『24時間テレビ』がこれから歩むべき道は「健全な慈善番組」ではなく、業界の悪癖を逆手に取った「銭ゲバチャリティー道」である!
「俺はジャック・バウアー! 早く銃を捨てて、募金をしろー!」
24時間テレビといえば、ジャック・バウアーですよね?
令和の世に、何人がかつての大人気海外ドラマ『24 -TWENTY FOUR-』にピンと来るのかは分かりませんが……。
今回は、先日放送された『24時間テレビ 愛は地球を救うのか?』について感じたことを、忖度なしに語っていきます。
今回も前半は無料、全文は有料にて公開になりますので、ご興味のある方は、ご購入をお願い致します。
また今回「24時間テレビのことを忖度なしで書くなら、少なくとも募金でもしとかないと、人でなしな気がする!」という自主忖度により、少額ですが募金をさせていただきました。
しかしながら、ワタクシ普段は、貧乏フリーランス&肉体労働者、そして二人暮らしを始めたばかりで現在、生活困窮モードであるため、募金額は3000円が限界です。
よってこの記事を定価300円で買っていただいた場合、10名購入でやっと±0円、Ⅹでの拡散割引で100円購入の場合は、30名購入で±0という、自らの慈善活動により、己の首を絞めるという愚行からスタートしております。
こうやって金のことを先に明かしながら、記事の購入を促すやり方は、イヤらしく貧相下劣であるとワタクシ自身も、重々の20乗ほど痛感しておりますが、本家本元の『24時間テレビ』を放送する日テレ様も、横領騒ぎの影響で 募金額を明確にし、高い信頼性と透明性を実現するために、様々な努力をされておるかと思います。その熱意に心打たれ、今回このような形で、募金額を公表させて頂きました。
頼む! 買ってくれ!(無料部分まで読んで、ご興味があればで結構です!)
というわけで、前置きはこの辺して、さっそく『24時間テレビ 愛は地球を救うのか?』について語って参ります。
あ! あと前後半に分けたNetflixの大人気ドラマ『地面師たち』の記事が好評でして、ご購入いただいた方々、本当にありがとうございます!
募金はポケットマネーでしましたが、売上金はありがたく、コンビニスイーツや菓子パン代に充てて、文字通り私腹を肥やすために使わせて頂きます。
ドラマを観た上で、まだお読みでない方は、是非とも覗いて下さいませ。
史上最も叩きやすい『24時間テレビ』爆誕
毎年『24時間テレビ』の時期になると決まってSNS上で、番組への是か否か論争が起きる。よく目にするのは、こういった内容だ。
【否定派】
・チャリティーと称しながら、出演者には高額のギャラを出している。
・CMが流れるなら、スポンサー企業からの収入があるはずで、それではチャリティーではない。
・障碍者を募金の種にして、逆に差別的だ。
・感動ポルノの押し付けでイヤだ。
【肯定派】
・番組にすることで募金が集まるなら、やらないよりはマシ。
・番組を通し、福祉を必要とする人たちの存在を知る機会にもなる。
・人の為に頑張る姿に感動できない人のほうが、どうかしてる。
・やらない善より、やる偽善。
肯定派、否定派、いずれにもそれなりの正当性があり、どちらの意見を聞いても「なるほどねぇ」と納得感があるが、今回の24時間テレビに至っては、番組で集めた募金の横領が発覚、その後水卜アナが 生贄の様な 謝罪、さらに番組のメインテーマ「愛は地球を救う」に「のか?」をつけるという有様で、視聴者も「一体どうしたのか?」となるタイトル改変劇があり、放送まで前代未聞の出来事ばかりだった。
さらに『24時間テレビ』恒例のマラソン募金にチャレンジする芸能人は、先月、突如Xで起きたフワちゃんの不適切発言が、怒涛の勢いで炎上し、彼女の社会的「死」によって「とっても悲しい」感じで収束したことで、いま現在日本の芸能界で、もう(あらゆる角度から)弄れない芸人として君臨している、やす子氏である。
(例の件を、個人的にまとめた記事もありますので、覗いて下さいませ)
今回の『24時間テレビ』は、社会的にも、エンタメゴシップ的にも、幾重にも重なった(語弊を恐れながら言うが)面白いバックストーリーの終結点として放送されたのだ。
これまで1ミリも注目しなかったコンテンツだが、今回は頭から観た!(全時間、観たとは言っていない)
拷問マラソンと、「NO」といえない自衛官
そんなドタバタ劇を背景にした今回は、言うまでもなく放送前から批判が溢れていた。
何よりも真っ当だと感じた批判は「集めた募金が着服され、それを改善するための処置が、未だに明確にされておらず、透明性も確保されないことに疑問が残る」というものであり、その一件を放送内で、どう触れるのだろうと僕は楽しみに見始めた。
しかし、放送開始からしばらくしても、募金着服について触れられず「その件に関しては、この前うちのアナウンサーを代表にして謝罪したから、もういいでしょ?」という感じなのだろうか。
僕は、大きな力を持っている大企業や、大物芸能人などが、何かやらかしたときの謝罪を見るのが大好きなので、早々にガッカリした。
しかし、そんなガッカリも束の間、放送前日から関東地区に接近している台風10号の影響で、やす子氏と一緒に走る予定だった1000人の市民ランナー募金が中止となり、また安全性に配慮し、都内を走るのではなく、日産スタジアムをひたすら250周するという拷問マラソン化しての衝撃のスタートだった。
これはキツい、キツスギル……ッ!
