自由連想法による文章練習【７】
ぼくはきょういろいろ考えましたが やっぱりあの歯医者にもういちどいくことにしました それはなぜかということをおしえましょう いや それはいうまでもないことです ぼくはいま寒いのか暑いのかどっちかよくわかっていません ただ アタマはすこしかゆいらしく さらにすこし雨がふっているようです さいきん妻のシャンプーを半プッシュだけつかっています いぜんはふつうにシーブリーズというリンスインシャンプーをつかっていました いぜんというのはいちねんほどまえにまでさかのぼります 禁煙と一日一食をはじめたのとほぼおなじころです タバコをやめてまもなく ぼくはねむくてねむくてしかたがなく あるきながらもねそうになってしまうほどでした とはいえうみにおちるきはしませんでした 自転車のチェーンがはずれたいちばんさいしょはたぶんそれよりまえです 自転車のチェーンがいつはずれてもすぐなおせるようにと ちいさいドライバーをかばんのポケットにいれるようになったことは しかしそのときは徒歩だったのでとくにかんけいありません あおもりのうみはいろがこいため あまりキレイとはいえませんが ちゃんと潮のかおりがします いっぽうのあたみのうみは潮のかおりがあまりしません あたみにすむこともしずおかにすむこともやめて とうきょうとの立川きんこうにすむことをいまはかんがえています だからさきほど青梅線えんせんの「羽村」というところのちんたいぶっけんをみていました 青梅線はアウェイですが すぐちかくというか関連線っぽい中央線はぼくたち夫婦のホームです ぼくたち夫婦は中央線のおぎくぼにすんでいましたが おぎくぼにすむことはもうにどとないでしょう おぎくぼ四丁目にあるマイバスケットは そのむかしサークルケーサンクスでした いまのうちのきんじょにあったサークルケーサンクスはかんぜんにとりこわされてしまい だから「チュロッキー」だったか「チョロッキー」みたいなかんじのなまえのスイーツをきがるにたべられなくなってしまいました きょうはあとせめて0.5キロおとすつもりですが そうはできないまま夕食のじかんにとつにゅうしてしまうかもしれません きょうのゆうしょくはハッシュドビーフとサラダとタマゴスープです タマゴスープはつまの母のいわゆるおふくろの味で しょうゆとかたくりこでちょうりします つまの母はつまが二十歳のときにくもまっかでしにました それから8年後につまはしんじゅくのしょくばでぼくと出会います ぼくはそして大宮にすむことになり 大宮の住民税のしはらいはまだ8せんえんくらいのこっています のこり6まいのようしで2千円ずつはらえばおわるよていだった市民税課のひとのけいさんを けっきょく千円ずつはらってぼくはくるわせてしまっています わざとではなく むしばのちりょうでおかねがかかりすぎてしまったせいです ちちがしねば杉並のぶんの二十万円もいっきにしはらってしまえます しかしまだもうすこしちちはしにそうにないようです もういいかげんそろそろ などといつもおもうのですが なかなかそうなりません そのためぼくのじんせいは まだはんぶんしんだようなかんじのままです しかしやがてぼくは生き生きとするでしょう ちちがしんだら つまと母をつれて東京にひっこすよていです ぼくはきのう妻にけっこうムカついていましたが いまはそうでもありません ぼくはじゃあどうしたいのか？をはっきりわからなくてももういいとおもいました きたないはなしですが うんこに小便がかさなってまじったその流れと絵づらによくよく目を凝らしたぼくは その美しさと呼んでいいかわからないようなものに 微かとはいえたしかに魅せられたのです そしてぼくはあの歯医者にもういちどいきました もしまた銀歯がとれたら型をとりなおすところから要は銀歯をつくりなおすといわれ お金もいらないとのことでした そうはいってももう取れないようねがいながら じゃっかんおそるおそるいまかんでいるガムはクロレッツのほうです もうすぐなくなるクロレッツのほうをかむために「勇気」や「決意」が必要だったといったらおおげさですが しかしあすも母が街にでられないとなると クロレッツはじぶんで買わなければなりません そう そうまですることはこんげつはとくにできません らいげつにしてもけいたいのしはらいがあるのできびしいでしょう けいたいのしはらいをひきおとしにしたことで さんびゃくえんほどやすくなったのをいざじっかんすると なかなかのお得感がむねをしはいしました そしてそのいい気分をひきずったぼくは そのあとわざわざ歩道橋をのぼって八甲田山を1分間くらいながめました そしてべつにもっとたくさん無茶をしたってかまわないだろうとおもいました なんせぼくはまだ40歳になったばかりなのです まだまもりにはいるねんれいではないはずです ぼくのむねにいまつかえている一抹のふあんは それほどとくべつなものではありません コイケのいえのトイレで右がわのかべにおもいきりしょうべんをひっかけて そのことをバレやしないか？