がそのまま教育に直結しており、東京校・大阪校・名古屋校では、教科書からだけでは学ぶことができないノウハウが身につく実践的なカリキュラムとして、各業界のスペシャリストを指導者として迎える「スペシャルゼミ」を毎年実施されています。 私が働いているたきコーポレーションに、大

        • ユニバーサルデザインを考える①

          デザインアドバイザーというデザイナー育成サポートサービスを始めて2年ほどたちますが、いろいろな企業の方とお話をする度に「ユニバーサルデザイン」について何らかの話題になることが多く、一般企業・デザイン制作会社共に「ユニバーサルデザインについて」の勉強会のご依頼が増えています。 私の制作領域は広告コミュニケーションのため、あくまでデザイナーの視点です。まちづくり等インフラ、建築やコスチューム、または学校教育におけるユニバーサルデザインについてではありません。 今まで行った企業

          学生たちのポートフォリオ相談会

          2021年3月から約1年間、デザイン学校のデザイナー職志望を対象に学生たちのポートフォリオ相談会を行ってきました。 面接を突破したいがポートフォリオの作り方に不安がある。制作中のポートフォリオをよりブラッシュアップしたい。そういう学生に対し、ポートフォリオを最適なものへと改善して、就職活動を有意義にする支援の一環として始めました。 コロナ禍でデザイナーの就職が厳しい状況にあることが、色々な方面から聞こえてきたこともあり、会社でデザイナーの育成にかかわってきた経験をベースに

          デザインアドバイザーって?

          私は現在、昨年2020年からデザインアドバイザーというシゴトをしています。これはデザインを内製化されている企業、デザインに関して何か困っている制作会社へ、ご要望に応じて、デザイナーのスキルアップやモチベーションアップ、デザイン・ディレクションのためのワークショップといったデザイナーの育成、または、デザイン知識やデザインツールの使用法に関してのレクチャーなどを業務としています。 働き方改革が進行している現在、デザインの制作物を内製して効率化を図る企業は年々増加しています。Ad

          デザイナーのコミュニケーションコスト

          わたしたちが仕事をする時、他者とのやり取りによって案件は進行するため、必ずコミュニケーションが生まれます。コミュニケーションが生まれると、そこにコストが発生します。「コミュニケーションコスト」とは、認識を一致させるために費やす時間のことです。 物事の認識を一致させる時間は人それぞれ差があります。そのため、相手によっては伝え方を変えたり、伝える内容を増やしたりすることが必要となります。仕事でもプライベートでも、自分が話していることを相手が理解するのに時間がかかったり、相手が話

          ポートフォリオをつくる

          組織で働いているデザイナーがポートフォリオ(作品集)を必要とされるのは、新しい仕事を担当するメンバーの実績紹介として使用するケースが主となります。ポートフォリオをお見せする相手を挙げると、クライアントの宣伝部や広報部に向けて。インハウスのデザイン部に向けて、または代理店のクリエイティブディレクターやアートディレクターに向けてなど、これ以外にもさまざまなパターンがあります。クライアントは提出されたポートフォリオを見て、これから実際の仕事を依頼する、または、今後共にプロジェクトを

          デザイナーのリモートワーク

          現在、誰も予測しなかった新型コロナウイルスへの対応のため、さまざまな会社や組織でリモートワークが実施されています。突然の事とはいえ、準備期間が少ない状況下で始めざるを得なかったのは否めません。ですが、その中で滞りなく業務を行うことは、多くの方々の変化への柔軟な対応力によるものであると思います。 たき工房は約115人のデザイナーが在籍しており、ディレクターとデザイナーがひとつのチームをつくって仕事をしています。少数のデザイナーをマネジメントするディレクターもいれば、多くのデザ

          資料探しのコツ

          クライアントに完成イメージを伝えるために、プレゼンテーション用のカンプを制作します。カンプというのは「Comprehensive Layout(包括的なレイアウト)」の略で、どんな制作物になるかを提示するための完成見本のことで、初期の段階で完成イメージを共有してゴールを目指します。 ラフスケッチのみでは完成イメージを伝えることは困難です。クライアントも仕上がりが分からないものにOKを出しにくいですし、完成してから想像していたものと違う、などといったトラブルの原因にもなります

          仕事以外から学ぶこと

          デザイナーは主に所属している組織や会社などでデザインを行っています。実務としてデザインを行うことは、収入を得ること、クライアントの意向を知ること、スケジュールを知ること、さまざまな関係者と関わることなど、プロのデザイナーとしてだけでなく、社会で生活するために必要な多くのことを学べます。 ですが、会社の仕事だけでは自分のデザイナーとしての成長には限度があります。自分が望むどんな案件でも経験できる会社は、そう多くはありません。そのため多くのデザイナーたちは個人活動で感性を磨き、

          デザイナーが動画をつくる

          たき工房のデザイナーが動画制作に関わりはじめたのは、2014年くらいからです。もちろんそれ以前にも仕事で手がけていましたが、動画をメインで制作するのではなく、グラフィックやWeb案件の制作リストに時々含まれていた程度でした。 その後、デジタル案件の増加に伴い、私たちもグラフィック以外の領域拡大が求められてきました。そのための施策のひとつが、動画をつくるスキルを身につけることでした。多くのデザイナーたちがその必要性を感じていたようで、各制作チームでさまざまな独自の施策が実行さ

          データつくりも作品

          きれいなデザインをする。美しいレイアウトが得意。センスの良い表現ができる…など、などデザイナーの特徴を示す言葉は数多くあります。 様々な案件を経験し、コミュニケーション能力を高め、何度も新しい表現をトライし感性を磨くことによってデザイナーは成長します。一方で、組織で業務をしなければならないデザイナーが持つべき能力に「データの制作と管理」があります。 属人化しないデータをつくる 会社で複数のメンバーでデザインをすると仮定しましょう。アートディレクターとデザイナー、または複

          ロゴつくりに学ぶ

          デザインには一発必中で上達する手段はありません。デザインやレイアウトは何度も繰り返される実務経験の中で、少しずつ知識やスキルを身につけ上達していくものです。デザイナーになり始めの頃は、誰もが先輩や上司にデザインのダメ出しをされたと思います。どんな仕事でも社会で通用できるようになるには、時間がかかります。しかし仕事で経験する以外にもデザインの勉強方法はあります。 その中のひとつが「ロゴをつくること」です。ロゴをつくることは単純に見えて、実は非常に難しい作業なのです。 企業や

          得意なことをのばす

          デザイナーには、日々さまざまな案件の相談が来ます。昨日は化粧品の店頭什器の依頼。今日は製薬会社のホームページ制作の相談。明日はお菓子のパッケージの予定…など、固定クライアントのみのお仕事をしているデザイナーでもない限り、明日何の案件を引き受けることになるのか分かりません。クライアント業種もさまざま。制作領域も店頭広告、ホームページ、SNS広告、パッケージ、ロゴなど多岐に及びます。 そのためデザイナーはどんな仕事でも対応できるように、自分の制作領域の拡大をしていく必要がありま

          文字を組むということ

          たき工房は、今年で創立60周年を迎えました。今はもう知らないデザイナーが多くなってしまいましたが、以前は写植で文字を組んでいました。文字を大切にするということはデザイナーの基礎ですが、代々受け継がれているたき工房のデザインに関するDNAのひとつでもあります。 Macで文字をベタ打ちすると、当然プログラム通りに打ち込まれます。どんな文字でも均等に並びます。それを認識するため、四角い枠を均等に並べて作り、そこに文字を打っていきます。そうやって打った文字のフォルムを見ると、フォン