延々と景色の変わらないスタジアム内を、ぐるぐる走り続けるのか。しかも雨が降っているなかで。
こ……これは俗にいう「奴隷が回している謎の棒」みたいじゃないかッ!? 常人なら気が狂ってしまう。
いや、待て! それは失礼過ぎるだろ!
あの奴隷棒は、意味のないただの重苦しいだけの作業をさせるもので、このやす子氏の250周マラソンは、彼女の頑張りを世間に見せることで、視聴者からの共感と慈愛を生み出し、募金額を上げさせるものであり、決して無駄ではない。このマラソンは奴隷労働への秀逸で皮肉を利かせた、メタな社会風刺ではない!
この時点でSNSでの反応は、やす子氏への「可哀想……」「この企画をアリにした制作サイド、鬼畜過ぎる」「なんでそこまでしてやす子を走らせたいの? もはや、いじめ」といった、あくまでやす子氏本人は責めずに、労わり、批判的な目は、ほぼ番組サイドへ宛てたものだった。
うん、わかる。
凄くわかるのだけど、僕は正直こう思った。
もはや「『はいー!』と言わずんば、やす子にあらず」といった具合である。番組終了後、Xのポストで「自分の申し出なので、番組ひどい! と叩かないで」とあるので、このマラソン自体、自ら志願してやっているかもしれないが、台風の影響とはいえスタジアムのトラックを250周も走らされることに「はいー!」と元気に返事しているのかと思うと、なんともいたたまれない気持ちになる。(なお、翌日の9/1からは、スタジアムを出て都内のコースを走ったので、一安心)
かつて『「NO」と言える日本』という石原慎太郎と盛田昭夫の共著がベストセラーになったが、このままでは何にでも「はいー!」と返事をする彼女は「尖閣諸島に日本の旗、立てて来て」というオファーにも「はいー!」と、返事するのではなかろうか。
僕が心配することでもないが、炭鉱のカナリヤのように、彼女を命懸けで守ってくれる「NOと言えるマネージャー」が付いていることを願ってやまない。
『24時間テレビ』が荒れるのは、罪悪感と差別感情が原因?
僕自身、『24時間テレビ』をほぼ見てこなかったので、マラソン企画の歴史にどんな差異があるのかは詳しくないが、毎年マラソンを走る芸能人を生中継し、汗を流し、身体を痛めながら頑張る姿を世間に放送することで、視聴者へ勇気(あるいは憐み)を与え、募金活動に繋げるという主旨であることは、誰もが承知の事実だろう。
正直言って、僕はこの構造をかなり気持ち悪いと思っている。
しかし、そう思いながらも、同時に自分以外の誰かの頑張りに共感し、手を差し伸べたくなる心理も分からなくもないのである。
これだから、この番組は質が悪いのである。
少し話が変わるが、僕は数年に一度、大した額ではないが(せいぜい数千円~数万円)、募金をすることがある。
タイミングは、気分や経済状況によって様々だが、それは東日本大震災のあとから始めたことで、一時期は、WWFなどの環境保護団体などに毎月少額であるが、募金もしていた(コロナの自粛生活による困窮で、現在は停止中。申し訳ない)。
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