とむねをドキドキさせながら コイケのせいにするような言いかたをコイケの母にしたときにくらべれば たとえばぜんぜんマシだということです 中学になって登校拒否になったコイケといちどだけあったぼくは コイケを立ち直らせることができるのはもはやアナタしかいない！的なコイケの母のきたいにこたえようと すこしだけどりょくしました コイケの母はぼくがコイケのいえにあそびにいくと いつもホットケーキをつくってくれました 右がわのかべにひっかけたしょうべんをけっきょくふいてくれたのもコイケの母でした だからぼくはもっとどりょくをするべきでした コイケがすんでいた団地はいちねんくらいまえにきれいにリフォームされました といっても中はみていないので外壁だけかもしれません やがてぼくはコイケのことをおもいだしもしなくなり それいがいの思い出もわりとぜんぶ過去いじょうの前世レベルにとおくかんじるようになりました ぼくはなぜこうもたくさんの種類のじんせいをあゆむことができているのか ほんとうにふしぎにおもいます ほんとうにふしぎにおもいながら ここ何日かでいっきに日がながくなったこともぼくはかんじています そもそもトイレブラシがおれてしまったのは三カ月以上もまえで というのもバリウムをのんだあとの妻のウンコがべんきのそこにくっついて ちょっと力をいれすぎたところおれてしまったのですが しかもおれたブラシぶぶんがおくの穴にぎっちりはさまってしまい ぼくはそれを素手でぬきとったのでした だからといってそのことを恩着せがましく妻にいうなどしたわけではもちろんありません というか仮にそういうニュアンスでいったところで 妻はビクともしなかったでしょう 汚いことやいえのことのぜんぶは 働いていないぼくのしごとときまっているからです いや それどころか「ふふふっ」とかるくわらったくらいにして 妻はそのはなしをほとんど聞き流していました まあでもぼくとしては もう銀歯がとれなければそれでよく しかし先にとれた銀歯の裏側がいわゆる虫歯的なにおいをはっしていたことがやっぱり不安で いっぽうの左耳のまよこに突如できたできものは 虫歯のとり残しと何らかの関連があるかもしれないという まずあり得ないきのうまでのぼくの不安を取りのぞくくらい小さくなってくれました やがてかさぶたっぽい手触りになってきた左耳横のそのできものを左の中指でつつきつつ 右上の歯を右手にもったつまようじでホジホジすること5秒もしないうちに その数分まえにたべた妹からレシピをおしえてもらったという母の手作りソーセージの食べカスがわんさかとでてきました そして「これなにかわかる？」と つまようじについたそのソーセージの食べカスを妻にしめし さらに屁もしたあげくあやまりもしないでそのまま寝ようとしたぼくに 妻の怒りはとどまることを知りませんでした そう…… 「殺せ！殺してみろ！」と怒鳴りちらすまでエスカレートした妻のいかりにせっしたぼくは そのあまりの妻のじょうたいにおどろき そのたいろいろなかんじょうもぜんぶ一周して つい爆笑しそうになってしまい しかしなんとかこらえ ともあれこうなってしまったことのせいはぜんぶ一太にあるとし いらいぼくは一太からのれんらくをいっさい無視しています それどころか三カ月くらいまえに よっぱらってセブンでブラックサンダーアイスを買ったかえりに 暗闇のなか一太らしいやつが看板をかたづけているのをみかけて そのためにちょうど前屈みになったところの顔面にあわせて おもいきりケリをぶちこんでやりました そう そのあと家につくまでウンコを我慢できずにもらしてしまったのは そんなことをしてバチがあたってしまったということだとおもいます
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