親不孝行
七十代の母が一人暮らしをしている我が故郷の青森が、過去最強クラスの積雪で全国ニュースを賑わしている。
だからとっとと東京に移住してこいと、高齢者が一人で住める地域じゃねーんだよと、東京にいる妹弟たちと口を揃えてこれまで何回も母に言ってきて、そのための準備もしているのに、青森市内の施設でぬくぬくと段ボールのおもちゃをこしらえている重三郎(父)を見捨てて東京へは行けないと、そのくせ重三郎とふたたび同居するのは毎日超息が詰まって死ぬしかないからそれは絶対嫌だとか……だったら重三郎と一緒に雪に埋もれて死ぬしかないね、バイバイ母ちゃん(@^^)/~~~
……と、遠慮なく見捨ててやりたいところだが、こんなクソ僕チンポコでも、親を憐れむ本能が一ミリ程度残っているらしく、来週から一カ月くらい青森に帰って、ついでに親戚周りの雪かきボランティアでもしてやるか?と、しかしそれが現実的に可能なのか?と、金銭の都合や今月の予定をいろいろ思索したところ……そういえば今、生活扶助(生活保護)でメガネを新調するために、眼科にいって処方箋をとってきたばかりで、その処方箋と合わせて、メガネ屋の見積書や、”給付要否意見書”だとかを申請しなければならず、しかも処方箋の有効期限の一カ月以内にそれらを済ませなくてはならなかったことがまず一つ。
さらに今月末には、どうしても付き添いを外せない妻のCT造影検査(肝臓の)があり、加えて、昨年10月に申請した妻の障害年金の更新手続きの結果がたぶん今月中に出るから、それがもし望ましくない結果だった場合、年金事務所に異議申し立てのための対応(主治医に診断書を書き直してもらうなど)を迅速に行わなければならないこと……そして何より、妻を一人にさせてしまう期間が長くなるほど、また鬱が悪化して、酒を飲んでしまうんじゃないか?という不安が、青森の雪以上にうず高く積もってしまうということで……
だからもし青森に行くとしても、今月末から二週間くらいが現実的だろう……しかも例年通りなら、一月末から二月中旬が一番雪嵐のピークだから、そのほうがむしろ良いだろうと……。そう、それまでに母が倒れても知らん!というか、これまで散々忠告して、家の借金も重三郎のこともぜんぶ片付けてやったんだから、これ以上してやれる親孝行はないと結論した。